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伝説の剣を手に入れたが意味は無かった

作者: 十一屋 翠

俺の名はアーサー、1000年の封印から復活した魔王を倒す為に、

故郷のクフイダ村から聖剣の封印されている聖剣の塔を目指していた。

聖剣の塔はウチから徒歩1時間、朝8時から夕方5時まで営業している。


登塔料は子供300円、大人800円

塔の一階は騎士団が常駐していて魔物はいない。

そこで町は国と提携して聖剣の塔を観光地とすることにした。

騎士団の維持にもお金がかかるのだ、あと結構多くの金が動く。

聖剣の塔は聖剣を守護するために放たれた魔物が住んでおり倒した魔物の素材を売って生計をたてる塔狩人もいるくらい魔物の種類が多い。


だが魔王の脅威は日々増しておりその為に世界中から騎士や冒険者が聖剣を求めてやってくる。

そして町は潤う。

最近では自分を脅かす聖剣を人間の手に渡さない為に魔王が魔物を送ってくるようになった。

その魔物を倒すために町は城壁を建て、町の冒険者と騎士団が総出で魔物を退治するのが日常となっている、早く聖剣を手に入れねば。


俺は登塔料800円を支払い塔を登る。


1階に魔物は居ない、俺はペナント屋と饅頭屋の誘惑を振り切って2階に登る。

そして2階の魔物にボコボコにされて逃げ帰った。

聖剣の塔の魔物は冒険者と毎日戦っているので低階層の魔物でも相当強いと後になってから聞いた。

筋肉ムキムキのマッチョマンな妖精を見た時は悲鳴を上げた。


毎日必死で生き残る事を最優先に考えて戦う。

初めてスライムを倒した日は嬉しくて酒場で飲み過ぎてしまった 。


だが問題も発生した、塔の魔物は強力な為に武器がすぐダメになってしまうのだ。

そこで俺は武器屋に頼んで強力な武器を作ってもらうことにした。


だがそこでも問題が発生する、強力な武器を作るにはそれに見合う素材が必要なのだ。

貴重な素材は騎士団や高名な冒険者が独占してしまうのでオレのような無名の冒険者は自力で素材を手に入れるしかない。

仲間を集めて強力な魔物を倒し、危険な森の奥にある鉱石を求め危険な冒険を繰り広げる。

そしてついに満足のいく武器が完成した。

あらゆる属性を付与し腐食耐性を施し刀身は硬いだけでなく粘りがありその切れ味は剃刀の如き最高の武器の完成だ。

新しい武器の性能は凄まじく俺は破竹の勢いで塔を攻略して行った。

そしてとうとう誰も到達していない未知の階層に到達したのだ。


俺は最大限の注意を払って新たな階層を探索する。

さっそくモンスターが現れる、4mはあろうかという巨体と巨大な角と巨大な爪を持った狼のよう魔物だ。

見た感じからして強そうだ。

巨大な角は雷光をほとばしらせその爪は怪しい光で輝いている。

新しい獲物を見つけた魔物は即座に俺に飛び掛ってきた。


そして今、オレの足元にはさっきの魔物が倒れていた。

正直言って弱かった、長い間侵入者のこなかった上層階の魔物達は腑抜けきっていて、とても戦える状態ではなかった。

希少な素材を狩りつつ上層階を登る俺はさらに強い武器を手に入れ、

定期的に襲って来る魔王の手下達を返り討ちにしていた。


痺れを切らして自分自らがやって来た魔王をサクッと倒した後。

いつもの様に塔に上った俺は遂に最上階の聖剣の間に辿り着く。

そして俺は聖剣を守護するガーディアンを一撃で倒し手にした聖剣を前にして思った。


しょぼい


聖剣の性能は俺の武器よりもはるかに弱く今の世界水準で言うと中の下ランクだった。

1000年前の聖剣だから当然なのかもしれない。


俺は自分の剣を聖剣の代わりに最上階に置いて塔を降りた、察して欲しい。

聖剣を持って降りて来た俺を人々は勇者と呼び讃えた。


俺は聖剣と魔王の首を国王に献上してたくさんの褒美を貰って故郷に帰った。


明日からはまたいつもの様にクワを持つ日々に帰る。

邪悪な魔王から畑の平和を守った俺は剣を捨て元のNOU-MINに戻るのだった。

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