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ex9.称号と神々と相性問題。

偶数部なので称号回よー。

 うーむ……最近はつい目を逸らしてしまっていたけど、称号欄が随分と酷い事になってきたなあ。いや、今更といえば今更なんだけどもさ。


 今日もお風呂ついでに一覧チェックだ。


〈称号管理:一覧〉


[落ち来りし者]

[大魔王級魔力保持者++]←Up

[龍の友]

[聖獣の盟友]

[中級召喚師++++++]←Up

[上級治癒師+++]

[上級魔法師:光限定++]

[シューティングマスター+++](隠蔽中)←Up

[スタンピード制圧者]

[境界の巫女](隠蔽中)

[解放せし者]

[もふもふマスター+]

[中級護法師+++]

[魔法開発者★★]

[若枝の裁定者+++]←Up

[聖獣の庇護者+]

[遍歴の医療従事者]←Up

[新たな神を鎮めし者+](隠蔽中)

[異世界人同盟++]←Up

[狐の盟友]

[神滅を観測した者]

[魔を威圧せし者]

[調伏せし者]

[海を救いし者]

[海神の友誼を得し者]

[調停者を支えし者]

[内外の仲介者](実態は[小月の加護])

[山華姫の信任を得し者]

[鼠婦の友]

[四天王攻略リーチ▼]

[草原姫の加護]

[技芸姫の加護]

[天馬の庇護者]

[異聖を宥めし者]

[真龍の友]←New!

[友垣の輪]←New!


 真龍の友はまあ茄子のおじいちゃんの件だろうから、判る。

 で、四天王略に▼が付いているのは、達成不可能になったせいだろう。死霊卿とやら、結局あたしが見る事すらなく滅びたらしいからね。


 ……この[友垣の輪]、いず、何?


《……ええっと……あー》

 確認してくれようとしたらしいシエラが言葉を濁す。何事ですか??


《……フォルヘッセナーレ神の加護称号、らしいです……相性が悪すぎて本来の加護称号を付けられなかった、そうですわ……》

 えぇ?相性が悪いってのは初見の時から思ってたけど、そこまで?!


《そこまで、です。あと先に申し上げておきますと、恐らく貴方、ゲマルサイト神とも相性、悪いですね……あの方の方向性は火と土なので……》

 あたしの属性は光極大以外は割と普通だけど、残りは風と水だ。最近はアルルーナさんにお水をあげるのに良く〈湧水〉を使うようになったので、極小だった水が小に伸びた。

 異世界人は成長補正がでかいとは知ってたけど、属性力までそんなにのびのびと育つのは想定外だよ!


 そして、そう言われてみると確かにゲマルサイト神との相性は、良くないな。

 いや、お仕えする予定なのはメリエン様なんだから問題ないはず、よね?


《……それもそうですね。相性が悪いといっても、何かが不利になる、といったことは特にないですし、引き抜きに逢いそうにないのはむしろ利点かも》

 引き抜きなんてあるんだ?


《他所ではどうか知りませんが、ゲマルサイト様とメリエン様の間では、時折あるんですよ。

 主に特殊技能を持ったものに引き抜きを試みる事が多いようですが。レクリエーションのようなもので、滅多に成功はしていませんけれどね》

 なんか微妙に迷惑な話のような気配がしないでもない。でもまあ、あたしには関わりのない事、でいけそうではあるな。


《そうですねえ、水属性が小まで伸びたのは大きいですね。私との最大の違いですから、別人であるときっちり言い張れる根拠としてもいい感じですよね》

 そうね、属性力の大きさの差はさておき、水とシエラの火以外は同属性だもんねえ。見た目には特に反映されていないわけだけど……



 そう言えば、実質今年いっぱいくらいで異世界人三年ルールの適用期限が終わるのか。

 といっても、あたしの場合元の世界のそれより、この世界の習慣や神々の存在に慣れるほうが楽なところがあったから、現状三年ルール自体あまり意識しないでここまで来てしまった感はある。


