表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/92

第55話 予言

 “これって本当に悪魔?マジでヤバいよね。最後の審判宣言されちゃったじゃん”

 “日本政府会見なしかよ。こうやってスルーしてガチだったらどうすんだよ。国民守れよ”

 “EUはどうすんだろうな。軍投入?てかリヒテンシュタインてどうなってんの?あんなの地上波で流すか普通”

 “テレビに出てたおっさんが国営放送買い取ったんだろ確か。つまりリヒテンシュタインはイルミナティに国丸ごとほぼ乗っ取られてるで間違いない?”

 “間違いないと思う。拠点にはなってるんじゃない?”

 “でもイルミナティて世界中に信者いるよね?リヒテンシュタイン拠点に動いてんの?”

 “末端の奴とかは知らないんじゃない?中心の奴だけ知ってるとか?”

 “マジで意味わからん。正直マンガみたいな展開でついていけないんだけど。急に悪魔とか言われても意味わからんし、世界返せとか中二厨じゃね?って思うし、でもこれ現実だし。もうわからん。寝てくる”


 ネットは大混乱だ。今までお祭り騒ぎで盛り上げていた奴らも最後の審判や悪魔の存在が現実味を帯びていくと、徐々に内容が恐怖や不安を吐露するものに変わっていく。なんだかもう指輪の継承者がどうとかと言った書き込みは見られず、完全に話題は別の方向にそれた感じだ。それはそれで、良かったのかな……


 スマホの画面を切って家を出る。朝のニュースもリヒテンシュタインでもちきりだ。あの発言をしたおっさんはリヒテンシュタインの国営放送の重鎮らしく、国営放送を無理やり買い取って事に及んだらしい。これもバティンが指示したのかな。だとしたらあいつは結構な時間をかけて今回の発言に臨んだのかもしれない。


 悪魔側がこうやって着々と準備しているのに、天使からの予言的な物はメディアには全く出てこない。エクソシストって奴がそうなのかもしれないけど実際はどうなのかな。ウリエルと連絡が取れなくなって半年近く経った。もうあいつとは連絡が取れないのかもしれない。中谷の事を聞きだしたかったのに、どうやらそれも無理そうだ。


 吐き出した息は白い霧になって消えていく。今日も大丈夫。ちゃんと、俺は生きている。



 55 予言



 「やっぱ上野たちのってガチなんじゃねえの?」


 学校に行く途中、偶然出くわした立川と一緒に向かっている際に上野たちの話になった。今まではなんだかんだでのらりくらりしていたのに、あの件で立川たちも段々悪魔と言う存在が現実味を帯びている感じだ。


 立川に本当の事を告げる勇気なんて勿論なく、曖昧に返事をしながら歩く。ネットのトップ記事はリヒテンシュタインの話題ばかり。また今日、会見を開くとか書いていた。それに心臓が掴まれたような感覚に陥ったけど大丈夫。パイモンが言っていた。まだ俺の事を世間に公表するはずがないって。


 「あいつら人類が死ぬ夢見るって言ってたけど、最後の審判だったのかな……」


 まさかクラスメイトから最後の審判という単語を聞く日が来るとは思わなかった。こんな大事になるなんて……そうなる覚悟だってなかったわけじゃない。でも実際なってみると気が気じゃない。


 「そう、なのかな」

 「てかさ、マジ信じらんねえけどさ、悪魔って全然化け物じゃないな。今回テレビに出てた奴なんて普通にイケメンだったじゃん。あれが悪魔とか信じろってのが難しいだろ。メキシコの奴みたいに化け物だったらまだ信じられたけど。やべ、頭おかしくなってるよな俺。信じるとかなんだよ、悪魔とか」


 立川も混乱してる。今までいるはずがないと思っていた悪魔がこんな表だって出てきて、世界を自分たちの物にするって宣言して関係ないと思いたいけど、そう思えるんだろうか。悪魔はどんな手を使っても最後の審判を行うつもりなんだ。なんで天使は止めようとしないんだ。


