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あづみの記憶も有架里と同じだった。
「でも、チケットの日付けは違う。しかも、ここは海の上。到着した時点で、コンサートは終わってる……。」
「どうしよう……。」
こんなミスをするとは思わなかった。
なんで……。
しかし、よく見ると、チケットの日付け部分に爪でこすったような跡が見られた。
「何、これ……?」
別の意味で言葉が震えてきた。
……待って、有架里。今はこの人と二人きりなのよ。
自分に言い聞かせた。
チケットを気付かれないように、軽くこすってみた。
すると、紙が二重になってるのがわかった。
ああ、罰が当たったのだ!
有架里はその場に跪きたい心境になった。
なんで、耕平はこんな子供じみたことをしたのだろう……。
なんで、耕平に心奪われたのだろう。
懺悔の思いが体を苛んだ。




