27/35
27
「君はそれを僕がしたと、思ったね。」
耕平に言われ、ハッとした。
「そのチケットは、最初から二枚重ねになっていたよ。どうしてそんな、ややこしいことをするのか、僕にはさっぱりわからない。」
いつになく、耕平はかなり真顔だった。
いつもの屈託なくよく笑う耕平ではない。
「もう、彼氏のことはいいだろう? そんな手の込んだことする奴、訳分からないだろう? 僕ならやめる。やめて、新しい恋をする。」
真摯に見つめられ、動揺と、甘い気持ちに包まれてるのを感じた。
なぜ、こんなにも、耕平に惹かれるのだろう。
そして、瑛太は何を思って、こんなことをしてきたのだろう。
……私が瑛太を追うのが、そんなに面白いのかしら……。私は真剣だったのに。真剣な気持ちだったのに……。
項垂れる有架里を、耕平は優しく抱きしめた。
「もう、いいだろ? 君は頑張った。」
不意に目が熱くなり、涙がこぼれた。