 指輪をジッと見つめる。金属特有の鈍い光を放つそれは相変わらず何の反応も示さない。ウリエルに連絡を取りたい。奴らの行動を暴かなくちゃ。天使も悪魔も止めないと……


 「池上、おかしなこと聞いていい?」


 指輪に気を取られていた俺に立川が声をかけてくる。その表情は硬く、何かをしてしまったのかと思ったけど、その視線は真っ直ぐ指輪に向かっている。


 「お前、悪魔の事何か知ってたりとか、する?」

 「……俺が?」


 どうして急に、そんなことを……もしかしてこの指輪のせいか?そういえば藤森にも聞かれた。指輪がソロモンの指輪の特徴にソックリだって。立川も同じことを言いたいんだろうか。立川は気まずそうに頭を掻いて、もう一度指輪を見た後に視線をこちらに戻した。


 「指輪の事もだけどさ。お前、悪魔とか好きだったりする?」

 「そんなオカルトな趣味ねえよ」

 「……飼ってるフクロウの名前、ストラスだった。昨日調べたらソロモンの悪魔におんなじのいただろ」


 ここにきて今までの自分の浅はかさを恨みたい。立川たちは俺がフクロウをペットにしていて、名前がストラスだということも知っている。なんで適当に違う名前を付けようと思わなかったんだろう。そのころはまだ楽観的でばれないって思い込んでたんだろうな。


 誤魔化せ、ここで妙な反応をしたら感づかれてしまう。バクバクなる心臓に気づかない振りをして息を吸い込んだ。声は、震えなかっただろうか。


 「そうなんだ。知らなかったよ。そこから取ったりとかねえから」

 「……そう、だよな。うん、そうに決まってるよな。ごめん、マジ俺少し頭おかしい」

 「気にしてないよ。悪魔なんて、いるわけないじゃん」

 「やっぱ頭おかしいおっさんの戯言かなー」


 どの口が悪魔がいないとか言ってるんだか。一番根底から関わってるって言うのに。立川はもういつもの元気を取り戻しており、それを見て安心した。


 巻き込むなんてできない。立川は大切な友達なんだ。絶対に、悪魔なんかに酷い目に遭わせたくない。


 ― そう願っても、変化は次々に起こるものなのだ。


 ***


 学校が終わって光太郎と澪と足早にマンションに向かう。今日またリヒテンシュタインのおっさんが会見すると言っていた。リヒテンシュタインの時間で十一時が目安だって言ってた。日本時間で言うと、そろそろなのかもしれない。


 誰が何を言うまでもなく、学校が終わって自然と三人で集まってしまった。不安に思っているのは光太郎も澪も同じだ。


 「あのクソじじい。妙なこと言ったらぜってーに許さねえ」

 「まだバティンは倒しにいけないんだよね?でもこんなに好き放題やられるの怖い……」


 昨日澪は不安だったに違いない、俺や光太郎もそうだったんだから。テレビで知って俺たちにも会わずに一日過ごして心細かったはずだ。寒さだけじゃないだろう、震えている澪の手を握ってマンションまで急ぐ。今日の話次第で何かしら手を打たないと……


 マンションではテレビをつけてストラスたちが待機していた。


 コートをソファにかけて温かいリビングの真ん中に足を運んで、そのままフローリングに腰を下ろした。澪はソファの空いている席に座り、不安そうにテレビを見つめている。


 「こうやってテレビにしがみついて見なきゃいけないなんて、踊らされてるよな俺たち」

 「ああ。ほんっとに面白くねえよ」


 光太郎とシトリーが軽い雑談を交わしながらも視線はテレビから外さない。確かにこんな遠く離れた日本でもわざわざ特番で生中継するんだ。あの登場は世界に衝撃を与え、イルミナティに世界中が踊らされてる。


