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プロローグ──聖者の予言書──
それは人の世に苦しみが満つる時、星々の彼方、神がおわす神の座より遣わされる。
黄金を纏いたるその者、神の代行者として人々の苦難を払う。
右手には神の代行者たる証、裁きの雷鳴。
左手には神が鍛えし宝剣、光の剣。
彼の者の足は空を駆け、瞬く間に山を越え。
彼の者の腕は剛力で以て、巨石を容易く小石へと変える。
彼の者が叫ぶ声は人々に勇気をもたらし、幾千、幾万の邪悪なる者の心を砕くであろう。
神が遣わし彼の者には、聖なる精霊の乙女従いたり。
光り輝く美しきその姿、まさに精霊の乙女にふさわしく。
精霊の乙女は常に彼の者に寄り添い、いかなる時も彼の者を支える。
神の御使いは舞い降りる。
人々の世が乱れ、苦境に追い込まれたる時に。
神は決して我らを見放すことあらず。
神は勇敢なる神の子──勇者を、我らがために遣わすであろう。
────レシジエル教・第一聖典『聖者ガガレグロルスの書 第一章』より
