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事件

「やあやあ、久しぶりー、シスターちぁゃん」

そう言って盲目のシスターの肩に手を置く、だがシスターはすぐさまその手を払い除けた。

「あら、お久しぶりです第四天将様。今日もご機嫌麗しく、しかしわたくしのような俗世の者に触れるというのはいただけないですが」

第四天将と呼ばれた男はやれやれといった身振りをする。だがその内心、これってセクハラってやつに入るのかな、なんて心配をしていた。その証拠に第四天将の身体的特徴の中でも最も目立つ天使のような羽をパタパタさせていた。

「それで?天将様がわたくしにどのような仕事を下さるのでしょうか?」

敬語は使っているが絶対敬ってないだろうなという口調で聞く盲目のシスター、どうやら先程の行為にご立腹のようだ。

いやしてもしなくても、口調は変わらないだろう。悲しい。

「何か嫌われるようなことしたかな〜。まあそれは置いといて、仕事の内容はね、とある男...なのかな?そいつの始末だよ」



アリア御一行は街の広場居た、受けていた依頼の処理を終えてそのまま情報収集をするためだ。

街は悪い意味で賑わっていた、理由は勿論殺人鬼に関すること。憶測が憶測を呼び、やがて真実として受け取られる。住民は皆疑心暗鬼だ、そしてその視線はよそ者が特に集める。排他的な視線が冒険者や旅人に向けられる。

「やはりよそ者は怪しい、ですか」

「いやいや、それ以上に私達の容姿が目立ち過ぎるのですよ」

ここらではあまり馴染みのない武士、赤いマフラーの怪しさ満点の黒騎士、希少な白い髪の美少女。

「...まあ、確かにそうじゃな。ワッハッハ!なんじゃ!儂らキャラが濃いではないか!」

確かにそうなのだがアリアは納得がいかないようで

「私は普通なのでは?」

と口に出す。アリアからしてみれば顔の見えない者よりオープンな自分の方がまだマシだろうという考えがあっての発言だ。

しかし二人はそう思っていないようで

「それはないじゃろ?」「いや貴女が一番特異ですよ」

「ええ?そうなんですか?」

「貴女の白い髪がこの世界でどういう意味か分かってます?」

「?」

キョトンとするアリアにフレドは呆れかえる。

「はぁぁぁ。無知は罪、とはよく言ったものです」

フレドは白い髪がこの世界でどういうものなのかを丁寧に詳しく分かりやすく大きな声で、説教をするかのように説明をする。

「中々愉快な連中よなぁ」

正影はどこぞで買ってきた酒を飲みながらその光景を眺めていた。

なんて仲良く交流している三人、とそんな時広場に男が息を切らしながら走ってきた。

「出た!殺人鬼だ!」

ざわざわと騒然とする広場、近くに居た衛兵達が男に事情を聞いていた。そして何人かが広場を離れる、恐らく現場に向かったのであろう。

「どうしますか?」

一応聞いてみる、と言っても正影さんの性格を見るに

「行くに決まっとろう」

でしょうね。暇してるこのご老人は面白そうな事が起きると行動力が凄い(アクティブ)だ。

「なに呆けておる!早くしないと見失ってしまうわ!」

正影はダッシュで衛兵について行った。

「全く...忙しないですね」

フレドは呆れた様子で、しかし笑っているような気がした。

「笑ってます?」

なんとなく聞いてみた。

「おや?よくわかりましたね。ふっ、似たような人を思い出しただけです」

「...奇遇ですね、私もそういう人を知っています」

ふふ、はは。と微笑する二人。お互いに好感度が上がった感じがした。

「...おまえさん方、人が死んでるかもしれんのに悠長にしすぎじゃありゃせんか」

全く来ない二人が気になって戻ってきた正影はそんなツッコミをいれた。

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