 まだ会見自体は始まっておらず、例の男が入ってくる様子を中継する記者と厳戒態勢を訴える警察官や機動隊が映されていた。外ではデモが行われているとの報道もあり、リヒテンシュタイン国内は完全に混沌としているんだろう。


 「リヒテンシュタインも大変ね。こんな組織に住みつかれて」


 本当にね。


 パイモンの方にチラリと視線を向ける。本人は相変わらず涼しい顔をしているが、ストラスたちと俺を殺すことを話し合ったんだ。パイモンにそうしろって言われたらどうしよう。嫌だって言えない空気になっちゃいそうだ。でもこれだけは流されたらいけない、後悔するにきまってる。なるべくパイモンに視線を向けずにテレビに集中する。


 その時、記者たちのざわつく声が室内を占め、カメラのフラッシュや撮影する音が響く中に例のおっさんが入ってきた。こんな状況を引き起こしたくせに、その態度は威厳に満ちており、ぼんやりとこういう人間がトップになるんだろうなとすら感じた。


 画面の中で男がマイクを手に持ち原稿を並べて視線を紙に向ける。始まる -


 ― これだけの報道陣に囲まれて私の声が世界に届いたと言うことだ。それをまず評価させてくれ。感謝する -


 そんな前書きはどうだっていいんだよ。さっさと話せ、お前が知っていることの全てを。


 ― まず我らイルミナティについて簡潔にお話ししよう。我々イルミナティは悪魔との共存をはかっている組織だ。以前紹介したバティンは我ら人類と悪魔の懸け橋になってくれている悪魔だ -


 やっぱり、この男が契約しているんだろうか。でも契約石らしきものを今の所は確認できない。どこかに隠しているのかもしれないな。


 ― 最後の審判が近いうちに開廷する。その際、人類は滅亡するのだ。しかし我らはそれを快く思っていない。我らも力を付けて生き延びなければいけない。その為には悪魔との共存をはかるべきなのだ。多少の犠牲はあるかもしれないが -


 なにが多少の犠牲だ。最後の審判が始まって多少なんかで済むわけがない。人類が滅亡するんだぞ。何を勝手なことを!


 握りしめた拳に爪が食い込んで痛みが走る。でもこんなもんじゃない、こいつが行おうとしていることはこんな程度の痛みじゃないはずだ。


 今回バティンは姿を現していないようで、おっさんは淡々と核心には触れることなく会見を続ける。もどかしい話を十分程度したところで最後に。と言葉をつづけた。まさか、これで終わりだって言うのか?本当にもったいぶって情報を小出しにするつもりだ。バティンの差し金か。


 ― こう話をしていても、信じない者は信じないだろう。そこで予言を行おう。これはかならず起こる予言になる。近いうちに人類は悪魔によって大損害を受ける、被害規模は想定できない。いくつかあるが、まずはその一つに大地震を予言しよう -


 「ふざけたこと言いやがって……どういうつもりだ」


 余りにも意味深な言葉を残して席を立ち上がった男に報道陣から質問が殺到する。中には男を追いかけようとして警備員に捕まえられている映像まで映し出された。男は扉に手をかけて、何を思ったのか報道陣に振りかえり、最悪の一言を放った。


