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オタク極り、過去を変えろ。

作者: 麻人 弥生

だいぶ前の作品ではあるが、シュタインズ・ゲートというTVアニメはご存知だろうか?

元はアドベンチャーゲームであるこの作品は本当に素晴らしいものなのだが、今回私が問いたいのは例えば過去にメールやデータを送れるとしたら貴方は何をしたいかという事だ。


そして私は偶然にもそのチャンスを得た。

私には知りたい過去が一つあった。最愛の彼の死についの真相を。

また願わくば彼には美しい死に様を見せて欲しいという事だった。


この件についての発端はがらくた屋で見付けた旧型の端末。所謂スマートフォンと呼ばれていたもので充電は出来るが電源は入らないとの触れ書きでジャンク品。もともと当時物が好きな私はとりあえず購入してみたのだった。

家に帰ってから付属のコードなどをPCと繋いでみる。多分充電中というサインの赤いランプが点灯したが、うんともすんともなのでそのままひと晩ほど放置したのだった。

翌日目を覚ますとPCの画面には見慣れぬ青いSNSの画面が立ち上がっていたのだ。


誘導されるがままアカウントを作成した私は流れてきた一枚のイラストに驚愕した。

推しの絵だ、しかも私の知らない絵柄。

更にとてつもなく上手い...。今や彼の二次創作を定期的に投稿するのは、私を含め3人しか知らず、皆相互であった。こんな新規勢が現れたのか!?と検索を掛けるとそこには楽園が広がっていた。

この作品が流行ったのは40年程前である。原作の連載開始から数年アニメ化により人気が出たこの作品であるが、その中でも人気とは言えない彼の二次創作で溢れかえっていたのだ。

数時間後、冷静さを取り戻した私はその原因にやっと辿り着いた。このSNSというかこの端末そのものが40年前のリアルタイムに繋がっていたのだ。

そしてその衝撃の事実を把握した瞬間に閃いた一つのアイデア。

それは私が生きる現代にも轟く私の推しの死に様。恐ろしい程の作画崩壊で作品全体を通してのクソ回と認定されてしまったあの回を救うというものだった!

何度も見返し、またその度に唇を噛んだあの瞬間をやり直す事が出来る!!

彼との出会いから十数年間、二次創作に費やした時間は無駄ではなかった!!

その勢いでSNSに彼女の二次創作と自主制作したアニメを投稿。詳しくは分からないがプロフィールをアニメーター、仕事募集中!!と表記した。


そうして誰にも知られる事も無く回り出した小さな歯車がどんな影響を与えるのか。高床式草子もオタクなのだから、もう少しシュタインズ・ゲートをやり込んでいた方がよかったのかもしれない。

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― 新着の感想 ―
物語の導入としては、非常に興味深いです。 40年前のSNSとダイレクトにやり取りが出来るスマホが、ジャンクで見つかるというのも魅力的。
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