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凪咲編 第一話

ダークサイド・リアライゼーション―Darkside Realization― 



 怒り、憎しみ、悲しみ、恐怖――感情が爆発し、一定の上限を超えると具象化される能力があった。

 個々人の事象を元に具象化される能力であるため、それぞれ特性・タイプが違った。

 異世界から呼び寄せられた力や心の奥底にある闇の力、パラレルワールドの力などと考えられ、その現象のことを人々は揃ってこう呼んだ。


――ダークサイド・リアライゼーション



 凪咲編 第一話



 あれからずっと時計の針は止まっている

 簡単に諦められればいいのに

 心の中はチクチクしている

 もう一度頑張ろうかな

 もう一度頑張ろうかな

 この静かな世界で

 わたしだけが動いている



 * * *


〝ジリリリリリ――〟


 目覚まし時計の音から逃げるように、少年は布団の中に身を隠す。その音は、少年がベッドの暖かい布団に身を隠せば隠すほど、大きな悲鳴を上げるかのように鳴り響いていた。

 少年は耳障りな目覚まし時計を足で止めようと試みる。が、届かない。

 起きて止めたほうが早いのではないかという姿勢(四つん這いになり右足だけを伸ばしている)でなんとか止めようとするが、棚の上にあった鏡やティッシュと共に、床に転がり落ちていく。皮肉なことにそれでも目覚まし時計は止まらない。

 うっすらと開いた少年の目に、転がり落ちた目覚まし時計がぼんやりと映る。

 認識するまでに数十秒はかかったであろうか。表示されている時間を見て飛び起きた。


「やばい、遅刻だ‼」


 栗原(くりはら)伊織(いおり)は駒丘市にある、市立・駒の上高校の二年生である。今日から新学期が始まろうとしていた。

 元々癖っ毛ではあるが、寝癖のせいでさらに明後日の方向に茶色い毛先が飛び散っている。頭をがむしゃらに一掻きした後、目つきの悪い瞳を拳で殴るように擦った。シャツのボタンを急いで締め、ベルトのしまっていないズボンが下がらないように大股で階段を降りていく。


()(おり)、戸締り頼んだ。かーさん、いってきまーす」


 朝食のパンを二口で平らげ、リビング横の棚に置いてある母親の写真に、行って来ますの挨拶を済ませて玄関を飛び出していく。

 その後を追うようにして妹の美織は玄関から顔を出す。ポニーテールの可愛らしい少女だ。髪の毛は伊織と違って絹のようにサラサラとしており、目元は優しさを象徴しているかのよう。伊織とは全く正反対な容姿だ。制服にエプロン姿で伊織の背中を見つめている。


「お兄ちゃん、お父さん今日も帰れないかもってメール来てたけど、ご飯どうする?」

「何でもいい。七時くらいに食べよう」


 伊織は適当な返事をかまし、軽く左手を挙げながらそそくさと走っていく。左手を挙げたと同時に、ベルトをしっかりと締めていないズボンが足元までずれ落ちそうになる。美織はその様子を見て微笑み、もう、お兄ちゃんったら、と言いながら家の中へと戻って行った。


 栗原家には母親がいない。伊織が八歳、美織が六歳のときに、ある事件に巻き込まれて命を落とした。そこからずっと伊織、美織、父親の三人で暮らしている。伊織の父親は日本と海外を行き来している、いわゆる仕事漬けの人で、出張などで家を空けることが大半であった。そのため、実質、伊織と美織の二人暮らしの生活を送っていた。

 


――なんであの目覚まし起こしてくれなかったんだよ‼ 馬鹿やろー‼


 伊織は理不尽にも目覚まし時計のせいにしている。時間は八時二十分。走っても物理的に間に合わない時間であった。


――今年は遅刻しないって男として誓っていたのに、開始早々遅刻なんてギャグでも何でもないじゃないか。よぉし、こうなったら……。


 彼は人通りのない路地に入り、辺りに人がいないか入念に確認をする。そして、左腕の袖をまくり上げ、腕に意識を集中させた。すると、肘から下が黒いもやを帯びながら、歪な形に変化していった。