 ハルマナート国が割と身分関連が緩い国だったのが幸いしたとも言うけど。


《そこも不思議ですよね。神のいない世界からいらしているのに》

 多分逆よ。

 あたしは、神も神秘も存在しない世界から来たからこそ、神や真龍や魔法、それに人語を解する聖獣達が実在するこの世界を受け入れやすかったのだと思うわ。


 この世界に召喚されたり、漂着したりした異世界人にはいろんな人がいた。

 当然、中にはこの世界が微塵も合わなくて、早い段階で命を落とした人も結構いたのだ。


 致命的に相性が悪かったのは、一神教を強く信じていた人だというデータがありましてね。

 召喚された人にはこの種の宗教を信じている人自体がまずいなかったそうだけど、漂着者の方はなんでもありで。


 そういった人達は自らの信じる神とは違う、複数の神々がいる世界を地獄、または悪魔の世界だと評した人が多かったそうだ。

 中には自らの信教を布教しようとした人もいたらしいけれど……最終的に社会不適合者扱いされてしまった、らしい。


 まあそうよね。信じてさえいれば魂または現世で救われる系の宗教、この世界とはとことん、相性が悪いもの。


 大半の国では、神様は実在して自分たちの国を守ってくれる存在だし、人の魂はといえば、見える人が結構な数いて、良き人は天に昇っていく、と立証されてしまっている。


 国神がいない国であるハルマナート国やトゥーレでも、他国の国神の存在はちゃんと知られているし、なんなら海神様の信徒が、どちらにもそこそこいる。

 トゥーレで布教活動をしようとした、とある自称修道士は、口先だけ動かす前に働けってどやされたらしいからね。

 ……いやでも、口以外働かないって、それ本当に修道士かどうかも怪しい奴では?


 勿論、魂が天に至る基準も、この世界の神々は根気よく人に教えているからね。

 それでも地の底に堕ちる輩はある程度出るんだけど、それはもうそういうもんだとしか言えない、らしいよ。


《この世界は楽園ではありませんからねえ、地獄と呼ばれる程でもないとは思いますが。一部の地域を除く、という前提条件がつくにせよ、です》

 一部地域はねえ……ライゼルの属国エリア辺り、地獄と呼ぶのも生ぬるい事になってる気配がすっごくするんですけど。


 でも、現状であの地に手を出すのは、まだ無理だ。力が、足りない。


 そもそも、あたしの力では、彼らは救えないのだけどね。

 いや、今までだって、あたしの力だけで救えたものなどそんなにいないんだけど。

 少なくとも、ランディさんがいなければ、どう考えてもあれもこれもそれも、詰んでたはずだ。


 それにサーシャちゃん達三人組だって、いろんな手助けをここまでしてくれている。

 勿論、サクシュカさんやマグナスレイン様、それに聖女様も、この世界の人々や神々だって、現状から一人でも、ひと柱でも欠けていれば、今のあたしの状況は存在しない、そう思う。


 人同士の繋がり、そして神々の手助け。

 あたしの武器は、むしろそちらが本命な気がしている。だって、気が付けば世界の大半の国で、王か王族の誰かと顔見知りですよあたし。

 まだ行ったことのないマイサラスも、王女様の一人とは知り合いな訳で。


 全然その辺に縁がないの、未踏の地メリサイトと、仮想敵国ライゼルだけな訳ですよ。


《……顔見知りというか、恩を売りまくってますよね》

 売るつもりのない案件もあった気がするけど、結果的にはそうなっている、のかなあ。

 レガリアーナのハルメアリン様、いやティグラン二世辺りには面倒な事を押し付けられたと思われてる可能性も微レ存な気はするんだけども!


《……流石にそれは……いや絶対ないとは言い切れないですね、あの国だけは……》

 ただ、他に手段はなかった、とは思うし、そもそも新王家をどこにするかには、あたし一切何の口出しもしてないからね?


 そこはそうですね、とシエラが納得したところでこの話はおしまいだ。


 ライゼル勢の影響がここ暫くで極限まで下がっている今のうちに、彼らがここまで齎していた神々や民、大地への各種ダメージからの回復を図りたいところでもあるけれど、それもあたしの仕事とは言い難い。


 一つ気になるのは、大地そのものへのダメージだ。

 あれ、何か意味、あるんですかね?


《……瘴気そのものの性質のためであって、意味自体はないのではないでしょうか》

 つまり連中も特にそういう意図で瘴気汚染を画策している訳ではない?


 ってそうか、あいつら呪術師が大半だから、瘴気への感受性自体が低いんだった。そもそも瘴気を自分達がばら撒いている自覚に乏しい可能性すらあるんだな……?


 そうなんよ<あいつら意外と無自覚

 友垣の輪は……友達の友達はっていうアレですよアレ。


 本日はもう一本番外編がございます。

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