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ex11.称号の隠蔽に悩む一夜。

これも最後の称号回、のはず。

本日二話更新のひとつめです。

 アスカ君と補助のキャスケット氏による転移魔法で飛んだのは、メリサイト国の端っこの街、セクシェケル、その国内側の外れ、といった場所だ。


「予定通りというか、本当はもう少し手前に出るつもりでいたんだが」

「そうは申しましても、軍の目の前に出るのは悪手でございましょう?」

 軽く頭を掻くアスカ君に、キャスケット氏が珍しくシンプルにツッコミを入れている。


「でも想定より魔力消費が少なく済んだ、助かったよ」

「どういたしまして!小生もこの魔法式には興味がございます故、またお付き合いさせていただきとうございます!」

 なるほど、ズボラという制限が無くなったから、ケット・シーとしても空間属性の研究がしたいんだな?


 セクシェケルには、神殿がある。来るときに幻獣車を返した場所ね。

 そこで確認したら、マレリアンデ氏は既に後方送致になっていて、休職中なのだと教えてもらった。


 素直に教えて貰えたのは、あたし達が幻獣車を返しに来た時にもマレリアンデ氏が同行してくれていたせいね。



「アタシの旦那の事を聞いてたのはあんた達かい?どうも異世界の民っぽいけど」

 日も暮れるし今日は此処で泊まれたら、と、宿をチェックしていたら、なんだか派手な金髪のお姉さん軍人さんに声を掛けられた。


《アミュミナお義姉さまですわ。酒豪で軍人の。リアン兄さまは職場結婚されているので》

「あ、お酒に強いお姉さん」

 シエラが余計な情報を付け加えたものだから、うっかり口が滑って、相手の顔が真っ赤になった。やっべ、怒らせた?


「……リアン!余計な事言ったのね!!

 んでやっぱり君たち、リアンがここら辺まで送ってきたっていう子達ね!無事だったのは幸いだけど!」

 なんてことはない、彼女も多分あたし達がマレリアンデ氏が送って行った一行であるだろう、とは考えていたらしい。


「あー、多分マー兄さんは冤罪……でもないな、ヘレック村の話でうちのが、とか言ってた気がするし……」

 そしてサーシャちゃんはあっさり口を割る。

 いやそれ隠してやらないと兄さんにとばっちり、行かない?


《義姉さまが酒豪なのも、その話をリアン兄さまが漏らしたのも、事実ですしねえ……》

 そしてシエラはあっさりと諦めの境地、だ。


 幸か不幸か、アミュミナさんとは名前をお互い名乗っただけで、あちらの時間切れで別れた。

 作戦行動はまだ終わっていないらしい。


 主に、難民化したあちらの兵士の生き残りを救助する作業になっているそうだけど。


 そんな状況でも、兵の数なんかは減ってきているらしく、宿はさっくり確保できた。

 久し振りに大浴場でわちゃわちゃしました!楽しい!


 これも久し振りの、柔らかいお布団付きのベッドでころりと転がって、久しぶりにジャッキーとミモザとシルマック君を呼び出してもふもふ成分を補給しますよ!


【マスター、腕上げたねえ】

 すっかりてろんてろんに溶けたシル君とミモザを横目に、現在進行形でモフられているジャッキーはそう言うけど、相変わらずこの子は蕩けないなあ。


 モフりつつ、ちょいと称号欄のチェックをすることにする。

 でないと寝落ちしそうな気がするのよね……流石に、ちょっと疲れてる。



〈称号管理:一覧〉


[落ち来りし者]

[大魔王級魔力保持者EX]

[龍の友+]

[聖獣の盟友]

[上級召喚師+++]←Up

[上級治癒師EX]

[上級魔法師:光限定+++]←Up

[シューティングマイスターEX](隠蔽中)←Up

[スタンピード制圧者]

[境界の巫女](隠蔽中)

[数多の柵を解きし者]←Up

[もふもふマスター+++]←Up

[上級護法師++++]←Up

[魔法開発者★★]

[元・金枝の裁定者]←Up

[聖獣の庇護者+]

[誠心の医療従事者]

[新たな神を鎮めし者+](隠蔽中)

[異世界人同盟+++]

[狐の盟友]

[神滅を観測した者]

[魔を威圧せし者]

[調伏せし者]

[海を救いし者]

[海神の友誼を得し者]

[調停者を支えし者]

[内外の仲介者](実態は[小月の加護])

[山華姫の信任を得し者]

[鼠婦の友]

[四天王攻略リーチ]

[草原姫の加護]

[技芸姫の加護]

[天馬の庇護者]

[異聖を宥めし者]

[真龍の盟友]

[友垣の輪]

[霊鶴の認可]

[霊鯨の友誼]

[大聖女補佐見習い]

[神を癒せし者]

[数多の縁を結いし者]

[魔の主を廃せし者]←New!

