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「扁桃腺、弱くて……。」



そう言う瑛太は、有架里の突然の来訪に驚きながらも、いつものバリトンボイスを一層下げて、バスの音域でゆっくり話した。



「薬飲むから、お粥作って……?」



熱で上ずった眼差しで言われ、急いでキッチンへ向かった。



キッチンから見えるリビングは、東京の下町からの景色とはいえ、都心の高層ビルと都会の空をくっきり見渡せた。



大学生の一人暮らしのマンションには見えずらい。



瑛太は3年生になってすぐ、コンピュータ関連の仕事で起業していることは、すぐに頭をよぎった。



有架里はドギマギしながらも、冷蔵庫を開けようとくるりと振り向いた。



キッチンから見える寝室の隣の部屋の扉に気付いた。扉は開いていた。



目に入ったのは、黒のベーゼンドルファーだった。そのグランドピアノに心と目を奪われた。



瑛太の家でまさかピアノを見るとは思いも寄らなかった。



視線をずらすと、ピアノの傍の布張りのソファの上にはバイオリンもあった。



有架里は子供の頃からバイオリンを習っていたため、それなりのバイオリンであることはわかる。



それにしても、意外だった。部屋も防音になってる筈だ。



視線をキッチンに戻した。



好きな人の意外な一面、弱ってる身体、目の前でふつふつしてきている真っ白いお粥。



恋心も加わり、湯気で目もくらみ、眩暈を覚えそうだったのだ。


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