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瑛太との話し合いで、色々なことがわかった。
それにしても、瑛太もよく、速達で飛行機のチケットを送ったものだ。コンサートのチケットもそうだ。紛失など、怖くなかったのだろうか?
それについては、
「怖かったよ。でも、俺、焦ってしまって……。特に飛行機のチケットでは。」
と、言われた。
話が長くなるのを感じた耕平は、手でドアを指差して、客室を出た。
『有架里、誰かいるのか?』
「ううん。」
『そうか。一人でアメリカまで来るんだろう?』
瑛太の声はどこまでも優しかった。包み込むようだった。
『俺、ロスまで迎えに行くから。』
「うん、うん……。」
『有架里、どうした?』
涙がこみ上げて、止まらなかった。
どうして、他の人に身も心も許してしまったのか、後悔の嵐だった。
「なんでもない……。あとでまた掛けてもいい?」
『あとで、て、お前、泣いてるじゃん。今、話せ。』
「……。」
話せるわけなかった。
『有架里、お前、恋人できたのか?』




