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戦国日本を世界一豊かな国へ!  作者: わびさびわさび


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第56話 武田家

1545年(天文14年)11月初旬 甲斐国

躑躅ヶ崎館


朝晩はめっきりと冷え込む様になり、間もなく甲斐にも雪が散らつくだろう頃になると、漸く甲斐の情勢も落ち着きを取り戻してきた。

それは、甲斐の隅々にまで長尾家の支援が行き届き、甲斐の住民の当面の不安である食糧問題は取り敢えず、解消されたと云う事だ。


これ迄は、事態の鎮静化の為に甲斐の住民の救済を最優先としてきたが、そろそろ次の段階に移行しても良い頃合いであろう。

具体的に云うと、今後の甲斐の統治手法、統治方針を決めて行こう。と言う事だ。


俺も、何時までも甲斐に軍勢を留めて置く訳にはいかないからな。


というか、そろそろ越後に帰って、温かい蟹鍋でも食べたいのだ。


現在、長尾軍が陣を張るのは甲府盆地を見渡せる高所にある、元武田家の居館である躑躅ヶ崎館だ。一揆に荒らされて荒廃していた躑躅ヶ崎の舘を修理し、現在長尾軍の本陣として利用している。


今日はこの躑躅ヶ崎館にて、嘗ての甲斐の支配者で在った武田家及びその重臣達、有力な国人衆を呼んでの評定が、間もなく開かれる事となっている。


評定とは言っても、彼等に最早甲斐の政事に口を出させるつもりは一切無い。


奴等は甲斐の住民から、為政者として失格の烙印を押されたのだ。既に甲斐の為政者

は彼等では無い、長尾家なのだ。

それを理解させる為の評定と、言っても良い。

そんな事も判らん連中ならば、それ相応の対応をする迄だ。


彼等の選べる選択肢は二つ


長尾家に仕えるか、それを拒むかの、二つだけだ。


「中将様。甲斐の方々が大方集まった様で御座います。」


さて、武田信虎に信玄、馬場信春や山県昌景、高坂弾正、後世にまで名が轟く武田の名将達、どんな連中か顔を見るのが楽しみだ。


俺が近習の諏訪ちゃんに呼ばれて、躑躅ヶ崎館の大広間に向かうと、其処には五十人程の男達が、平伏しながら俺がやって来るのを待っていた。

それは、臣下が主に従う事を示している。

此処で、臣下の礼を取る者の中には最前列にて頭を垂れている、武田家の現当主で在る武田信虎やその嫡男晴信も含まれている。

どうやら、武田家は少なくとも表向きは、当家に服属する事に異を唱える事は無い、と云う事だ。


正直、有り難い。


「左近衛権中将・長尾景重である。皆の者面を上げよ。此度は、よくぞ参ったな。」


偉い様モード発動である。この封建社会では、こういうのも必要なんだよ。


強面のイカツイ男達が、ゆっくりと顔を上げる。


流石、戦国有数の武闘派組織、甲斐武田組

の面々である。その迫力はそこら辺のチンピラが出せるモノとは桁が違う。

現代の一般人なら、この場に居るだけで震え上がるだろうな。


「此度は、我等の窮地をお救い頂き、真感謝の念に堪えません。この御恩に報いる為に、今後はこの信虎、身を粉にして長尾家に御奉公させて頂きたく存じます。此れより、どうぞ宜しくお願い致しまする。」


先ず、最初に声を発したのは、正に武闘派組織の大親分の貫禄を持つ初老の大男、武田組組長⋯武田家当主の武田信虎だ。


後世では、暴君として有名な男では有るのだが


名前:武田信虎  男

・統率:86/87

・武力:95/95

・知略:82/85

・政治:75/82

・器用:81/83

・魅力:60/62

適性:軍略  騎馬  槍 建設


その能力は、流石信玄の父親にして武田家の基盤を築いた男として納得いくモノであった。

後世では、暴君として知られて居る人物だが、信虎は確かに多くの有力家臣や国衆を粛清しているが、それはおそらく甲斐に、武田家を中心とした強力な集権国家を作り上げようとしたのだろう。信虎が当主と成ったばかりの頃の甲斐の情勢は最悪と言って良い。相次ぐ国衆の反乱に、北条、今川といった隣国の干渉、甲斐はそれらの勢力に度々攻め込まれ、多大な損害を受けている。

