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復讐は星に願う

「あれ?あらららら?な〜んで君起きてるの?」


現れたのは氷で作った剣を携えたアリアだった

心底不思議そうに疑問をぶつけるローレンス、能力を使いかなり強い衝撃をくわえたはずだった、常人なら1日は気絶している程である。


「貴方の力が弱いだけですよ、あんな程度では私を倒すなんて不可能です、出直してきてはどうです?」


などと煽るアリア、しかしローレンスは怒った様子もなくすかさず反論する


「でも君、私が殺す気だったら負けてたよねー、ハッタリは時と場合を考えてね、負けたときダサいからね。これ教師からの有難い助言だよ」


バチバチと火花が飛び散る二人、そんな重い空気なので誰も喋ることが出来なかった、しかしそれをクロムが壊した、別に彼も空気が読めないわけではない、だが疑問を抱えたままでは癪に触るので言葉を放つに至ったのだ


「お前、殺されたんじゃないのかよ!?」


その言葉にアリアは不服そうな顔(ポーカーフェイスは変わらない)で答える


「私がそんな弱いとお思いで?」

「いやいや、君完全に気絶してたでしょ?何をしたんだ?」


沈黙、アリアはその質問には答えない、手の内を晒したくないからだ。

黙っているということはそれだけで何かあると確信される、しかし詳細などは分からないのでアリアはそれを選んだのだ。


アリアは殴られたあの時、確かに一瞬気絶していた。しかしそれは解析の為敢えてそうしたのである、抵抗しようと思えば時間はいくらでも稼げた、しかし能力の詳細が分からない以上決定打にかける。

故にアリアはローレンスに殺意が無いと見抜いた上で、倒されたフリをしローレンスの体に触れたあの瞬間アリアはローレンスの固有魔術を解析することができたのだ。


「沈黙かぁ、まあ良いけど。どっちみち私には勝てな」


言葉の途中、アリアはそこらにあったグラスや皿をローレンス目掛けて投げる。

相変わらず上に軌道が曲がるが...


「!?」


咄嗟に避ける、私の能力はある条件を課すことで無敵に等しい物なのだが、速く投げられた皿が頬に当たり少し血が出る。

これは少々不味い事になったようだ


「...君、私の能力が分かったようだね」

「ええ、とても詳細に。貴方の能力は重力操作、でもそれだけではあのような無敵に等しいものにはならない、消費が激しいですから。その無敵は貴方が開発した魔術によるもの、それは条件魔術と言うべきでしょうか」

「.....はぁ〜、優秀だね君は本当に、じゃあ()()本気で行こうか」


ローレンスの雰囲気が変わる、本気になったということだ。

別に今まで手加減していた訳では無い、だがもしもの事を考え力を温存していたのである。しかしアリアが仕組みを理解してしまったので手加減している場合ではないと判断し溜めていた魔力を開放するに至ったのだ。

突如アリアの体が吹き飛ぶ、最初と同じ結末にになるかと思われたが途中でそれが止まる。ローレンスはその様子に一瞬動揺したがすぐに気を取り直し直接剣で切りつけようとする。

無論、アリアも氷剣で応戦する。魔力を纏わせ強化をしローレンスと剣で切りつけ合う。

剣に関しては、お互い魔術タイプなので互角の勝負になっている。

ローレンスがまた能力を発動するが、一瞬硬直するだけで吹き飛ぶには至らない、アリアがしているのはローレンスによって変えられた重力の向きとは真逆の向きに魔力を自分の体にぶつけることで相殺しているのである、しかしそれにより自傷を微量ではあるが蓄積し、体も一瞬硬直してしまうのでアリアはあまり良い対策方法とは思っていない。だが現状この手段しかないので我慢するしかないのだ、とはいえこのままでは勝率が低いと考えたアリアはさっさと自らに施された()()を解くことにした。