 ― そうだ、起こる場所を言っていなかったな。地震は日本で起こる。これを聞いたものはただちに逃げるべきだ -


 非難轟轟の怒声が飛び交う中、男は最後に告げた。


 ― 起きるのではない。悪魔が起こすのだ。どうすることもできない -


 男はその言葉を残して、部屋を去っていく。なんだよこれ……正気じゃない。奴の最後の言葉は俺たちに対する挑発なのか。受けて立てって言うのかよ。


 『恐らく悪魔を派遣するのでしょう。となると、大地震を操る悪魔は……』

 「アガレスだな。奴が近いうちに日本を襲撃する。大規模攻撃は奴の得意分野だ。ここを狙われたらまずいな……」

 「そんな呑気なっ……探しに行かなきゃ!てか俺たちを狙ってくるなら近くに来るかもしれない。見つけられるかもっ……」

 『それはどうでしょう。これだけの啖呵を切ったのです。自ら捕まりには来ないでしょう。私たちの前にはきっと現れない』


 そんな……どうすれば。日本で起こるなんて大々的なこと言われても日本だって広いんだ。悪魔が大地震を起こす直前まで大人しくされたら見つけようがない。ただでさえ地震なんて前兆が分からないのに、どうやって探せばいい!?


 あいつらは間違いなく俺たちを狙っている。だからわざわざ日本でそんな災厄を起こすんだ。絶対にバティンが指示してる。


 「起こるとしたらどのくらいの規模になるんだよ。アガレスが本気だしゃ島国の日本なんざ沈没も十分あり得るぞ」

 「そんなに……」

 『大地を操る悪魔なので地殻変動もお手の物ですよ』


 まずい、そんな強力な悪魔がまだ残ってんのかよ。いや、逆だ。もう強力な悪魔しか残っていないんだ。戦闘に不向きな悪魔の方が少ないのかもしれない。


 「パイモンさ、契約石から探れないのか?やろうと思えばできるんじゃ」

 「不可能ではないが、むこうが探れないように細工をすれば簡単に探れなくできる。大体そんなことできていたら、どこに逃げても俺たちの居場所も簡単に特定される」

 「あ、そっか」


 そうだよな。そんな簡単にいかないよな……じゃあどうすればいいんだよ!


 なんだよ、結局肝心な時になにもできない。この不吉な予言を覆すことができない。日本だけじゃない、他の国もこれから名指しで出てくるかもしれない。自分の国すら守れないなんて。もし家族や友達に何かあったらどうしよう。死んじゃったらどうしよう。そんなの現実にしたくない。


 「どうする。一週間程度様子を見たほうがいいよね」

 「セーレ、そんな悠長な……」

 「悪魔は俺たちの前に姿は現さない。拓也たちは絶対に学校以外は常に悪魔の傍に居たほうがいい。流石に自然が相手となると俺たちも逃げる以外どうしようもないからね」


 実質、それって諦めてるってこと?

 シトリーが光太郎に学校帰りに真っ直ぐにマンションに来るか、最悪学校をさぼってマンションに来いと言っており、ヴアルも全く同じことを言っている。でもそんなことをしてほしいんじゃない。


 「違うよ。そんなんじゃない。俺たちは止めてほしいんだよ」

 「主、残念ですがそれは不可能です。奴らは貴方を狙う訳ではなく、糧とする魂集めをする方向にシフトしていっている。全ての悪魔がもたらす災厄を防ぐことはできません。現在動いているのはイルミナティに協力している悪魔だけと思いますが……」


 なんだよそれ。じゃあ今から悪魔たちはバンバン人殺しするってこと?俺たち人類はどんどん殺されていっちゃうの?そんなのなんで天使やエクソシスト協会は黙ってるんだ。止めろよ!反発しろよ!世界がぐちゃぐちゃになっちゃうんだぞ!?


 「エクソシスト協会に……あいつらに頼めば」

 「奴らもイルミナティと同じですよ。あいつらが望む世界は宗教の統一。それ以外の人類は保護対象ではないです。大方天使共とそう言った誓約を交わしているはず。ここまで来て天使が全く手を出さないはずはありませんから。ある意味、ヴァチカンは今現在最も安全な場所でしょうね」

