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最古の狂戦士の記録

 男の足取りが解ったのは、ヒュドラとの死闘から数年後の事である。


 この間、男は若者達の住む村で暮らしたとも、元の世界へ帰ったとも、あてのない旅を続けたともされるが、その辺りは定かではない。


 解るのは男が再び歴史の表舞台に立ったと言う事だけだろう。


 男は生まれたばかりの国同士の戦争に巻き込まれていた。


 そして、両方を敵に回し、屍の山を築き上げた。


 この時、男と共に両国を相手にする若者達がいた。


 男を助けた若者達であるとも、男を崇め奉る者とも、弾圧に苦しむ農民ともされるが、孤高の存在であった男に仲間が出来たのは確かである。


 若者達は男を先頭に武器を手にして戦いに戦い、戦い抜いた。


 それが原因かは解らないが、国同士の争いは拡大し、近隣の村や町をも巻き込んだ大規模なモノへと発展する。


 その戦いを見て、一人の神が天より軍を率いて降り立つ事となる。


 のちに北欧神話で知られる戦と死の神"オーディン"である。


 オーディンは男に近付き、その槍"グングニル"を持って男の持つ槍と刃を交える。


 この時、オーディンはまだ神に成り立ての若々しい姿だったと言う。


 オーディンは技を持って男を翻弄するが、男は剛を持って、オーディンの技を返す。


 その戦いの余波は国同士で争う者達は畏怖させて動きを止めさせたが、男に付き従う者達は天より舞い降りた戦士達との戦いを始めた。


 それに乗じるかの様に我に返った国同士が争いを再開する。


 男は右手に槍を、左手に剣を構えて迫り来る人間と天使を薙ぎ倒して行く。


 そんな男の戦いを見ていたオーディンはグングニルで迫り来る人間を突き刺しながら問う。


"我が眷族にならないか?"と……。


 男はそれに対して雄叫びを持って答える。


 その衝撃で人間と天使が肉塊となって地に倒れる。


 オーディンは今一度問う。


"我が眷族になれ"と……。


 男は槍を振るって、それに答える。


 そんな男を無数の鎖が縛る。


 神をも封じる天の鎖である。


 男は鎖でがんじがらめにされながら尚もオーディンに向かって前進する。


 鎖を手にする天使達が引っ張られるが天より第二軍が現れ、男をきつく締め上げて行く。


 男は遂に倒れたが、血走った瞳はオーディンを捉えていた。


 オーディンは戦慄を覚えながらも男に言う。


"ようこそ。我が眷族よ"と……。


 それはかつて、男が破壊神に言われた言葉と同じであった。


 男は歯を剥き出しにしながらオーディンに喰らい付こうとする。


 だが、神をも封じる天の鎖がそれ以上を赦さなかった。


 かくて、男は天界に幽閉される形でオーディンのしもべとなった。


 これが神話に登場するオーディンの所持する狂戦士ーーベルセルクの誕生である。


 こうして、男は最初の狂戦士として、その存在を記されるのだった。


 それから天界に幽閉された男とそれに付き従う者達はは永い戦いを繰り返す。


 戦っては幽閉され、戦っては幽閉され……それを何十年何百年と繰り返す内に男は同じ様な仲間を増やしていった。


 無論、男の様な破壊神の眷族ではなく、オーディンの眷族としてである。


 それでも苦楽を共にした仲間である事には違いない。


 男は彼等と共にオーディンの名の元に敵味方関係なく、戦い続けた。


 終末の戦いーーラグナロクが訪れるその日まで。

かくて、狂戦士は神話に名を刻まん

(`・ω・)キリッ

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