最も、信虎も散々に他国へと攻め込んでいるがな。

当時の甲斐の現状を鑑みると、有力家臣や国衆の力を削ぐ、信虎が行った集権化は致し方無いといえる。

そしてその試みは、半ば以上成功した。と言って良いだろう。

最後には、嫡男・晴信と家臣によって駿河に追放される形となったが、その遺産は晴信に受け継がれ、それが後年の武田家の躍進に繋がった。


俺は、この男を高く評価している。


現に今生でも、殆どの重臣が晴信に味方する圧倒的な不利な情勢を覆し、逆に晴信を追い詰めていたからな。

その纏う雰囲気も存在感も、何処ぞの問題爺達と、そっくりで有る。


その辺りは要注意では有るが⋯


信虎の次に名乗りを上げたのが、白装束を纏う鋭い目付きの青年である、武田晴信。

そう、俺の隣で澄まし顔をしている千代と、前世では何度も死闘を繰り広げ、軍神謙信の最大のライバルであった、武田信玄である。


何故、白装束なのかは⋯判らん。

内心で、何処の独眼竜だよ!とツッコミを入れる事しか出来ん。


晴信からは、重ねて救われた事に丁寧な礼を言われて、俺の功績を気持ち悪い程に、大袈裟に称えられた。

其処に、謀略を張り巡らせる謀将信玄の感は無く、何処にでも居る素直な好青年にしか見えないが


名前:武田晴信 男

・統率:85/99

・武力:81/90

・知略:83/95

・政治:89/96

・器用:75/87

・魅力:70/82

適性:軍略 騎馬  謀略 政務


その能力を見るに、間違い無く信玄だろうな。

俺に礼を言い、褒め称えた後には、最早悔いは無いとばかりの、爽やかな表情を浮かべている。

白装束といい、なんだか嫌な予感がする。

段蔵に言って見張らせておこう。


他にも、晴信の弟の信繁、信廉の武田家の一門衆に、甘利虎泰、板垣信方等の武田家宿老達に加えて、

原虎胤、横田高松たかとし

多田三八郎、小幡虎盛、といった武田家の直臣達からも挨拶を受けた。因みにこの四人に長尾家の軍師・山本勘助を加えたのが後世で【甲陽五名臣】と讃えられた、名将達である。


よし!甲陽五名臣、コンプリートだ。


そして、武田家臣団の中では珍しく、物静かで落ち着いた雰囲気の青年が、生涯70にも及ぶ戦に参加しながら、長篠の戦いにて殿軍を務めて討死する迄、一度たりと傷を負わなかったと云う

【不死身の鬼美濃】こと、武田四天王の一人、馬場信春である。


同じく武田四天王の一人となるはずの、少し落ち着きの無い小兵の若者が

将来は最強の赤備え隊を率いるはずの

山県昌景で有る。


最後は、やけにキラキラとした瞳で此方を見る美少年、まるで憧れのアイドルに初めて出会った少年の様な若者が

四天王最後の一人、高坂昌信である。少年の様に見えるが年齢は19歳と、この時代では充分大人として扱われる年齢である。昌景より二つ年上でもある。


昌信の俺を見る、そのキラキラした瞳が少し怖い。

ただの憧れなら良いのだ。


昌信と云えば、後世でも信玄との愛人関係が知られているが⋯あれって俗説だよな?

真実じゃ無いよな?


俺にソッチ系の、趣味は無い。


くっつくなら、是非にも前世の様に信玄と頼む。

俺は人の趣味に、あれこれは言わん。

人の恋路を邪魔はせん。

其れだけは、くれぐれも頼むぞ。


多少、昌信に懸念は残るが、これで現在出羽で励んでいる工藤昌豊を加えると


やったね!武田四天王、ゲットだぜ!


うん。少々、テンションが上がりすぎた。


落ち着け、俺。


幸いな事に、此処に集まった殆どの者が長尾家に仕える事を了承してくれた。


こうして、俺は武田の優秀な家臣団を傘下に加える事になり、先日加わった北条家の面々と共に、将来の長尾家、ひいては日本を支える、貴重な人材と成ってくれる事だろう。


因みにだが、段蔵を見張りに付けて置いた、晴信の切腹未遂事件が評定後に起きたが、報告を受けて駆け付けた、俺の説得を受けて、晴信も思いを改めた様だ。


男泣きしながら


『師匠と民の為に働く。』


そう言っていた。

師匠?意味が判らんが、まあいい。


段蔵を見張りに付けて置いて、正解だった。危なく、手に入れたばかりのSS武将を失う所だった。


さて、関東出征から始まった、この一連の遠征も、やっと一区切り着いた。

そろそろ、雪も降る頃合いだ。


そろそろ、春日山に帰ってゆっくりしたい所だ。


ああ、蟹鍋が恋しい⋯すき焼きも捨てがたい。


暫くは、ゆったり過ご⋯⋯せると


いいなぁ。

武田組構成員の紹介回でした(^o^)


こう、改めて書いていると、武田家の家臣団って優秀な方々が多いですね。

現代での評価、それには某野望系ゲームの影響も有るのでしょうが。

作者は武田家臣団の評価が高いのは、現代に迄残る甲陽軍鑑、高白斎記等、武田家に関する資料が比較的に多い為かな?と思っています。

評価すべき資料が無ければ某ゲーム会社も武将の評価なんて、できませんからね。

最も、武田家が強かったのは、確かなんでしょうけど。

馬場さん、山県さん辺りは

『チートじゃね?』と言いたくなる程、評価されてますね。

まあ、そう言う作者も某野望系の影響を強く受けておりまする。

四天王辺りには、多少私情が入るかもしれません(^o^)

ちなみに、高坂や山県等の名はこの当時は未だ使用されておりませんが、武将名は一番有名なもので統一する事としておりますので、御理解お願いします。


此処まで、お付き合い頂きありがとう御座います!

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