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流刑地4 バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!

「どうしてここにいるんですか!?」


確かにエピックは神出鬼没だがここはおそらく座標の違う異世界、こんな所にいるのは少し違和感だ。

困惑していると後ろから扉が開き、息切れした鍵山が現れた。


「おい大丈夫か!?って誰だそいつ」


散弾銃を構える、がすぐにアリアに降ろされる。知り合いと説明して大丈夫な事をわからせる。鍵山はそれでも警戒はしておく。


「あー、嬢ちゃん。説明してもらって悪いがそれは間違いだな」

「どういうことです?」


偽物とでも言うのだろうか。確かに呼び方は違うが気配や匂い、癖なども一緒なのでとても信じられない。


「なんというか、それを説明するならこの『流刑地』の特性を知らないといけない」

「流刑地?」

「ああこの場所の名前、全ての罪ある生命が行き着く最果て。そして君達を散々苦しめた蓄音機頭、処刑人(エグゼキューショナー)は罪人を裁く存在だ。アレに勝とうと思うなよ、アレにはな『罪生特攻』ってやつが備わっていて一撃でも喰らえばお陀仏よ。」

「うっわマジかよ、お前助けてなかったら死んでたってことじゃん」


鍵山は、感謝は?と言わんばかりの顔をしていてとてもうざい。だが事実なので一応感謝をしておく、とても嫌な顔をして。


「そんな嫌そうな顔するなよ傷つくなぁ、まあそれは置いといてあの女の怪物は何なんだよ、絶対裁く側の存在じゃないだろ」

「それは最初の話に関係あるな。ここはな罪、悪意、思い出が集まる場所、そしてそれらは稀に具現化することもある、これが僕と女の怪物...そうだな泣き女、とでも呼ぼうか。記憶の集合体が僕達の正体だ。僕は嬢ちゃんの思い出から、泣き女は誰かの悪意...いや嫉妬から生まれた存在ってわけだ。」

「アンタ、ここで生まれたのにえらく詳しいじゃないか?」


鍵山は疑う。こんな場所で初対面なのだからすぐに信じるというのは難しい。


「それは嬢ちゃんが抱く僕の印象が『何でも知っている』って言うものが入っているからだな。ま、ここの事しか知らないけどな」


なるほど、私の中から生まれたのなら本物と見分けがつかないだろう。


「そうだ、あと具現化するときの確率だけど、そいつを思っているほど生まれやすくなるんだ。例えば『愛』なんてものを抱いていたら確実に具現化されるなあ」


愛...確かに私はあの人が好きだ、愛している。その証明が目の前にあるので私は嬉しくなった、鍵山が隣にいるので顔には出さないけれど。

アリアがそんな事を考えている隣で鍵山はある可能性に行き着いた。

(もしかしたらアイツがいるかもしれないのか)

アイツとは鍵山の婚約者である。結婚はまだしていない、その前にここに来てしまったから。鍵山はそんな事情があるので一刻も早く帰りたい。社畜なのは事実だが

ここに来る前、鍵山は婚約しているにもかかわらず婚約者に素直になれなかった。理由は性格を見ればわかるだろう、皮肉屋で自分の方が優秀であると主張したい。だから今まで基本的に冷たく当たり、直球にデレた事はない。そんな面倒くさい性格にもかかわらずずっと好意を寄せてくれた彼女に「愛している」と言いたい。

それだけが心残りだ。


「じゃあ説明が終わったんで、本題に入ろうかストレンジャー?」

「本題?ああ武器か。早速売ってもらいたいんだが、対価の悩みってなんだよ」

「言葉の通り、悩みを言えば武器をやる。簡単だろ?」


二人は顔を見合わせる、本当にこんなことでくれるのか?という思いが二人の中にあった。そんな様子を見てエピックはやれやれといった仕草をする。


「嘘は言わんさビジター、そもそも本来はお代なんていらないんだ。でもただでやるなんてつまらないだろう?」

「面倒くせえなこのクソジジイ」

「ブーメランかますなよクソガキが」


実に仲が良い二人だ。微笑ましい光景だが今はそんな事より本筋に話を戻そう。アリアは頑張って二人をなだめた。


「じゃあ俺から言うか。俺は帰っても仕事がクビ確定な事が悩みだ」

「浅くないですか?」「浅いなぁ」

「...なんだよクソッ!わかった言うよ、俺はな婚約者に好きなんて一言も言った事が無い!以上!」

「最低ですね」「やっぱりクソ野郎じゃないか」

「お前ら何なんだよ!?」


次はアリアの悩みを打ち明ける。とは言っても悩みなんて無い、強いて言えば...


「私は弱い、が悩みですかね」

「フンッ、全くもってその通りだな!」「大丈夫さ、次の章ぐらいで強くなるよ」

「...あ?なんか対応が全然違うな」

「当たり前だろ、愛娘とクソガキを同列に扱うと思ってんのか?」

「ふざけんな!客は平等に扱えよ!」

「店側にも選ぶ権利はあるね!」


また始まってしまったのでとりあえずアリアは鍵山にチョッピングライトをかまして静かにさせる。


「ヒュー、やるぅ」


悩みを打ち明けた二人にエピックはあるだけ譲る事にした。どうせ会うのはこの二人だけだろうし使ってもらわないと道具達も可哀想だろう。

譲って貰った道具はハンドガン、散弾銃の弾、爆竹、手裏剣、煙玉、まきびし、拘束罠、チェーンソー、火炎瓶だ。とはいえ全部は持ちきれないので手裏剣、煙玉、まきびし、チェーンソーは返した。

ハンドガンと火炎瓶はアリアに、その他爆竹、拘束罠、弾は鍵山が持った。

火炎瓶は単体では使えないので鍵山が能力でライターを作った、使い方も教えた。ハンドガンは弾がないので元々入っていた七発しか撃てないが、彼女には剣があるので問題は無いだろう。


「さて、そろそろ僕はお暇させてもらうよ。そうそう僕が持っていた物は流刑地を出たら無くなるから気をつけて。あ、もう一つ。あと十分ほどでここは安全じゃなくなるから。」

「はあ!?なんでだよ!?」

「そりゃあ僕の力も長続きはしないさ。オリジナルならともかく、僕は本物じゃないんだからさ。それではお二人さん、良い旅路を」


そう言い残してエピックは去って行った。少し名残惜しいが今はこれからの事を話す必要がある。


「これからどうします?」

「フフンッ、実は既に優秀な俺が計画を考えた!」

「あーはいはい凄いですね、でどんな作戦ですか?」

「名付けて『バケモンにはバケモンをぶつけんだよ』作戦だ!」

「うわぁ...絶望的にセンスが無い」

「作戦が良ければ良いんだよ!」


計画はこうだ。まずはアリアが泣き女を地下の入口まで誘導する、そして鍵山が上に戻り蓄音機頭もとい処刑人を連れて来る。そして化け物同士を鉢合わせる作戦だ。

ここが罪ある者の最果てならば泣き女も罪人の類のはず、『罪生特攻』を持つ処刑人に倒してもらおう、という割とまともな作戦だ。

リスクは高いがどうせ何もしていなくても危険なのだから、二人は思い切って行動することにした。

具現化の条件は「純愛」に限られます。少しでも汚れていたら確率は大幅に下がるんだ。

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