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「お姉ちゃんはそのチケット、どうしたの?」
と、あづみに聞かれた。
「どうしたもこうしたも……。」
「アメリカのどこ? どうやって行くの? 飛行機のチケット、まさか私達で……?」
返事に困った。
アメリカへ行く旅費はあるにはある。でも、普通……?
「お姉ちゃん、そのチケット、誰から貰ったの?」
「……大学の先輩……。」
「本当に?」
「うん。」
「先輩がね、飛行機のチケットもなく、コンサートのチケットだけ贈る、ておかしいよね? お姉ちゃん、電話してみて?」
あづみは「また電話してね。」と言い、さっさと電話を切った。
有架里はスマホのアドレス帳をタップした。
この番号はもう使われてない筈。
案の定、「お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。」だった。
有架里は共通の友人である同期の、雅記に久しぶりに電話をしてみた。
雅記は驚きながらも、突然の電話を歓迎してる様子だった。
有架里はできるだけ、細かく事情を伝えた。
瑛太のことで、些細なことでも漏れることのないようにしたかった。
「は? 自分の金でアメリカへ来いっての?」
「でも、瑛太君、そんなことする人じゃ……。」
「うん。変な手紙だな、それ。……一度、会おう。その手紙見せて?」
二人は翌日、会うことになった。




