負傷者
俺は、パラレルワールドに来ている。神幼女の話によると、この世界は発展していないと言っていたが、どの程度のものだろうか。確認しなければならないことだらけだ。何にしても、まずは拠点が必要。
俺は、道を歩いている。道があるということは、人が行き来している。この先には村があるはずだ。
しばらく歩いていると、人が倒れている。急いで駆け寄る。
「おい、大丈夫か」
気絶してるのか、反応がない。ぱっと見では、外傷は無さそうだが・・・
しばらく様子を見ていると、意識が戻ったようだ。
「うぅ・・・」
「おい。大丈夫か。」
「ここは・・・そうか、熊に襲われて、何とか逃げて来たんだ。君は・・・」
「俺は、いつきだ。ここに倒れているところを発見したんだ。」
言葉は通じる。意識もはっきりしてるし、大丈夫そうだな。
「動けそうか?」
「うん、ありがとう。僕は、ジンです。」
ジンは立ち上がった。怪我も無さそうだな。
「そうか、ジンこの辺に休めそうなところはあるか?」
「うん、この道を真っ直ぐ行けば僕たちの村があるよ。」
「じゃあ行こうか」
村に行く道中、熊に襲われた経緯を聞いた。
食料を探しに森に入って、その後、剣の稽古をしていたら熊に出くわした。
必死に逃げて来て、あそこで気を失ったらしい。
「村が見えて来たよ。」
確かに家があるが、村というには少ないような。
何より、この村は神幼女の話によると、この村は、問題を抱えていることが確定している。
ジンは良いやつっぽいし、問題があるなら解決してやりたい。
どんな問題なのだろうか・・・