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声を無くした金糸雀は  作者: 毛布子
16/18

日記⑩ 旦那様と娘

【△□年○月×日】


 娘が生まれた。

 外見は私にそっくり。使用人たちは労って、産まれた娘を誉めてくれるけれど、心配だわ。

 旦那様は、娘を愛してくださるかしら。




【△○年□月×日】


 旦那様が娘に甘い。

 可愛がってくださるのは嬉しいけれど、何をしても叱らないのは困るわ。


 ……というか、ずるい。ずるいわ、旦那様ったら娘には笑顔を見せるのよ。


 私からは視線を逸らすのに!

 娘がするつたないおしゃべりには、ちゃんと目を見て会話をするの。


 ……旦那様に対して、そろそろ私、我慢の限界よ!




【□△年×月□日】


 ――私、今日から旦那様に対して、ちょっとした働き掛けをすることにしたの。


 だって!旦那様ったら、娘を『可愛い』って、ずーっと抱っこしてるんだもの!


 ずるい!私だって旦那様に甘えたい。私も、かわいいって言われたい!



 旦那様が、私を見てくれないのなら、私にも考えがあるの!

 もう旦那様が私を無視出来ないように、色々してやるわ!

 でも、嫌われたくないから、慎重にするつもりよ。

 正攻法でダメなら、脇から攻めていくわ。


 だって、努力もしないで諦めるのって悔しいもの。


 小さなことからコツコツと、していくの。いつか旦那様に、私自身を見てもらうために。


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