 「そんな……」


 結局対策がないという答えしか出ず、俺はストラス、光太郎はシトリー、澪はアスモデウスかヴアルと常に連絡を取れるようにする言う条件が出された。

 帰り道、ストラスを腕に抱きかかえ光太郎と澪と三人で帰路につく。


 「早く、全部を終わらせなきゃ。こんなやばいことになるなんて想像つかなかった」

 『最終段階に入っていっているのは間違っていないでしょうね。悠長なことは言っていられません』


 俯いている澪の表情は分からない。こんな怖い話を聞かすくらいなら今日連れてくるべきじゃなかったんだ。澪は、俺が絶対に守らなきゃ。


 そう思っているのに澪の手を引っ張ることもできず、泣きそうな光太郎を励ますことができない。自分だって気持ちの整理が追い付いていないのに、他人を気遣える余裕が出てこない自分にまた苛立っていく。


 勧告の日は確実に近付いて行っている。


 ***


 「緊急地震速報です。四国南部で地震が発生しました。M7.5で被害は現在確認できておりません。繰り返します。四国南部で地震が発生しました。津波警戒地域にお住いの方は直ちに高台に避難してください」


 その警告は十日後の午前九時半に日本中を駆け巡った。


 十分休みも終わりに近づいていても騒がしい教室の中でクラスの誰かの携帯から流れた声に教室内は静まり返った。全員が携帯やタブレットを取り出し、同時に同じ記事を検索する。


 四国南部を震源とした大地震。九州東部も巻き込まれており、詳しい情報はまだ出ていない。


 「は、嘘だろ?これマジ予言当たってんじゃね?」


 クラスメイトの声がしんとした教室内に静まり返って反響する。マジ、これ……どうすんの。

 その声を皮切りに、女子の悲鳴にも似た甲高い声が響き教室内はさきほどとは比べ物にならないくらいざわついている。


 「私従妹が四国にいるんだけど!連絡しなきゃっ!」

 「つかこれイルミナティの予言通りだろ。やべえだろ、マジで的中してんじゃねえか!」

 「怖すぎんでしょ!どうなってんの……」

 「マジ意味わかんねえ。早くあのおっさんまた会見してくんねえかな」


 阿鼻叫喚に包まれる教室を呆然と眺めていると、立ち上がって騒いでいた上野が力を失ったかのように椅子に座り込んだ。


 「上野?」


 上野は尋常じゃないくらい震えている。顔は真っ青になっており、眼球の激しい動きからかなり動揺しているのが見て取れた。何をそんなに怯えているんだ……いくら予言が的中したって言っても、ここで地震が起こってるわけじゃないのに。


 「やばい、んだよ。俺、これ夢で見た。今日の夢で……場所も同じだっ!」


 悲痛な声をあげて、上野は手で顔を隠したけど涙が浮かんでいるのが隙間から見えた。


 「怖いんだ。どんどん化け物みたいになっていってる気がする……お祓いにも行った。カウンセリングも受けた。なのになんで、治らねえんだよぉ……」


 世界が壊れていく、悪魔が壊していくんだ。人間なんて玩具のように壊されていくんだ。それを止めることも防ぐこともできない。なんて、ふがいないんだ。


 パニック状態の教室に入ってきた教師が驚いて席に着く様に声を張り上げているが、親戚がいると言った子は気が気でないらしく涙を浮かべて教師に事情を話し教室を出て行った。


 誰が契約してる。こんなふざけたことを平然とする人でなしはどこにいるんだ。


 「……どうして」


 世界が壊れたほうがいいって奴がいるのか?自分だって死んじゃうかもしれないのに。考えても答えは出てこない。そう言えば九州東部ってことは大分も巻き込まれてるのか?光君は大丈夫なんだろうか。

 震える手で光君にメッセージを送ると、返事はすぐに帰ってきた。


 “こっちは大丈夫だったけどすげえ揺れた。フォラスはアガレスだって言ってるけど、あのおっさんと契約してんのか?”


 情報が交錯しすぎて分からない。でもただ一つだけわかることがある。

 悪魔は世界を壊すために本格的に動き出したんだ。バティンを中心に悪魔たちが人間の世界に入ってくるんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