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40.称号の存在する世界。

そういやこの世界称号システムあったわって思い出した。ついでに生活周りの設定を少し。

 翌朝。いつもの時間に起きる。


 いやあ久し振りにちゃんと自分の布団で眠ったわ。お城のふかふか布団堪能し損ねたのよねえ。いやここの布団も王族の人が一応使うからって割といいやつっぽいんですけどね。

 あの人たち王族といっても、仕事優先でそういうところにあんまりお金かけないからなあ。

 その代わり公共投資とかはガンガンやってるっぽいし、税も他国に比べて低いみたいだけど。


 公共投資と言っても、生活上の水回り、上下水道は基本魔法が何とかしてくれる感じなんで、面倒な水周りの配管工事とか大規模にはしなくていいから、基本は道路を作ったり、街の灯りの整備とか、新しい農地をバランスよく開発したり、みたいな感じ。

 トイレは水洗、洗浄乾燥完備、出たものは密閉された分解槽で発酵させて固めてから乾燥させ、同様に処理した生ごみなんかと一緒に肥料の原料として買い取りされるそうな。街でも村でも、規模は違うけど基本は一緒。

 水周りも台所周りも冷暖房も、動力は全部元の世界でいう電池と同じ役割をする、魔法陣を刻んだ装置に魔力を込める方式なので、魔力がないと生活にちょっと困る。

 ちなみに人間は個人でまちまちだけど、亜人だと魔力が少ない種族も魔力が多い種族もいるので、魔力売り、という魔法陣に魔力を込める仕事もあるんだって。なお魔力が少ない代表がゴブリンさん、多い代表がエルフさん、と。

 この世界のゴブリンさんは肌が緑色っぽい小人さんだ。たまに自己進化してこれも緑っぽい肌の普通の人サイズのオークさんになる。

 彼らは繁殖力と寿命が反比例した種族なこともあって、人族の居住地にはあまりいない。独自の村社会を作って、他種族とは交易でお付き合いをする程度らしい。

 コボルトさんは直立二足歩行の犬ですね。犬獣人の人とは違って、毛皮もふもふです。手も犬だから器用さには欠けるけど、俊敏さと鼻の良さでいろんな仕事をしているそうな。こちらは王城にも勤めていて、数人見かけた。


 そういえばこの世界、冒険者って職種はあるのかなあ?


《ないですねえ。国家間を移動するのにどの国も割と煩雑な手続きが多いので、国家を跨ぐ組織って特にないんですよ。国家間会議はないでもないんですが、これもライゼル国がいろいろやらかすので、信頼性が保てていないのが現状ですね》

 異世界の人が何度か国際銀行組織とか冒険者ギルドとか計画したんですけど、全部ライゼル国がひっくり返してますねえ、とシエラがため息。

 びっくりするくらい悪役ムーブしかしてないわねライゼル国。それでよく国際的にハブられてないわね。


《あの国の併合した領域内に、寂れたとはいえ創世神様の御座があるのが神殿的に無視できないらしいのです。姿を消されて久しいとはいえ、まだお隠れになられたわけでもないのでは、となると下手な事が言えませんので。

 とはいえ、ライゼリオン神が創世神様の後継者を自称し、我が唯一の神とか言い出しているので、恐らくは?という観測もありますね。神慮を測りかねるため、誰もはっきりと口には出せないでおりますが》

 ただ、ライゼリオン神が直接創世神様に何かしたということはない、そうだ。そんなことしたら称号でばれるそうな。


 って称号?それって神様だけのもの?


《いいえ。人にも称号は付きますよ、それが見える人は限られていますけど。見える人はだいたい聖女やら巫女やらの才がある人なので、カーラなら頑張れば見えるようになるかもしれませんね》

 つまり、今は見ることができないか。自分のものがあるかどうか確認できるようになるまでちょっと練習してみたいところね。


《あー、カーラの場合、自分の称号はいつでも確認可能なので、他の人で練習するしかないと思います。〈書庫〉の機能に称号管理がデフォでついてるんですよねえ》

 あらまあなんと。じゃあちょっと見てみたいわね。これは……ああ、念じればいいのね?


