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温もり。
冷たい空気が喉を通る。
手が悴んで、人肌が恋しくなって、愛を求めてしまう季節。
もう秋なんだなと、街灯に照らされた街並みを見ていた。
街ゆく人達は、楽しそうだったり、少し苦しそうだったり。
こんな時に感じる、複雑な心情がうまく対処できなくて、今日も静かに俯いた。
こういう時、普通の人ならどうするのだろうか。
気分転換に好きなことに没頭?自分にご褒美?
どれも試してみたけど、僕にはいまいち合わなかったみたいだ。
でも…きっと僕が知りたいのは、気の紛らせ方なんかじゃなくて…
ただの、温もりなんだろうな。
大きな風が吹いて、より一層縮こまった自分の手を、擦り合わせる。
まだ秋だというのに、これからの季節、どう自分の体温を保ってゆこうか。
早足で歩きながら、そんなことばかり考えているのだった。




