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狂戦士の伝説~その男、北欧の世界でも尚、戦い続ける~  作者: 陰猫(改)
ラグナロクと言う名のエピローグ
19/19

かくて、終焉の時は来たりて、その存在だけが残る

 終末を告げるラッパが鳴らされ、死者が蘇り、ユミルの子供である巨人達と神々の戦いが始まる中、男はひたすら戦場を駆け抜けた。


 男を縛るオーディンはフェンリルにより食い殺された。


 そのフェンリルも男の手により、少年の仇と言わんばかりに内側から吹き飛ばされる。


 世界がスルトと呼ばれる巨人の剣によって炎に包まれ、不死身の肉体を持つ男を除く全てが焼き尽くされる。


 そんな中、男は焼け野原になった世界を駆け抜け続けた。


 生き残った神々を切り裂き、巨人達を歴史から消滅させる男。


 そんな男にその時は訪れた。


 男は自分によく似た黒い肌を持つ男の存在に気付く。


 そして、本能的に悟る。


 その自分によく似た男が破壊神の生まれ変わりであると言う事に……。


 二人の男が吠え、燃え上がる世界が更に炎を増す。


 二人の男は同時に地を砕き、雄叫びを上げながら同時に拳を振るう。


 拳同士がぶつかり合い、猛烈な衝撃波が生じる。


 二人の男は破壊神の姿へと変貌する。


 破壊神となった二人の男が互いを殺さんと暴れる。


 その衝撃で天が何度も裂け、大地が何度も抉れた。


 お互いの血にまみれながら不死身の肉体を持つ二人の男の拳が、蹴りが、頭が何度もぶつかり合う。


 神々が創造したとされる世界を砕く二人は本能のままに破壊し、周囲の生き残ったあらゆる生命を灰塵に滅しながら戦い続けた。


 それは何年ーー何十年ーー何百年ーー何千年続いたかは定かではないが、ついには両者のその存在が歴史から抹消されるまでに至る。


 やがて、新たな人類が誕生し、新たな神々の世界が構築される。


 かくて、狂戦士の伝説は誰にも語られる事なく、その終わりを向かえるのだった。


 男がどうなったのか、それを知る者は誰もいない。


 ただ解るのは男が狂戦士の始まりであり、狂戦士と呼ばれる由縁である事柄を創った事だけである。


 そして、その後の歴史にも狂戦士は生まれては消え、生まれては消えるを繰り返す。






 ーー全てはその闘争本能のままに。







 男の名は⬛⬛⬛⬛⬛。







 原初にして最古の狂戦士である。



  【完】

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