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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私の思うこと、感じること

スパゲティを折ると言う挑発行為。

作者: オルナヤス・パゲッティヲ

ネットニュースで見た話で、女の子ばかり出るキャンプアニメで、ロングパスタのスパゲティを何故か無駄に折る話があり、それを見たイタリア人がキレたと言う話を見ました。


元ネタは深夜アニメらしいので見た事もなく、元になったアニメに思い入れもなかったんで、ネットニュースになった騒動部分、最初はよくある話だろうと、どちらが悪いとは決めないで読みました。


見た感想を正直に述べるなら「うん、あれはイタリア人なら怒るのは当然だわ」でしたね、ちなみにエッセイを書くにあたって騒動になった部分は、きちんと調べて情報は得て書いていますので、知らないくせに言いやがっては、見当違いであると伝えておきますね。


さらに誤解がない様に言いますが、たとえ折ったとしてもリアルの個人宅や小さなグループでやる分で、ネットに公表しないなど他の方に迷惑掛けないのであれば、とやかく言う気はないですし、そこまで目くじらを立てません。


日本人の多くは、そこまでイタリア文化を知らないので、パスタを折ってしまう方も結構いるし、日本の個人宅の話なんて、不愉快に感じるイタリア人にも知る余地もない話ですし、そんなものは今回の件から除外すべきノイズでしかありません。


アニメの内容自体は国内向けに作ってるでしょうから、製作者が知らないなら仕方ないとも感じますが、それでもまぁ最近はネットの普及で海外でも見れるようになったので、海外の物を使うなら一定の配慮や少しは調べてからの方が良いとも感じますし、イタリア人が複雑な思いを感じている事に申し訳なく感じ、私は日本側のイタリア文化への無知を恥じ、素直にごめんなさいと言いたくなります。


ですがアニメを視聴したイタリア人の文化的な怒りが、日本のサイトへと逆輸入されてまとめサイトなどで散見される様になり、それを見た一部のオタクが逆ギレ的に書いた文章はイタリアやイタリア人を侮辱するような文章も多く、流石にどうかと感じますね。


更に言えば、あのアニメはオタクの中では人気作で、このような騒動があったにも関わらず、劇中の料理の手軽さから模倣してパスタを折る人が出てきて、写真や動画を拡散しています。


こうしたオタクサイドの行動の多くは、相手の気持ちをわかった上でやるのですから、相手の文化を軽視する行動はあまり品のある行動ではないし、まるでデモで他国の国旗を燃やす外国の方みたいな印象を私は受けています。


そして、そうした行動があまり良くないのではないかと指摘すると、過剰に反応して執拗に攻撃してくる辺り、オタク側の作品至上主義的な考え、自分さえ良ければ他人が迷惑を感じても良いという我儘な部分を感じています。


自分が作品とかオタク文化を侮辱されたと感じたら嫌な気持ちになるのなら、イタリア人がパスタを折られたことで不快感を感じたことに、少しくらいは同情してもいいんじゃないか、そう私は考えています。


日本のアニメオタク達は、イタリア人の怒りをネットにありがちな冗談だと捉えている様に感じますが、イタリアは我が国同様に食文化を非常に大切にするお国柄ですから、案外本気で不快感を覚えている方も多いのではないかと思います。


パスタを折るのは、日本風に言えばトンカツの衣を剥がして食べたり、寿司のネタだけ食べる位の非合理的で冒涜的な行動ですから、人によって即時に戦争になる挑発行為です。


それでも彼らは寛大な精神を持ちあわせており、彼ら的に気持ち悪い食べ方であるスパゲッティのケチャップ炒め、名前の由来も一ミリもナポリに掠りもしないナポリタンでも、直接は非難せずに「まあ食えるが、名前のナポリは嘘だからダメだ」と、笑いのオブラートに包み流してくれる。


そうしたそんな彼らの優しさや、陽気な精神にオタクたちが甘え、更に攻撃して顔に泥を塗るのは人としてどうかと感じますが、彼らは作品を攻撃されたと過剰に反応しているようにも感じますし、あえてそういった人の痛みを無視しているようにも見えます。


ちなみにパスタを折るのが駄目であると言ってるの方には、世界的に有名なイタリア料理のシェフであるLidia Giuliana Matticchio Bastianichさんがいます。


彼女は多くの団体や国から認められたイタリア料理のプロであり、ご自身の料理番組やその著作でパスタを折るなと口酸っぱく言っていいますし、同様に私の知り合いのイタリア人シェフ、本場で修行した日本人シェフも、折るものではないと口を揃えて言う辺り、やはりこれはイタリアの中で重要な文化の一つであると感じます。


料理人達が折る必要がないと言う理由、それはイタリア料理の研鑽の歴史が作り上げた合理性が根底にある答えがありました。


パスタは歴史や地域によって沢山の種類が生まれ、調理法に合うものが必ずあるから、わざわざ折る必要がない、折ったら味も変わり、食べ辛くなる、無理に使う必要は何処にもないし、居る時点で用途に合っていない、折らなきゃいけないなら別の使えばいい。


これを聞いた時、私は非常に合理性のある、納得できる答えだと感じました。ショートパスタと呼ばれる短いモノ有りますし、日本でもマカロニやペンネ辺りは容易に手に入ります。


だからこそ、私から見ても、何故アニメの制作スタッフは敢えてキャンプに向かない形のスパゲティを彼女に選択させたのかと、理解に苦しみます。


私が仮にキャンプでパスタを食べるなら、ロングパスタであるスパゲティなんか持って行かないですよ?それなりに慣れたキャンパーならパッキングする時点で、ザック内で砕けたり長くて嵩張り、荷物になるスパゲティは選択肢から除外するでしょう。


