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国の始まりと狂戦士の来襲

 人類が初めて国を作ったのはいつの頃だったろうか?


 男はそんなまだ国として成り立つ頃の場所を血塗れの姿で訪れ、その血走った目で周囲を見渡す。


 ここに来るまで国の兵士らしい男達と戦ったーー否、蹂躙した。


 男の手や腰には蹂躙した際に奪った剣や槍がある。


 そんな男の姿を見て、国の一般人はある者は身を隠し、ある者は怪訝そうな顔で男とすれ違う。


 ーーと男の周りを何も知らぬ兵士らしい男達が囲う。


 取り分け目立ったのは男の真正面に立つ青銅の鎧を全身に纏うリーダーらしい男であった。


 リーダーらしい男は叫ぶ。


 だが、何を叫んでいるのかは男には解らない。


 言葉と言う物を男はとうに忘れてしまったからだ。


 男は兵士達を無視して前進を再開する。


 リーダーらしい男の手が上がり、兵士達が各々の武器を手に男に襲い掛かろうとする。


 男は雄叫びを上げた。


 するとワイバーンの時と同様に兵士達が目や耳、口から出血し、音の衝撃波で肉の塊と化す。


 唯一、原型を止めていたのは鎧を着たリーダーらしい男だけだった。


 だが、あくまでも原型を止めているだけであらゆる所から出血し、立ったまま絶命している。


 男はリーダーらしい男を蹴り倒すーーいや、正確には蹴り倒そうとして顔面を粉砕した。


 頭を失ったリーダーらしい男の身体がガシャリと音を立てて倒れ込み、血飛沫が地面を濡らす。


 悲鳴が上がったのは次の瞬間であった。


 男は逃げ惑う人々を無視して歩き出す。


 男が自分から逃げる者に興味を示さなかったのは、逃げ惑う人々にとって幸運な事であった。


 その後も国の兵士が何度も男を塞いだが、男が吼えるだけで簡単に潰れた。


 やがて、男は一際大きな建物の前に立ち、その中へと入っていく。


 中には一際屈強そうな男が女をはべらせて遊んでいる最中だった。


 屈強そうな男が気付き、叫びながら青銅の剣を手に男に襲い掛かる。


 そんな屈強そうな男の腹に大きな風穴が空くのは次の瞬間であった。そこから腸や内臓がはみ出し、血が噴き出す。


 男が屈強そうな男に向かって槍を投擲したのだ。


 不思議そうに自分に空いた穴を見る屈強そうな男。


 屈強そうな男が断末魔の叫びを上げながら血飛沫を撒き散らして倒れたのは何拍かした後だった。


 男は悲鳴を上げて建物の外へ逃げていく女達を無視して壁に突き刺さった槍を引き抜くと血走った目で周囲を見渡し、その場を後にする。


 こうして、国主を失った国は内部分裂を始め、再び国となって治まるのに長い年月を経てるのだった。


 無論、男にとって、そんな事はどうでも良い。


 それよりも大事なのは人間が脆すぎる事である。


 男にとって人間は最早、相手ではない。


 理性が残っていたのなら、破壊神が残した人間として待つと言う言葉に疑問を感じただろう。


 男は人間以外の生物を探しに来た道を戻って出国した。



 ーー次なる獲物を求めて。

かくて、狂戦士の名は歴史に刻まれる

(`・ω・)キリッ

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