「封印解除」

いきなりのその言葉にローレンスは嫌な予感がした、いや予感ではない、確信した。

このままだと確実に負けると

故にローレンスも全力を出す

ローレンスの魔術は条件魔術、その効果は文字通り条件を課すことである。

ローレンスが条件したのは戦いの最中常に展開している重力による曲がるバリアにある条件を設定した。

それは敵意である、敵意に反応し重力が曲がるように条件し魔力消費を大幅に抑えているのである。

もっともそれだけではただの人間の魔力量では、抑えてもたかがしれている。

そこでローレンスがしたのは他人から魔力を奪うことである、行方不明事件を起こしたのはそのためであり、今のローレンスは本来一般人並の魔力量でも無敵のような防御を得ることが出来たのだ。

だが今ローレンスはそれを捨てた、その分のリソースを全て攻撃に転じる。

「出力解放」

アリアがそう言った瞬間魔力量が今までと比較にならないほど増加する、ローレンスの強奪した魔力量を裕に超えている。

アリアがしたことは自身に施されていた封印の限定的な解除である、これは彼女の保護者であるエピックが施した魔力の出力を抑える封印である。

アリアが自分の魔力で問題を起こさないよう、そして魔力の出し過ぎによる肉体の自壊を事前に防ぐ為のものだ、しかしそれを解除せざるおえない状況になった場合、10秒だけなら解除出来るようになっている。

そういう条件があるからアリアは出来るだけ使わないように策を練っていたのである、そして能力を見破りいざ仕留めようと思っていたが、ローレンスが思っていたよりも強かったのである。

学園に来た時の封印状態のアリアは実はそこらの貴族と同等の出力であった、それでもローレンス相手に戦えるのは流石と言えよう、それに仮に最初から解放していたとしてもローレンスの能力は力技では勝てないので情報を集める為には結局負けたフリは必要ではあった。


「なるほど、それが君の切り札か。参ったなぁ...」

あくまでも飄々と言うローレンス

「切り札...というか選択肢の一つに過ぎないですけどね」

アリアはまだ手札を持っている風にに言う、実際出力解放は奥の手と言う訳ではない、アリアの奥の手は事前に仕掛けた魔術にある、だがそれは心臓を貫かれたアルスの治療に使っているので戦闘に使用は不可である。


「じゃあそろそろ決めようか...魔力全開放、重力全射(エルクシ)!」

傲慢なる天秤(アナストロフィー)


お互いに技を使い、紫の閃光が走る。ローレンスの重力全射(エルクシ)は物質は本来重力の方向は一つであるがそれを2つ3つ4つと増やすという効果だ、さらにローレンスは重力の強さを調節できるので力を強くしたら対象は力に耐えきれず引き裂かれるのだ。

だが結果はアリアが立ちローレンスが倒れていた


「...やはり届かないか、ほら俺はもう動けない。殺しなよ」

ローレンスはどこか清々しくそう言った、復讐を成せなかったことは悔しいが勝負に負けたことに関しては心地よさを感じていた、それは彼が無意識に自分を止めて欲しいという思い故である

「別に殺しませんよ、理由が無いですし。それに今貴方が生きているのは私を殺す気がなかったからです、そんな人にわざわざトドメは刺しません」

アリアの使った傲慢なる天秤(アナストロフィー)は七つある大魔術の一つであり、その効果は結果を反転させるというもの、これの効果でアリアに起こるはずだった結果がローレンスに来たのである、一見最強に思えるこの魔術だが燃費が悪すぎるので解放状態でしか使えず、またアリアの魔力量でもかなり消費するので同格や格上にはあまり使えないのである。

「良いの?また王様狙っちゃうよ?」

「それは面倒くさいのでやめてください」


あくまでも自分本位なその回答にローレンスは思わずキョトンとし

「フッ...アハッハッハッハッ」

大笑いをした

「いやなに笑ってるんですか」

「いやーごめんごめん、あんまりにも気の抜けた答えだったからさ、まあいいよ負けたんだから俺はもう死人同然、もう狙わないよ」

「そうですか助かります、あ、王が死にそうなので私はこれで」

「ああ癪だけど行ってきなよ」



...彼女はやはりあの方の娘、俺の妻が心酔していた誰もが仕えたくなる方。

じきに衛兵が来て俺を捕らえるだろう、そうしたらもうあの人が遺した子に会うことは無いだろう

だから祈ることにする。

創造神に、あるいは星に

彼女の旅路が、せめて後悔のありませんように

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