夢の果てにあるもの・・・ 第一章 〜二話〜
目が覚めると、バスは目的地に着いていた。永遠は顔が涙で濡れているのに気付き、首に巻いてあるマフラーで涙を拭う。そしてバスを降り、待ち合わせ場所へと向かった。
永遠は、歩道橋の先にいる美穂に気付き手を振る。
相手も永遠に気付き、信号機が青に変わると同時に永遠の元へと走ってきた。
「ごめん!待った?」
「ううん。アタシも今来たばっかりだよ」
「本当?良かった!じゃあ行こっか」
永遠と美穂は近くの雑貨店などを見て回った。
「ねぇ、永遠何かあった?」
「んー特に欲しい物はないかな?」
「そうじゃなくて!」
「え?」
「何か悩み事でもあるの?元気ないみたいだけど」
美穂は心配そうな顔つきで永遠を見ている。
「大丈夫だよ。最近ちょっと寝不足なだけだから」
永遠は笑顔でそう答えた。
「本当?もし悩みとかあったら言ってね。美穂にできる事なら何でもするから」
「うん。有難う、美穂」
永遠は美穂にも夢の話はしない。もし言ったら、きっと美穂はすごく心配するだろうから。
「あっ!永遠、見てこれ!」
永遠は美穂の手のひらに置かれている物に目をやる。
三日月型の誕生石が埋め込まれているネックレス。
「可愛いね。美穂に似合うんじゃない?」
「本当?じゃあ買っちゃおうかな。永遠もお揃いで買わない?」
美穂は永遠の誕生石の入ったネックレスを見つけると永遠に差し出した。
「永遠は11月生まれだから、これだね」
黄金色の石のついたネックレス。永遠はネックレスを受け取ると自分の首に当ててみた。
「すっごく似合うよ!トパーズは[友情・友愛・希望・潔白]って意味があるみたい」
「友情か、いいね。じゃあアタシも買おうかな」
二人はレジに行き、会計を済ませ店を出た。
店から出ると一匹の黒い猫がいた。
「猫だ。可愛い♪」
「ここのお店の子かな?」
黒い猫は永遠の顔をジッと見ている。
「ニャー」
猫は鳴き声をあげると、ゆっくりと歩き出した。まるで、二人について来いというかの様に……。
「来いって言ってるのかな?」
「何処に案内されるのか気になるし、行ってみようよ」
二人は猫の後ろをついて歩く。猫は二人の姿を確認する様に後ろを振り向きながら歩いている。
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