 指先は長く、爪は鋭い。色は黒が基調で、赤い筋がところどころ入っていた。この世のものではない、悪魔のような手だ。

 その場でしゃがみ込み、ジャンプと同時にその変化した腕で地面を叩く。

 衝撃音と共に彼の体は宙に舞った。三階建ての一軒家の屋根にその腕を地面に着きながら着地をした。


――さて、あの辺までは行けるかな。


 伊織は横にある電柱の上に移動をし、腕の力を使いながら、蛙のように電柱から電柱へとジャンプしていく。


――ひゃっほーう。楽ちん楽ちん。


 その姿を見た通行人は、目を擦ったり口を大きく開けて見ている者まで様々だ。

 能力者は能力を使用することが許されているが、むやみやたらに能力を使う行為や、一般的に迷惑となる行為は公共の場において任意規制という形で禁止されていた。しかし、伊織は都合のいいように解釈し、周りの人の迷惑には決してなっていない(もちろん遅刻を免れるための言い訳であるが)と考え、学校の裏の路地まで点々と移動していった。


 人気のない路地に降りて、能力を解除して正門へと急ぐ。


「おはよう伊織。伊織にしては早いじゃん」


 正門の前に青年が立っていた。

 安達(あだち)雄三(ゆうぞう)は伊織の幼なじみの親友だ。黒髪の短髪で、前髪をワックスで上げている。身長は伊織と同じくらいだが、ガタイは伊織とは比較にならないほど大きい。左の眉らへんには三センチほどの縫い傷の痕が薄っすらと残っている。

 伊織とは幼稚園からの付き合いで、伊織が母親を亡くして苦しんでいるときも、ずっと一緒にいてくれたかけがえのない友達であった。


「まぁね。つーか雄三、お前がこんなに遅いことに俺はビックリだよ。こんなギリギリに来るなんて、とうとう俺に毒されたか」

「ばーか。今日は初日だから九時登校なんだよ。あっ、お前、通常授業の時間だと思ってたんだろ」

「そ、そんなことねーよ……」

「伊織はホントあほだなぁ」


 そんなことを言いながら二人は正門を潜る。

 中庭には二年次のクラス表が貼られており、二人は自分の名前を目で追うように探した。


「雄三、おれらまた一緒のクラスじゃん」

「運命共同体ってやつ?」


 二人はいつもの調子でふざけあいながら新しい教室へと向かった。



「安達くん、栗原くん。今年はクラス一緒だね」


 教室で声をかけたのは、島崎(しまさき)(ゆい)。唯も伊織と雄三の幼なじみで、彼女も昔からの長い付き合いであった。校内では上位に入る人気の美少女。元気活発な性格でスポーツは得意だが、勉強に関しては全くできない。赤毛の胸くらいまである髪を後ろで束ねている。スタイルは良いが、同じくらいの身長の子よりも少し胸が大きいことがコンプレックスであった。

 雄三は意味ありげな顔をしながら唯に近寄ると、小声でぼそりと呟く。


「これで伊織に告白するチャンスが増えたな」

「なっ、違うってばー‼︎ 栗原くんに聞こえちゃうよ……」


 唯は慌てふためいた様子で顔を赤くしていた。


 ホームルームが始まる。席は今座っているところに固定することになった。伊織は窓側の後ろから二番目の席。伊織の右に雄三、雄三の後ろに唯が座っている。


「せんせー、私の左隣空いているんですけどー」


 唯の左隣であり、伊織の後ろの席が空いている。いわゆる、角席だ。

 クラスの担任は(たん)(まち)百合子(ゆりこ)という女性の先生。大きな眼鏡をかけている、ザ・ほんわか先生である。


「あ、今日来ていない子が一人いるのよね。えーっと……渋谷(しぶや)(なぎ)()さんね。その子の席にしましょう。渋谷さんは体が弱くてね。――それに、ちょっとだけ障害も患えているから」


