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「0」の神

俺はカンニングだ。

本名も忘れた人間1割の化け物だ。

なぜか、市民から大統領にもなっている。


そして、今、円々姫をカンニングするために、

夜景の上に存在する安い所

ーー安い自動販売機がある丘に立っていた。

きっと、円々姫はユメのそばにいる。

「俺が早く来すぎたか」

「やあ、カンニング様」

俺の1m先に額の100を光らせる女性がいた。

2時間ぶりの円々姫だ。

「と思ったでしょ。でも、それが違うんだな」

「その声は!」

「ユメだよ」

こいつ、見た目は円々姫なのに、中身はユメだ。

だって、俺には見えるから。「0」という数が。

「ど、どうして。どういうこと。動揺してしまう。

もしかして、お前は2人存在していたのか」

「そうともいえる。だって、円々姫はユメが作り出した新100円玉、ユメだから」

「作り出した、だと」

「そうだよ。」

それは雨の日だったらしい。湿気が多いこの日に、

ユメは仲間を探していた。団体名は「会議室」。

目的は 悪魔を殺すこと。

そして、この丘の自動販売機の下に100円玉を見つけた。

その100円玉で円々姫を作った。

「信じられない。あんなに身近にいたやつが

作り物だったなんて」

動揺している俺に対して、ユメは呆れた顔をしていた。

「悪魔の頭って、単純だな」

「は、なんだと!」

「だって、100円玉が動いて、しゃべって、女性の

姿になること自体が不思議だと思わなかった?」

確かに。100円玉が動くこの狂った世界を疑うことはしなかった。

この世界観があたり前だと思っていた。

「・・・なんて、ばかだったんだ俺は。この世界は

何者かに作られたと言うのに」

「やっぱり、お前たちみたいな生物に生きる価値はないや」

ーーー生きる価値がない・・

悪魔ってだけで、父は殺され、

悪魔の妻ってだけで、母は殺されたのか。

人権がないやつは神の世界だとしても、

まして、この世界でも生きれないのか。

「父も、母も、そんな思いで殺したのか」

「そうだね 後は君とこのセ国だ」

「なんで このセ国まで」

「だって、いらないもん。悪魔のボスを救った

この国も 国民も」

ーーこいつに、このセ国を殺すのは無理だ。

理由は、団体としても、所属員はひつじや

ようき、死神たちだ。それに、ひつじやようきは

俺の協力者になったし、死神たちは空をぱたぱた

と飛んでいる。また、鬼たちが戻ってくるとは

思わない。

そう思っていた。

セ国の防御システムが警告音を鳴らすまでは。

『警告。左右敵に包囲』

左右敵。このセ国の左側と右側。

「お前、もしかして・・・」


海が止まる。

「右国と左国の新しい支配者はユメだよ」

セ国の右側の水平線は右国の人間によって

埋まっていた。

セ国の左側の水平線は左国の人間によって

埋まっていた。

その人間たちは、無意識だった。

「私は人を無しにし、繰ることができる。この「0」を使って!」

ユメの「0」が、天使の輪として現れる。時空の歪み

のような巨大な縦長白楕円が現れる。

ーーこんなの俺の好みじゃない。

俺の好みは「100」だ。

「この国は終わりだ!突撃部隊、出撃!」

『警告、警告。艦船が出撃しました』

「ユメは神なのだ!」

ユメを殴りたい衝動になったが、たえた。だって、

「0」が恐いから。これは、ただの数ではない。人類

が愛する神が与えた数だ。

俺は愛されていないから、戦争を止められない。

だから、愛し愛されている友と金にこのセ国

の運命を賭ける。

僕は元右側の海に接していた砂浜に立っていた。

今の海は下にある。そこから艦船が見える。

右手にある机型操従機の半分から音が鳴る。

『警告。警ピー。艦ピーが、ピーから出撃しました』

先輩が、レイと僕のために、操従機を平手打ち

で半分にしたおかげで、音が変だ。でも、機能

は抜群だ。

机を持ち上げ、表面に手を乗せる。

「発射!」

レイも机を持ち上げ、表面に手を乗せ、言う。

