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二度目の生と不死鳥

 気が付いた時、男は赤子として転生していた。


 産声を上げると母親が優しく赤子となった男を抱き上げ、子守唄を歌う。


 その優しい歌声に男は瞼を閉じる。


 束の間の安らぎであったが男は心地良い人としての温かさを感じながら眠りへと落ちる。



 それから数年して男は少年となり、父親に狩りを教わった。


 父親はいたって普通の狩人だったが、男の目から見ても腕は悪くなかった。


 それでも生前なら数多の生物と対峙して来た男にとって父親の教える狩りは退屈な物であった。


 早く以前の様な戦いをしたい。そして、奴を倒したい。


 その思いと闘争本能が男を上達させ、気が付けば、男は最年少の狩人と褒め称えられていた。



 男が石から青銅と言った鉱物に人々が目を向けている事に気付いたのはこの時である。


 青銅は石よりも遥かに扱い易かった。


 男の獲物は石槍から青銅の槍へと姿を変える。それから弓と言う手段も覚えた。


 こうして男は再び、あの破壊神と対峙する為の準備と知恵を備えて行くのだった。



 それから10年後、青年として成長した男はある生物との出会いを果たす。


 それは噴煙を上げる山へと男が登っていた時の事である。


 火山の中から現れたのは炎を纏う鳥ーー不死鳥であった。


 男は不死鳥に歩み寄り、その青銅の槍を構える。


【止まりなさい】


 男は不意に聞こえた声に歩みを止める。


 男にはかつての様に闘争本能だけで戦わないだけの理性を得たからだ。


 不死鳥は黙って槍を構える男を見詰める。


【貴方は……過去からの転生者なのですね?】


 その言葉に男は不思議そうな顔をする。


【貴方には私が何を言っているのか解らないでしょう】


【ですが、貴方は紛れもなく、転生した初めての人間です】


 男は首を左右に振ると今一度槍を構え、不死鳥に歩み寄る。


【貴方を生かしたそれは名も無き原初の破壊神。あれと再び対峙するのであれば、強くおなりなさい】


【その日まで私は貴方を見守りましょう】


 不死鳥はそう言うと男の槍が突き出されるのよりも天高く飛翔し、何処かへと去って行く。

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