破壊神の血脈
谷底で男を待っていたのは漆黒の鱗を持つ獰猛かつ巨大なドラゴンであった。
ドラゴンは男に気付くと直ぐ様、雄叫びを上げた。
それに対し、男は雄叫びを持って答える。
一人と一匹の声に大気がビリビリと震え、谷のあちこちで落石が生じる。
ドラゴンが翼をはためかせ、飛翔しようとする。
それに対して男は手にした槍を助走をつけて投擲すると槍は轟音を唸らせ、ドラゴンの腹部に直撃する。
ドラゴンが悲鳴を上げて落下する。
ズシンと言う音と共に地に落ちるドラゴン。
もうもうと立ち込める砂煙。
その中から現れたのはドラゴンの口であった。
鋭く尖った牙が男を襲う。
男はそれに対して避ける事はせず、その口を両手で受け止める。
鋭く尖った牙が刺さり、両手から血が吹き出す。
それでも男の表情が揺らぐ事も怯む事もなかった。
それどころか徐々に男に噛み付こうとするドラゴンの口がこじ開けられて行く。
男は雄叫びを上げるとドラゴンの口を無理矢理開かせ、ゴキリと言う音を立ててドラゴンの顎を外す。
ドラゴンはまた悲鳴を上げて怯む。
男は大地を砕きながら一気に跳ぶと怯んで動けないドラゴンの腹部に刺さった槍を引き抜きながら、ドラゴンを蹴り倒す。
気が付けば、ドラゴンの牙で傷付いた手はいつの間にか治っている。
男に向かってドラゴンは炎を吐き出す。
男はそれを雄叫びの衝撃波で防ぎ、四散した炎の中を掻い潜ってドラゴンに迫る。
槍は粉々に砕け散りながらもドラゴンの頭部に深々と刺さった。
ドラゴンは顎の外れた口からよだれと炎を吐き出しながら地響きを立てながら倒れるとしばらく痙攣し、やがてピクリとも動かなくなる。
原初の破壊神の恩恵は男に異常な能力を与えた。
一つ目はその破壊神譲りの異常な身体能力。
二つ目はドラゴンの牙から受けた傷さえも瞬時に治す治癒力。
そして、最後の三つ目は異常なまでの闘争本能と餓えである。
男は勝利の雄叫びを上げるとドラゴンの鱗を豪快に引き剥がし、その固い肉に歯を立てる。
谷底に男のブチブチと肉を引きちぎる音が木霊する。
腸から人間のものとも思える腕が出てきたが男はそれにも関わらず、ドラゴンの生肉を貪り食らう。
腹が満たされると男はドラゴンの死骸をそのままに行き止まりになっている壁を登り始める。
その先にある光を目指すかの様に……。
こうして人類初のドラゴン殺しは幕を閉じるのだった
(`・ω・)キリッ