 すると丹町は名簿表を確認した後、視線を伊織に投げかける。伊織はどうしたものかと眉を挙げていた。


「栗原くんのおうち、商店街の裏だったわよね。その近くに渋谷さんの家があるのだけれど、沢山配布物があるから渡しに行ってもらえないかしら」

「ええ……構いませんけど」

「そう、よかったわ」


 突拍子もない頼みごとに多少困惑した伊織だったが、断る理由も無かったので引き受けることにした。


 今日は初日のため、全校集会とホームルームだけで学校は終わった。三人は配布物などを鞄に詰め、帰る支度をしている。


「なー伊織、唯。このあと、三人で喫茶店でもいかねーか?」

「あっ、ごめん。わたしバイトの面接があるからパス」

「おれもプリント届けるっていう特別任務を受けてるからな。それにこのあと、DPBにも顔出しに行く予定だから」


 それを聞いた雄三は大きなため息をつく。


「お前らつれないな。こうやって友だちが減ってくのかな」


 伊織は雄三に、また今度なと一言わびを入れて教室を後にした。


 伊織は帰宅しながら先生に描いてもらった地図と住所に目を通す。

 場所を探すのに苦労はしなかった。そこは、自分の家の裏から見えるとても大きくて有名な高層マンションだったからだ。

 駒丘では一、二の高さを誇る高層マンション。高さだけではなく敷地面積も広い。敷地内にはプールやフィットネスクラブ、飲食店なども入っていて、マンション内で生活が送れる環境が設備されている。誰が見てもお金持ちしか住めない、とても有名な高層マンションであった。

 伊織はマンションの真下から上空を見上げる。


――五十二階建てか。でっけーな。


 エントランスに入るとまるでホテルのような大きなロビーが広がっており、その奥にはさらに豪快な正面玄関が構えていた。

 伊織は正面玄関のインターフォンを鳴らす。


「こんにちは、駒の上高校の栗原伊織と申します。プリントを届けに参りました」


 スピーカーからどうぞという声がして自動ドアが静かに開く。伊織は中庭の奥にあるエレベーターに乗り込み、四六階をタッチする。

 エレベーターはガラス張りになっており、四六階に着くころには町全体を見渡せる高さになっていた。

 エレベーターから降り、渋谷の表札がある場所をみつけインターフォンを押す。すると中から優しそうな雰囲気の女性が出てきた。


「栗原くん、だったかしら。わざわざ届けてくれてありがとうね」


 玄関から出てきた淑女はとても若々しい。笑った顔にえくぼが相まって、とても優しげだ。


「とんでもございません。ほんとすぐそこがおれの家ですから。――ところで凪咲さんは? やはり、体調が優れないのですか?」


 凪咲の母親は伊織の言葉を聞いて少し戸惑っているようである。先ほどの笑顔はいつの間にか消えていた。


「凪咲は……いつも駒川の河川敷にいると思うのだけれど。多分、子犬と遊んでいるのだと思います」

「へー、このマンションペットも平気なんですね」

「いえ、違うんです……」


 彼女はどうしようかと悩んでいる様子。しかし、言わないのも失礼な事だと思ったのか、ゆっくりと口を開いた。


「ダークサイド・リアライゼーションってご存知ですか?」

「ええ、もちろん知ってます」

「実はあの子は昔、あることがきっかけで能力者になってしまったんです。その能力が双子の子犬を具象化するという能力で。……多分その子犬たちと遊んでいるのだと思います」


