第四話
今回も更新が遅くなってしまいました。読者の皆様には迷惑をかけたことと思います。
誠に勝手ながら、更新の頻度をこれから減らすかもしれません。
今後ともお付き合いお願いします。
人間誰でも一度は「お化け屋敷」に入った事はあるだろう。周囲はほとんど何も見えず、常に寒い雰囲気が漂っている。今俺が居る空間を表現したらこんな感じだ。
どこからともなく、顔に何かが当たった。声のような音が聞こえる。目の前を確認する為に俺は、
目を開いた。だが、俺にはさっきまで目を閉じていた自覚は無い。
周りは何も変わっていないだろう。校舎も体育館も、1ヶ月前使った時と全くと言っていいほど同じだ。横には沢村が座っていた。
「やっぱり最初は気絶しちゃうかぁ。到着よ。ここが、霊の入口〈ワンダリング〉。証拠ならあるわよ?」
沢村は自分の右腕の模様を見せてきた。確認してみると、俺の右腕も同様に青白く光っていた。そして霊の入口は、
「寒い。何なんだ、ここは。」
「言ったでしょ?霊の入口よ。」
沢村は立ち上がると、空中に手をかざして目を閉じた。途端、棒状の何かが両手に握られた。一本約1メーター半と言ったところだろうか。
「沢村、なんだそれは?まさかとは思うが、それで霊と闘うつもりか?」
「そうよ。こういう類いの武器じゃないと、当たらないからね。」
「俺はどうすればいい?何にも用意してないぜ。」
今日は見てるだけでいい、と言われた。ここまで連れて来てそれはないとは思うが、入学早々に死ぬのもイヤなので、黙って従うことにしよう。
「離れてて。」
言われた通りに距離を置くと、何かが現れた。
「これが、霊…?」
「しっかり見てなさいよ、私の霊狩り〈ゴーストハント〉。」
現れた霊は一言で言うとすれば、「鬼」がいいだろう。角が生えていたりパンツ一丁であったり金棒を持っていたりはしないが、取りあえずは人型である。身長は10mを越えているだろうし、なにより、強そうな体格だ。こんなのが人間界で暴れたら一大事だな。
人型の霊はいきなり俺を狙ってきたが、沢村が背中を小突いたことにより目標を変更した。死ぬかと思ったぜ。
「アンタの相手は、私よ。覚悟なさい。」
気がつくと沢村の持っていた棒の先端には刃が付いていた。槍だな、あれは。
霊は右拳を沢村の頭上から一気に降り降ろした。沢村は大丈夫かねぇ。
沢村は空中に跳んでいた。そのまま沢村は、霊の右肩に着地して槍をひと振り。霊の右腕を切った。かなりの痛みが走ったようで、霊は叫び声と共に暴れ始めた。切られた腕はトカゲの尾みたいにブルブル動いている。沢村は霊から距離を置いた位置で身構えた。