第五話
今回は第四話から自然に入れましたので、早く皆さんに読んでもらえます。
これからもこうであれば良いのですが…
いままで生きてきた15年で、こんな経験はゲームや漫画の中だけだと思っていた。こんなのは見たことがない。
「沢村…?」
呆然としていたので無意識のうちに口が開いた。
沢村はそれに反応してしまいこちらへ振り向き、不意打ちと言わんばかりに霊が回し蹴りを見舞った。沢村は俺のすぐ横の壁まで飛ばされた。
「沢村、大丈夫か?」
「このぐらい平気よ。心配しないで。
霊さんや、第2ラウンドと行きましょうか。」
なんとなくだが危険な気がしたので沢村から離れて見守る。こんなに巨大な霊とやらが倒せるのだろうか。沢村の表情が楽しそうに見えたのは気のせいにしておこう。
先に動いたのは霊の方だった。今度は一気に距離を縮め、再び拳を振り下ろした。いや、正確には、振り下ろそうとした。
沢村は槍を一本、霊の左目に突き刺していた。霊はそのため、動きを途中で止めたのだ。
沢村はもう一本の槍で霊の両足首をスパッと切った。案外簡単そうに見える。霊はその場に倒れた。沢村はふぅ、と息を吐き、俺を呼んだ。
「ここからが大事だから、しっかり見てなさいよ。」
沢村は霊の首元まで歩み寄り、人参でも切るように首を切った。すぐに変化が見てとれた。
沢村に切られた右腕、足首より先の部分、頭部、本体が自ら黄色い光を放ちながら霧状になった。そして沢村を包み込んだと思ったら、今度は体へすうっと入っていった。だが量にして半分ほどはまだ漂っていた。
「さ、吸収して。」
「なんでだ?」
「霊狩人はそうしないと強くならないのよ。本当は全部私が欲しいとこだけど今日は半分あげるわ。体に入ってこい、って思えばいいから。」
半信半疑だが言われた通りにしてみる。すると、沢村の時同様に俺に入ってきた。
沢村は霊に投げた方の槍を拾い上げて語り出した。
「さ、どうよ。信じる気になってくれた?」
「まぁ、あそこまで派手にやってたしな。百歩譲って信じておこう。」
「良かったぁ。じゃあ決まりね。」
「何が?」
「私のパートナーよ。霊狩人としてね。」
沢村は先刻と同じく、呪文みたいなものを唱えた。また視界が光に包まれたが、気絶はしなかった。ここに到着した時の気配も消えていた。
「そりゃそうよ。霊は処理したからね。霊の入口自体消えてるもん。
じゃあ明日。また学校で。」
俺は返事をしてから自宅へと足を向け、沢村は駅に戻っていった。
こうして俺の高校生活がスタートした。先が思いやられるぜ。
さて、第五話で一段落つきましたので、いろいろな説明を…しようと思いましたが、書くことが見当たりません。質問が有れば遠慮なくお願いします。
これからもお願いします。
作者より