――なるほど、そういうことか。


 伊織も能力者であるがゆえに何となくわかった。確かにあまり人には言いたくないことである。


「まだ、凪咲さんは河川敷にいると思いますか?」

「ええ、多分。でも、誰とも接したがらないと思います。それに――」


 凪咲の母親は言おうか言うまいか迷っているようだ。それを感じ取ったのか、伊織は左腕の袖のボタンを外して前に出した。


「――おばさん、これを見てください。驚かないで下さいね」


 伊織は左手を腕まくりをし、能力を発動する。

 凪咲の母親は驚いて、一歩下がった。


「般若の手、または鬼の手とみんなから言われます。実はおれも能力者なんです」

「……その手、何があったのですか? ――あっ、ごめんなさい。聞いちゃいけないことよね」

「いえ、平気です。昔、あるできごとがきっかけで――」


 その変化した手で頭をポリポリと掻いた。伊織は爪で頭を刺してしまい、いてっとこぼす。手を元の状態に戻し、頭をさすった。


「その時の記憶、ほとんど覚えていないんですよね。でも、その時見たものの印象が強かったためにこんな能力になってしまったんだと思います」

「そうですか……。辛かったでしょう」

「始めはとても辛かったですが、周りの支えもあり、乗り越えることが出来ました。今では相棒みたいなもんです」


 伊織は左の手を開いては握り、開いては握りを繰り返しながら笑って見せた。すると、彼女は目を輝かせながら伊織を見つめる。


「――もしかしたら」


 凪咲の母親は、右手を心臓のあたりで強く拳を握る。


「もしかしたら、あなたならあの子を救えるかもしれないわ。あの子も昔、あることがきっかけで……。実は、あの子はショックで言葉を忘れてしまっているんです。お医者さまからは、精神的なものだから機能的には問題ないと言われているのだけれど……。お願いします、あの子を助けてあげてください」



 伊織は、エレベーターに乗った。

 ダークサイド・リアライゼーション。怒り、憎しみ、悲しみ、恐怖というあらゆる感情が爆発し、一定の上限を超えると具象化される能力のこと。周りからは異世界の力やパラレルワールドの力などと言われた。能力が今の社会に貢献していることも少なくはない。その能力の恩恵により、神秘の力や選ばれし者の力などと呼ぶ者もいた。だが、本人は知っている。能力を得る代わりにその過去を、一生忘れずに背負って生きていかなければならないということを。


 伊織は一旦家に帰り、自転車にまたがって河川敷へと向かったが、同じくらいの年齢の女の子は見当たらなかった。仕方なく、当初から行く予定だったDPBへ向かうことにした。

 DPBというのはダークサイド未然防止局という国の機関である。駒丘市には駒丘支部があり、伊織はそこでアルバイト兼見習いをしていた。

 DPBには主に三つの任務がある。

 一つ目は、精神崩壊により能力者が能力を抑えきれず、ダークサイドに呑まれてしまう――インプ化と呼ばれている――前に、その人の精神を安定させインプになるのを防ぐという、一種のカウンセリングをするということ。二つ目が、インプ化してしまった人間は基本、元の人間に戻すことができない。暴走を繰り返し危険なため、周りに被害が及ばないように粛清をするということ。三つ目が、能力を悪用している集団の取り締まりである。

 伊織の将来の夢は、DPBの一員になり苦しんでいる人や精神的に困っている人の力になりたいというものであった。


 DPB駒丘支部は駒丘警察署の向かいに建っている建物だ。四階建ての打ちっぱなしの建物で、警察署などとは違い、入口に人が立っていたりはしない。入口には訪問者のためのインターフォンが付いており特殊カメラが設置してある。また、横にはカード式の錠とパスワードを入力する装置が付いていた。

 アルバイト兼見習いの伊織にはカードキーが渡されていた。カードを通し、暗証番号を入力して中に入る。一階には特に何もなく、向かいはエレベーターだけがある。伊織はエレベーターに乗り、二階へ上がった。

 二階に着きエレベーターが開くと、ひとりの女性が正面の壁に寄りかかりながら腕を組んでいる。


「伊織くん。君の仕事はないよ。さあ、帰った帰った」

 

