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第一章 お兄ちゃんとの契約

3月16日 小学校の卒業式があった。ちょっと遅め。私は、ちょっと悪な子。そんな私が、こんな中学に入るとは、誰も思ってもいなかった。

私は、飯田いいだ 美柄さえこの美しい名前と、見分けが付かないくらい、理想とは違った。

今やっと、小学校の卒業式。長い長い6年間を、こんなあっさり終えてしまう。そしてまた新しい道が出来る。みんなその道で戸惑ってるけど、私はバッサリ決めてしまった。つもりだったけど。私のパパの都合で、そんなに遠くないけど、引っ越しが決まった。泣いた友達は…1…23…人…。たったの3人。だって私、そんなの関係ないもん。引っ越しなんてどうでも良いって思ってた私だったけど…。いざ!引っ越し当日!ってなった時…。今まで住んでた家と離れるのが、寂しくなってきた。壁の落書きも、壁の薄い、木の板に書いた身長表も。全部誇らしげにしてるようで。なんだか切ない気持ちになった。「こんな小さい時から世話になったな。」と、言いたかった。でも言えなかった。これまでの自分のイメージが、崩れるような気がして。でも、そんなイメージ関係ないって。いらないって。この時の自分は、気づいてなかったんだなぁ。

新しい家に着いた。前よりも、ずっとずっと新しい、綺麗な家。それもそのはず。お父さんが、自分で建てた家。パパの都合ってのも、これのせい。「あぁーあ。前のが良かったなー。」心の中で呟く。ママとパパは、いつも以上に仲良しで、嬉しそう。今日から、九州に住んでたお兄ちゃんが帰ってくる。あーあ…。やだなぁ。

そろそろお兄ちゃん。帰ってくる。ああ。かえって来ちゃった。「たっだい〜!」お兄ちゃんの声が、家中に響きまくる。私は、とっさに自分の部屋のベッドに隠れた。すると…。「お!さえ!」見つかった…。私はまだ布団から出ない。音も声も立てない。すると、「さえいないのかな〜?部屋探索しちゃおっかな〜^」と、さっきまで、「お!さえ!」って言ってたのに、気づいていないふりをした。私はなんだか、前のお兄ちゃんのイメージと全然チが違かったから、布団から咄嗟に出て、「お兄ちゃん!お帰り!」って言ってみた。お兄ちゃんは、私より、遙か大きな声で、「ただいま!!!!!」って言った。前のお兄ちゃんなら、いっつも怖くて…。ちょっぴり変態で…。(笑)でも変わったのはお兄ちゃんだけじゃない。私だって、ものすごく変わったって、お兄ちゃんは言う。「そうかなぁ///」ってテレながら言ったけど、翌々考えたら、私は変わった。前は、すっごく悪な感じで、友達も、誰一人近寄ってくれなかった。でも今は、それがバカバカしくなって、まあ、前のイメージが怖くて、未だ近寄ってきてくれない子もいるけど、友達は何人か出来た。「おにいちゃん久しぶり!」って言ってみる。「お久ー!」って、前のお兄ちゃんでは考えられない答えが返ってくる。私は、もう一度、「九州では上手くいってた?」って聞いてみる。「おう!なんとかな…。(笑)」って、談話も出来るようになっていた。「下へ降りておいで−!」ママの声が響く。2人は一斉に、「はーーい!」って言って、笑いながら1階に降りる。一階に降りると、ママとパパが、いかにも、話そうぜ!って顔で呼んでくる。「きっとママとパパは嬉しいんだろうなぁ」って思う。

「麗斗!(れいと)久しぶりだな!」パパが言う。「麗斗。背伸びたねー(笑)」なんだかお兄ちゃんの話ばっかり。でも私は、自分とは毎日会っていたけど、お兄ちゃんはちがうんだよなぁ。って、自覚して、今度は私が、「お兄ちゃん。変わったよね!」ママとパパに話を振ってみる。「そうだなぁ。麗斗、変わったなぁ」って、「そうねぇ。変わったのも当然よねぇ(笑)」と、「あははっ!二人とも同じ答えじゃんっ!」お兄ちゃんは笑う。私も笑う。全員で笑う。これってもしかして、私の理想?!ちょっと嬉しくなる。お兄ちゃんは、今度は私に話を振ってくれた。「おいさえ!彼氏出来たのか〜?」と、「んなわけないじゃん!!」私は返す。すると、「えぇ?!俺さぁ 前、さえがラブホに入ってくとこ見たんだよねぇ〜」私の頭の中は混乱状態!彼氏もいないのにラブホ?!あり得ないって!そこで、家族の団らんが崩れた。「ママちょっと出かけてくる!」「俺も!」パパとママは、咄嗟に家を出た。この家には、お兄ちゃんと私だけ。私は、言う。「お兄ちゃん!!私!ラブホなんて行ってないよ!!」と、「そうだよ?(笑)お前はラブホなんて行ってない。」「え…?」私の頭は益々混乱。「ちょっと遊んでみただけ。」私はびっくりする。「これ以上言って欲しくなければ、俺と契約を結ぼうぜ?」「…何…?」お兄ちゃんは私に、来い。って合図して、私の部屋に入れ、鍵を閉め、密封した。「…契約って…?」「お前、俺の彼女と友達だな?」「…違うよ…。」「…見たんだ。一緒に話してるとこ。」「…それが何…?」「…俺の彼女の作戦を練ってくれ。」「…ええ…?」

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