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瑛太の話はこうだった。
飛行機のチケットを入れ忘れたことを数日経ってから気付き、慌ててアメリカから速達で送ったそうだった。
だが、速達は戻ってきた。宛名不明で。
『でも俺、仕事で家を留守にしていたから、戻ってきていたこと気付かなくて……』
リーダーシップをとる強気な瑛太が、瑛太にしては珍しく弱々しい声だった。
宛名不明に、引っかかった。
有架里は転送届を出している。1年毎の更新もしている……。
そこまで思ってハッとした。
今年は忙しくて、更新をしていなかったのを思い出した。
郵便局は真面目に仕事をしてくれたのだ。
全ては忙しさから、更新を忘れていた有架里のミスだった。
耕平はまだ客室にいた。
でも、今はどうでもよく、客室を出たかった。
耕平がいると話しにくかった。
それでも、構わず、瑛太と会話を続けた。
瑛太と会話を続けたかったのだ。
自分は耕平と男女の仲になっておきながら、勝手なのは百も承知の上だった。
久しぶりに耳にする瑛太の安定感のある低い声を聞くと、安心感が湧く。
真っ直ぐな口調を聞くと、未来を見つめたくなる。
恋に落ちたと実感していたあの時と、変わらない思いが体を駆け巡った。