もしパスタを持って行くのでしたら、日本でも良く見かけるマカロニやペンネなど、所謂ショートパスタを持って行くし、仮にどうしても料理の都合でロングパスタを持って行くのでしたら、ヴェルミチェッリやフェットチーネなど、元から小さく纏まっているパスタが選択肢に入ると思いますよ。


これらのパスタは、日本のスーパーでもスパゲティがある棚の隣近所に並んでいたりして、容易に手に入り、スパゲティと違ってキャンプ用のコッヘルと呼ばれる小さな調理道具でも、折らずに調理が出来ますので、水と道具の制限を考えたら遥かに合理的な判断と言えます。


こうして見渡せばいくらでもキャンプ向きのパスタがある中で、わざわざスパゲティを選び、あまつさえ短く折って味を絡み難くして、尚且つ食べ難い形にするのかと、イタリア人が怒りたくなる気持ちが良く分かります。


こうした意見に感想に寄せられた情報では、都内の場所によっては入手性に多少のばらつきはあると反論を頂きましたが、やはり郊外の店に行けば気軽に入りますし、ネットスーパーなどでネットショッピングをすれば好きなモノを取り寄せる事も可能で、そこまで入手困難な物とまでは言えないんですよね、皆さん大好きAmazon使えば即日配送してくれますよ。


パスタの形、長さ、太さにはソースやオイルの絡み易さが関係しますから、オイルで食べるとか、ソースに絡める、スープで頂くなど、あの形状はそれなりに意味があるんですよ、じゃなかったら、あんなに色々な形のパスタか今も作られたりしないですよね?


あの形状は伝統だけでは語れない美味しさへの追求、先人達の知恵と工夫が詰まった文化の結晶、だからスパゲティを折る行動自体が非合理的な可笑しな行動と、イタリア人の目には写るんでしょう。


これを日本の麺で例えるなら、腰のある讃岐うどんを全く腰のない伊勢うどんの様に、くたくたになるまで煮込んで食べるみたいな感じ。


こう言われると讃岐うどん好きな人なら「だったらわざわざ讃岐うどん食わずに、最初から伊勢うどん食えよ」なんて怒りたくなる気持ちが良く分かりますよね?


こうして国内ならそれなりに分かるのに、海外では全く解らないなんてのは、少しばかりおかしいとは思いませんか?


この美少女アニメで時々感じる問題、美少女アニメオタクの女の子が可愛ければなんでも良い、時には外敵と定めた相手には、苛烈な攻撃さえ許されるという考え方は、やはりあまり良い考えではないと思いますね。


そして頑張って折るのが可愛いということでしたが、該当の少女はバイク乗りですし、慣れない郊外スーパーで、ショートパスタを求めて一人で材料を頑張って買い求めるのだって、はじめてのおつかいの様に可愛らしさを十分に出せるのではないか、そう提案してみたいところです。


ちなみに入院患者仲間の娘さんで、現役女子高生に「折ると嫌がる人がいるって分かってて、更に短いパスタがあるの分かってたら、わざわざパスタ折る?」って聞いたら「あり得ん、おじさんってウチら馬鹿にしてる?」との事で、「パスタ折らないと食べらんないなら、普通に他のやつ持って行くよ、ファミレスとかでも短いの普通に食べるやん」って笑われました。


こうしたリアルの若い女性に聞くと思うのは、アニメ自体が少女を物知らずにして、スパゲッティを折らせる暴挙をさせたのか?などと、オタクにありがちな女性軽視と蔑視が見え隠れしている様な気がして、私はどうにも苦い感情が湧く内容だなと思うのです。


該当のアニメの少女だって、日本に住んでいるのでしたらマカロニやコンキリッエの入ったサラダを食べた事位あると考えますし、キャンプに出かける途中にスーパーに行くことは、やはり考えると思うんですよ。


美少女アニメオタクも、原作劇中のお粥をアニメでサムゲタンに変えられたら怒るのに、イタリア人にとってスパゲッティを折るのは、同等以上の挑発行為だと感じないのは、やはり少しばかり身勝手だとも思います。


あ、でも山で仲間と食べるパスタは本当に美味しいので、用途に合ったパスタを持って行って、大自然を満喫しながら食べるのは素晴らしい行動だと思いますよ!


劇中のスープパスタなら、ファルファッレは蝶の形がとてもオシャレで、ばっちりインスタ映えするから女子キャンプにオススメですし、野菜を練り込んだカラフルで小さな貝殻型のコンキリッエを、劇中のミルクスープに浮かべれば、グッとオシャレで美味しい夕食になると思います。


紹介したどちらのショートパスタも、スープにもソースにも合う懐広いパスタですから、キャンプの際のお供にお試し下さると嬉しく感じます。

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― 新着の感想 ―
[一言] 全て?どこにそんな事が書いてあるのですか?あるならその例を示してくださいどうぞ。あなたがそれは一方的に「思い込んでいる」だけですよね?私がいつ「自身の意見と違う意見の作品に対しては全て「ヘイ…
[一言] >、自分が正しいとか常識だと感じている事について、他者から別の事実を提示された時に起こるのですが、そこで不協和を起こした相手の意見に対し、どう行動を取るのかが解消への焦点となりますので こ…
[一言] >「オタク憎しヘイトは黙っていろ」と、貴方は言論封殺をしたいのでしょうか? そもそもこの時点で大前提からして間違っています。 批判は批判で根拠がある内容を書けばよろしいし、罵倒中傷やヘイト…
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