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かんていっ!

作者: 権左衛門

初投稿です。お手柔らかに。


足が震える。


この場に立つのは2度目だ。


1度目は去年だ。

鑑定を始めて2年目の秋。


そして今は鑑定を始めて3年目の秋だ。


なぜこの全国の場に立てるようになったのかを自分の番が来るまで思い出そうとした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



あれは高校に入学してまもない頃、まだ学校の造りなんて全く覚えてなくかろうじて教室の場所だけは覚えていた頃のことだった。


掃除時間に担任の小久保からから


「おい、小林ちょっと来い」


と言われたのが始まりだった。


掃除時間に呼び出しとか何をやらかしたんだろうと思いながらも歩くのが速い担任の後ろを小走りでついていった。


農業科に属していた俺は当たり前に農業科の担任のいる農業科だけの職員室に連れていかれた。



「小林、お前鑑定部に入らんか」鑑定部??鑑定ってなに。


「なんですか、それ?」俺は聞いた。


「あー、クイズみたいなもん。お前、頭いいからすぐ全国大会で優勝できるぞ」


全国!!!


「全国」という言葉に魅力を感じた。


中学のときに入っていた卓球部は県で上位に入るほど強くいつも全国を狙い、それでも全国大会に進めなかった俺は全国大会に出られるということばだけでドキドキした。


顧問は小久保先生だから放課後見学にいくということでその時は解放された。


放課後、活動場所に行くと、そこは横開きドアの物置みたいな教室だった。


そして見たことのない男子が二人ほうきを持っている。



「おー、新入生?」と声をかけてきたのは細い方の男子だ。農業科は学年に1クラスしかないし、見たこともないから先輩だろうなと思った。


「はい、そうです。ここって鑑定部ですか」

「そうだよ、もしかして入部希望?小久保のクラス?」二つの質問を順に聞かれ、順に答えた。


「とりあえず見学にきました、小久保先生から進められて。」


「あー、あいつ結構強引でしょ」その言葉は愛想笑いで流しておいた。


「あ、俺細谷ね。んで、こっちの無口なのが太田。よろしくね」


細いほうが細谷先輩で太いほうが太田先輩か。


なんて見た目にならった名字なんだろう。


「小林です。よろしくお願いし」「おー、小林もう来てたのか。」


と俺の後半の言葉に被せるようにして、小久保先生が教室に入ってきながら言った。


「じゃあ、鑑定というのを説明しようか。細谷と太田は掃除の続きな。」

と言って、先生は俺に説明をし始めた。


「鑑定とはな、何個か部類があってお前らの勉強してるのに関係あるのが園芸の部と農業の部だな。他には食品科学とか畜産、造園なんかもある。

お前はー……園芸にしようかな。

勉強と内容の説明をするな。

よく聞いとけよ。まず勉強の仕方な、そこにパネルがあるからまずはそれを見て勉強すること。

それを覚えることが基本だ。

そして次の段階は教科書や過去問どを使って詳しく勉強すること。

内容はな、基本的には鑑定基準っていうのを参考にしてその中から出題されるんだが、野菜や果樹、草花にバイオに農業機械や農薬なんかもある。

まぁ、まずはあのパネルの中身を覚えろ。説明は以上だ。」


そこまで喋ると小久保先生はまた来るからと言って教室を出ていった。


とりあえず俺は、先生が言うパネルを見に行った。教科書を横にした感じの大きさの写真と文書をラミネートしたものだ。


俺が手に取ったものには『カンキツ ミカン科 常緑樹』などが書かれていた。カンキツ……?カンキツってミカンのことだよな?


他のパネルも、見ていると小久保先生が戻ってきて一緒に掃除するぞと言ってその日は掃除して終わった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


そうそう、小久保先生に誘われて気づいたらもう入部してる感じで入部届けを書かされたんだった。


あのあと、同じクラスの子二人も入部して来たんだけど、ときどきしか来ないんだよなぁ…。


でもお土産は買わなくちゃな。去年は県大会で最優秀取って全国大会に出たけど、1年のときはたしか細谷先輩に校内選考で負けたんだよな。


でも、2年になったら県大会があって細谷先輩は農業だったから俺は県大会に出れて全国にもいけた。ラッキーだったよな。


まぁ、今年は校内選考1位だったし県大会でも最優秀取ったから満足なんだけどな。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



暑い暑い夏。


校内選考で負けた俺は悔しくて、全国大会は出られないけど毎日毎日鑑定に行ってた。


その努力が実って2年のときには、県大会で最優秀を取って全国大会に出られた。


まぁ、ここでも優秀をもらったんだけど最悪なことに迷子になったんだ。


あれ、先生あっち行ってる。ん、先輩はついていかないのか……?


「細谷先輩、先生についていかないんですか?」


「え?先生どこいった……?」


やばい、これは迷子だ。広い会場に人は約1000人はいる。



「先輩!先生を探しましょうよ!」


「おう、じゃあ、とりあえず外出るか」


外に出たらすごく暑かった。


10月なのに暑かった。


配られていた結果発表を見ながら歩いていると目の前から先輩が消えていた。


ああああ!やらかしたぁ!!!!!


とりあえず、歩こう。荷物おいた建物に行こう。あれ、どれだっけ?あ、これか。


「おう、小林、お前なにしてんだ。高校生にもなって迷子とか……」


呆れた目で見てくる小久保先生と隣に立つ細谷先輩。


いやいやいや、最初にはぐれたのはあんたじゃないかと言ってやりたかったが黙っておいた。


学校に戻ると普通の生徒に戻った。


特別な時間は終わったのだ。迷子だったのも俺と先輩と先生の秘密だ。


いや、先生のことだから今ごろ職員室で笑い話にしてるかもな。


また1年頑張るかと気合いを入れ直し、今日も鑑定に行った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そんな迷子になった懐かしいエピソードを思いだし、競技前だというのに1人にやけてしまい、近くにたっていた競技者やサポーターの人に変な目で見られた。



さぁ、いよいよ前にいるのが残り1人。


次の人が次のベルが鳴ったら出ていき、俺は競技場と待機列を隔てているカーテンの前に立つ。


さぁ、次だ。3年間培ってきたことを発揮する時がきた。今年は最優秀を狙い、当たり前に迷子にならないことが目標だ。


そして競技後はおいしいご飯でも食べよう。



足が震える。今にも崩れ落ちそう。だけどしっかり立つ。心地よい緊張と共に上に上がったカーテンの下を一歩踏み出した。

現役農業鑑定部です。上手く書けない…。難しい。

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