表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/19

終わりにして始まり

 光の先にあったものーーそれは数多の星が輝く宇宙であった。


 そして、惑星をも超える程、巨大化したそれーー破壊神の姿があった。


 真空の中でありながら、巨大化したそれの声が響き渡る。


 そして、手頃な石ーー隕石を掴むと青く輝く星目掛けて投げ付けた。


 摩擦熱で赤く染まりながら墜ちていく隕石。


 それは太古の昔、恐竜が絶滅した原因とも云われている隕石の落下そのものである。


 天を裂き、大地から血飛沫の如くマグマが吹き上がる。


 星に墜ちた隕石が砕け、地表に次々と穴を空けて行く。


 男は吼えた。本能的に悟ったのだ。


 それが破壊している物が自分達の世界だと。


 男は再び何もない空間を蹴るーー否、蹴ろうとした。


 だが、今度は何の手応えもなく、空を切り、男は倒れそうになる。しかし、倒れる事もなかった。


 何故なら男は浮遊ーー魂だけの存在であったからだ。


【我ガ眷族ヨ】


 その声は男の頭の中に直接、響いた。


 男はまた吼えた。今度は手を突き出したが、やはり届かない。


 それでも男はそれに向かって手を掲げ続けた。


 それは語る。


【コレヨリ先ハ神ノ世界ダ。我ガ眷族ヨ。魔物ヲ喰ライ、神ヲ倒セ】


【ソノ先デ我ハ待トウ】


【一人ノ人間トナッテ……】


 それが語り終えると男はまた光の中に引き込まれる。


 男はそれの姿が見えなくなるまで手を突き出し続けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