[一つの世界の救い手]←New!


 お、正式に召喚術が上級になったな。

 これでグリン君もフライ君も呼べるぞ!乗り物問題、解決だ!


 そして、裁定者がランクアップしたついでに元職になった。

 まあこれも想定内だ。


 だって、もう天の声は、直接あたしに聞こえる事はない。


 それにしても、この下二つは隠蔽決定よね……?

 結局、隠蔽対象は増えないままだったけど。


《隠蔽対象を増やすには、多分[内外]のランクアップが必要なので、流石に無理ゲーじゃないですかねえ……?》

 あー、やっぱそこだよねえ。

 流石に小月にまで行く、なんて予定はないですし?


 しょうがない、シューティングマイスターと神を鎮めし、隠蔽解除だ。

 境界の巫女は、多分だけど……メリエン様の巫女に就任してからじゃないと外しちゃダメな気がするし。


《[新たな神を鎮めし者]、を解除でいいんです?目立ちません?》

 そうは言うけどさ、[神を癒せし者]がある時点で、今更じゃない?


《そういえばそうですね……》

 シエラも納得してくれたので、隠蔽称号を変更する。


 流石にねえ、魔の主の方はともかく、世界の救い手とか堂々と晒すの、こっぱずかしいんですわ!


 三人組も隠蔽するって宣言してたし!

 アスカ君なんて称号が付いた瞬間に速攻で隠蔽してたし!


《そういえば、始めは[解き解す者]だった称号が、[数多の柵を解きし者]に変わりましたね。どうやらこの上はないようです》

 つまりカンストか。何だったんだっけこの称号って。スタートは解呪技能だったはずだけど、最終形、なんか謎解き系っぽい?


《大雑把に言えば謎解き系、と言えるのでしょうか……貴方の推理って割と当たらない方のイメージがあるのですが》

 シエラぁ?そこでこっそり気にしてる事言うの?


 称号のランクが上がってるってことは、必要なのは推理が当たる事じゃなくて、問題が解決できる事、だっただけでしょう、多分!


【マスター、なんか考え事してた?手が止まってたけど。おつかれさま、だよ?】

 どう文句を言おうか、と思っていたら、ジャッキーからぽふ、とその前脚が伸びてきてあたしの手をぽんぽん、と叩く。


 兎の足裏は肉球じゃなくてもっふもふの毛玉だ。なんというかもう、癒しの手触り。


 何気に繊細な部分だからお風呂に入れる時にも滅多に触らないから、あちらから触ってくれるのはホントに幸せ気分がアガりますよ!


 なんだこの可愛い毛玉、癒し系か?いや実際癒せる可愛い兎だけど!


 そういえば、ジャッキーの二本の角は、枝分かれの先がだいぶんと長さを増したけど、どういう感じに育つんだろうなあ、これ。


 ミモザの方はすっかりごく普通のアルミラージになった。

 属性だけが普通じゃないレア種だけど。

 こちらもでっかくなったけど、まだまだ性格はお子様で、これまた相変わらずとっても可愛い。


 名残惜しいけど、お宿に聖獣を連れ込むのは本当はだめらしいので、寝落ちする前に兎たちは送還する。

 シル君はどうせあたしの肩の上に出るから、そのままね。


 まあすぐにハルマナート国で会えるだろう。

 アスカ君の転移、リキャストタイムかなり短いタイプだそうだし。


 その代わり距離に魔力量の制限がかかるので、サンファン、マッサイト、フラマリアを経由して帰ることになるんじゃないか、というのが当面の計画だ。


 それまでにランディさんと合流してばびゅーんと一発で帰れるかもしれないけどね。

 でもメリサイト国の王都には寄らないといけないね、リアン兄さんをちゃんと治してあげなくちゃ。


 あ、でも、魔法の事はどう言い訳しよう?まあ異世界人だから、でどうとでもなる?


《神をも癒すんですからなんでもありですよ、でいいんじゃないです?》

 確かにそれもそう。


 あ、そうだ、リソース配分の状況を見るのにサンファンに寄るのと、コメの件でマッサイトに寄るのも確定だったっけ。


 それに、トリィにだって会いたい。

 ケット・シー情報と三人組からの情報で、皆無傷でやり過ごせはしたけど、異常気象レベルの大嵐の中、襲撃を受けたとも聞いているし……


 やっぱりばびゅーんとは帰れそうにないけど、まあいいか。


 時間はたっぷりある。

 世界の滅びは千年くらい、先送りされたのだから。


《貴方、真龍のおじいさまとも何か約束をしておられませんでした?》

 してたわねえ!宴会!

 でもそれは他の人とも相談で!


 今はちょっともう眠いから、おやすみなさい。

結局もふマスはカンストしないまま終わりました……

※これ、カンストするとシューティングと違って名称変わる称号の予定だったのですが。


本日はもう一本、その推定千年後に近い辺りの話を。

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