ジンの家族
村に到着して、ジンの家へ招かれた。ジンの家族は父、母、妹の4人家族。
「ただいま・・・」
家のドアを開けると、母親が飛び出して来た。
「ジンっ。よかったー。無事帰って来たのね。クーカ、父さんを呼んで来て」
女の子が奥に走って行く。
「母さんこの人が助けてくれたんだ」
「そうなの?本当にありがとうございます。こちらに来て座ってください」
席に着くと、女の子と父親がやって来た。
「父さん、こちらの方がジンを助けてくれたそうよ」
「そうか、本当にありがとう。ジンの父親のダンだ。夕食はまだだろう?食べて行ってくれないか?話を聞かせてほしい」
そういえば、こっちに来てから何も食べていなかった。ありがたい。
「ユーマです。ありがとうございます。こちらもいろいろ聞きたいこともありますので」
みんなで夕食を食べながら話をした。ジンの家族は、父ダン、母セリカ、長男ジン、長女クーカの4人家族。ジンは12歳、クーカは10歳。ジンは、よく村の外れの森に行って狩をしたり、剣の訓練をしたりしている。普段からその森には、一人で行ってるし危険な動物も滅多に出ないそうだ。熊が出たのは、たまたまだったのか、何か異変が起きてるのか・・・少し調べてみるか。
「ユーマ、今日泊まって行ってよ。ねっ、良いでしょ?父さん」
「ああ、良いが・・・ユーマはいいのか?家族が心配するんじゃないのか?」
全然考えてなかった。ありのままで話してもいいのだろうか?そもそも信じてもらえるのか?やめといた方がいいか・・・
「実は、あまり覚えてないんです。気が付いたら森にいて、さまよっていたら、ジンが倒れていて・・・」
「そうか、まだジンとあまり変わらない年なのに、大変なことになってしまったな。しばらくうちにいるといい」
ダンさんは、心配そうに言ってくれたが、気になることを言っていた。明らかに人よりは、年上のはずなのに、年が変わらないだと・・・
そういえば、ジンは俺にかなりフランクに話しかけていたし・・・もしかして、若返ってる?確認しなくては・・・
「すいません、お世話になります」
「今日は疲れただろうから早めに休みな。部屋は人と一緒でいいな」
2人で部屋へ行き寝ることにした。さすがに、いろんなことが起きて疲れたが、目的の村にはついたし、当面の寝床も確保できた。俺のパラレルワールド生活1日目にしては、上出来と言えよう。まだまだ、確認しなければいけないことが沢山あるし、現状把握もやりきれてないが、明日頑張ろう。今日のところはお休みなさい。