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「夢を叶えろ。そのための就活だと思え。挫けるな。負けるな。君が夢を叶えた時には、俺も何かプレゼントさせてもらうよ。」
そう言い、瑛太は足早に去って行ってしまった。
本当なら嬉しい筈の再会。聞きたいこともたくさんあった。
なのにうなだれるしかできなかった。
その時、有架里は恋人を作っていたのだ。
その恋人とは1年程で別れた。
過去に思いを馳せていると、時の過ぎるのを忘れてしまう。
有架里はハッとして、もう一度チケットを目にした。
日付けは秋だ。ドレスコードは正装のそのコンサートは、一般には抽選で当たるものだ。
ゆかりはすぐにあづみに電話をしようと、スマホに手を伸ばした。
ふと思い立って、封筒の表を見ると、実家の住所からの転送郵便だった。
有架里は仕事柄もあり、転送を更新している。
時の経つ早さに軽い目眩を覚えた。
はやる気持ちを抑え、あづみに電話をする。
「あづみ? あのね……。」
チケットのことを話すと、あづみは一も二もなく返事をしてきた。
「行く! 行く!」
「うん。でもアメリカだから……。」
と、言いながら、アメリカまで行ってね……ということなのか、瑛太は……? と思った。
普通に考えて旅費もかかる。日にちもかかる。
なぜそのようなチケットを送ってきたのか。
あづみのハイトーンボイスを何度も耳にしながら、有架里は物思いにふけっていった。
「お姉ちゃん!」
ハッとした。