 その女性は、腕を組んだままエレベーターの出入口まで来て、伊織を通らせないように仁王立ちしている。

 伊織に対して強気な視線を送っているのは駒丘支部・副隊長の番場(ばんば)理緒奈(りおな)だ。肩まである艶やかな黒髪は、蛍光灯の光によってさらに美しく輝いている。強烈な視線と口調から、姉貴と呼ばれていそうなタイプの女性だ。左にある泣きぼくろが、これほどまでに似合わない人はそうそういないだろう。


「勘弁してくださいよ。なんでいつもそう強くあたるんですか」

「君はトラブルメーカーだからよ。先週、私たちの手伝いをしてくれるといって、自動販売機を四つも壊したのはどこの誰?」

「壊そうとなんてしてませんよ。猫が自動販売機の裏に逃げ込んだから退かそうとしただけですよ。そしたらちょっと、力んじゃいまして……」


 伊織は苦笑いをしてごまかしている。


「そうやって、むやみやたらに能力を使うからそういうことになるんでしょ。しっかりと能力を使いこなせないとDPBの隊員にはなれませんよ」

「でも、理緒奈さん。俺はDPBにしかできない仕事がしたいんです。迷子の子猫の捜索じゃなくって!」


 DPBは基本、ダークサイド・リアライゼーションに関係している問題を担当している。しかし、DPBの手が空いている時や能力を使った方が手っ取り早いときなどは、警察側から仕事が回ってくることがしばしばあった。そして今回、子猫の捜索の仕事が警察から回ってきて、その仕事を伊織が担当した(任された)のだ。基本的に伊織はそのような簡単な仕事や雑務、パトロールなどをやらされていた。


「毎回毎回、自動販売機壊されちゃったら困っちゃうってーの。物を壊さないでそういう仕事をできるようになったら現場に連れてってやるよ」


 奥の席に座っていた男が、椅子の上で大きく伸びをしながら呟く。金髪のオールバックがトレードマークの木原(きはら)(とも)(ふみ)が、デスクの上に山積みになっている書類の上から顔を出して、伊織にウインクをかます。伊織はもう、いじられるのは慣れっこという感じで番場の横を通り抜け、中へ入っていった。


「あれ、隊長と麻理(まり)()さんいないんですか?」

「任務に出てるよ。恐らく明日までは帰ってこないだろーね」

「いいなー。おれも次こそは連れてってもらいたいな、現場」

「それじゃあ伊織くん、お仕事」


 番場は山積みの書類を応接用のテーブルに置く。アルバイト兼見習いの伊織には、デスクはないのだ。


「ここの下に空白あるでしょ。そこに判子押してって」


 書類は、段ボール一箱分はある。伊織はため息をつきながら押していく。

 木原はふと思い出したかのようにペンで額を叩き、目だけをきょろきょろと動かす。


「そういやー今週の稽古休みだってこと、伝えてくれって京浜の奴らが言ってたな。伊織くん、残念だったねぇ」

「まじっすか、おれの唯一の楽しみが……」


 伊織は周に二度、京浜本部にある道場で稽古をつけてもらっている。体術の練習と能力向上訓練である。それができず、しかもこんなにつまらない仕事を任されてイライラしていた。


「伊織くん」

「――はい?」

「判子、ずれているわよ」

「す、すみません……」



 伊織が家に着いたのは夜の八時過ぎ。妹に遅いと散々ぶつくさ言われた後、二人で夕飯を食べた。そのあと伊織はちょっと出かけると妹に言って自転車である場所に向かった。

 夜九時の河川敷は、まだ四月ということもあって肌寒い。

 そんな中、河川敷に彼女はいた。

凪咲編は五話編成です。

凪咲のテーマは「恐怖」になっています。


毎日、夕方に投稿致します。


宜しければお付き合い下さいませ。

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