〈称号管理:一覧〉


 [落ち来りし者]

 [大魔王級魔力保持者]

 [龍の友]

 [獣の友]

 [初級召喚師]

 [初級治癒師]

 [上級魔法師:光限定]

 [シューティングマスター]

 [スタンピード制圧者]

 [境界の巫女]

 [解き解す者]

 [もふもふ中級者]


 アッハイ。見事にあたしの行動履歴書ですね。ところでこのもふもふ中級者ってもしかして上級とかマスターとかあるんですかね?


《半分くらい見たことない称号ですけど、まあ多分中級があるならマスターまでありそうですよね。実際シューティングがマスター表記ですし。

 それよりもですね、巫女称号から既に『候補』が外れているんですが、どういうことでしょうね?先日の祝詞のせいかしら?》

 シエラまで首を傾げるあたしの称号の惨状。ううむ。

 ちなみにこの称号、実感できない程度の関連ステータス上昇があるんだそうな。実感できない程度、つまり実質フレーバーじゃん!


《そうとも言いますねー、現在の状態だと三つ隠せるので、落ち来りしと大魔王と境界は隠しましょうねー》

 いや、そこは落ち来りじゃなくてシューティング隠そう?異界人なのは知られてもいいけど、狩りの達人とかと間違われそうなほうが困るわ。

 しかし、システム的にはあたしの治癒、初級なんだ。


《だってあなた、初級治癒の魔法陣しか使ってないじゃないですか。魔力でごり押ししてるから賦活まで上げられてるけど、あれ効率としては割と最悪の部類ですよ?カーラの魔力量だからなんとかなってるだけで、人類には真似できませんわ》

 あっそういえばそうだった。あの魔法陣、初級だったわね……

 魔法師が上級なのはライトレーザーが上級分類だからだそうです。そりゃイードさんがびびるはずだわ、反省。

 ってこれ光限定ついてるんだ。そうか、風属性もあるって話だったけど、風魔法は自分で使った事がないものね。こないだ髪乾かすのはシルマック君が張り切ってやってくれたから自分ではやってません……。

 んでライトブレスも使った事自体はないから、護法師の称号はない、と。


《多分護法師の称号まで生えると、ランクが揃った時点で統合されて賢者系称号になっちゃうんじゃないですかね……》

 う、シエラが遠い目をしている幻が見えた気がする。

 というか、聖女と勇者は、後者は存在こそしてないけど、世界が認める系称号だそうだけど、賢者は違うのね。


《賢者に関しては、聖女や勇者の概念がこの世界に齎される前からあった称号だそうですから、システム的に別なんですよ。取得は極めて困難ですが、一般系称号で複数名取得できます。確か異世界人限定の賢者称号というのもあるそうですが、二百年くらい、どちらも取得者はいないはずです》

 いたらそれだけで歴史の教科書に載れるそうだ。割と半端ないな。


《そりゃそうです、そもそも素質がないと取得を目指すことすらできませんから。治癒師が最大のネックですね》

 ああ、治癒使える人少ないんだっけ。それって元々少ないのかしら?


《元から少ないですが、時代を追うごとに減っているという記録もありますね。その分異世界召喚者にそういう資質を求める傾向が上がっているとも》

 うわ、迷惑な話ねえ。


 ちなみに称号の取得理由も確認できるんだけど、どれもまあ割と見たまんまだった。

 友系の称号は普通に一定人数以上の称号上で同分類の、かつ自分とは別分類の存在と友好関係になること、ってのがちょっと判りづらいくらいかな。

 [解き解す者]は解呪スキルが生えると自動で付いてくる称号で、これもクラスアップするタイプの称号だそうだ。


 今隠せる称号は三つ、何らかのトリガーで隠せる数が増えるようだとシエラが言うけど、トリガーが不明のままらしい。


《それにしても一か月で称号この数は濃すぎますね。一般人だと一生でこの数行くかどうか怪しいですよ》

 称号は世界に一定以上の影響を与える可能性のあるものに付くのだそうで、魔法を使ったことがある人は基本的に全員、そしてスタンピード制圧に参加した経験がある人は基本的に持っている、くらいの感じ、らしい。


 ……いや待って、[もふもふ中級者]が世界に何の影響があるっていうの??

称号効果はフレーバー。但し一般には知られていないけど魔力ベースで計算がされていたりする。


脱字はありません。いいね?

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