「発射!」

銃口が艦ピーの方を向き、弾丸が連発される。


ここは、艦船の中。船長と乗り組み員が五人

ぐらい出席している。

「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」「・・・・・」

もちろん、こいつらは無意識で、無口の状態が続く。

だけど、このようなのんびりとした状態を壊す、悲劇が起こる。

手前の甲板から何やら変な音がする。というか、

木製の甲板が破烈する音だ。

船長は無意識に甲板に出て、床を見た。

そこには、無数の光を放つ円があった。

男は、それを愛していた。

「金だーッ!」

「金」という弾丸のシャワーが無意識を洗い流した。


「あれ、爆発音が聞こえない」

神なのだ!の後から、爆発音が全く聞こえ

なかった。この状況にユメは戸惑っていた。一方で俺は観悲の声を上げていた。

「やった。人間は、お前より金を愛したのだ!」

「ばかな。防御システムの弾丸はすべて二人

が奪った。止めれるわけがない!」

「だから、俺は100億円分の100円玉を弾丸に使うのだ」

「そんな、人間は無なのだ。全人力よ、出動!」

「元人間の俺が言うけど、人間はやばいぞ」

もう、大丈夫だ。あの二人が、このセ国を守ってくれる。


海は黒かった。黒は無数の艦船によって構成

されていた。上空では、小型機が飛んでいた。

僕は机をスライドし、宣言する。

「金、解法!」


右側の側面のすべての銃口から、第一弾の金

が発砲される。普通、それだけで喜ぶが、僕は

優しいから、第二弾。公平に、上空に第三弾。

「もっと、金をーーッ!」

の言葉と同時に、爆弾が側面に直撃した

から、第四弾。

この状況を報告するため、机に話しかける。

「こちら、0点男。そちらの状況を教えて、レイ。」

「まだ、俺はユメにふられてない!」

「・・・え」

左側の海は燃えていた。なぜなら、レイは金を別の

用途で使ったからだ。

「世界はパーだ。だけど、俺はチョキだ。3秒で

世界を気絶させ、もてるべき存在だと証明してやる!」

小型機を落とす。それは、エンジンを金で破壊

したから。艦船が沈む。それは、まず、金で船長を

引き寄せ、その間に艦船に打撃をくわえたから。

「もう、俺は勝利だ!」

それを机ごしで見ていた僕は、机にらく書きする。

-ばかー

「この世界は、狂ってますね」

狂っていたからこそ、良かったんだと俺は思って

いる。 だって、あいつに会えたから。

「私が金なんかに負けるはずがない。だって、

ユメは「0」なんだぞ! 「0」は正義なんだぞ」

「世界がお前の価値を愛しているような言い

用だな。世界がそうだとしても、俺は違う」

「それでは、なんだ」

「唯一、俺が愛したのは100だ」

次の瞬間、俺の体に異変が起こる。手から

熱気が出る。そうか、最後の一割って、こんな気持ちだったんだな。

今の俺は9割が化け物で、一割が気持ちだ。

もう自信をもてたから、ユメに言えた。

「円々姫から出てゆけ、ばかやろう!」

そうしなかったら?

俺は腕で十をつくる。

お前の「0」をプラス「100」してやる。

これで最後になるであろう言葉を言う。

「百金」


俺の仲間たち、ようきとひつじ。 後、レイ。


「お前たちがいたからこそ、カンニングを続け

られた。現在進行形としても。

父と母。

俺を育ててくれて、ありがとう。こんなにも成長したぞ。

円々姫。

待っているって言われたから、ここまで来た。

もう少しで、会いに行けるから。

正直言うと、俺は自分が嫌いだった。こんな

弱虫で、世界が金としか考えられなくて、カン

ニングを得意とする自分が。だからなのかな。

百金をしている間、新しい価値が生まれたと

喜んでいる自分がいるのは。

だけど、少し思うんだ。

間のままでも、良かったのかな


カンニング様はつぶやく。

「世界は優しさか」

今、俺がすべきことは、神の「0」をカンニング

して、「100」のあいつと会うことだ。

俺は決意の顔として、「100」でユメをにらんだ。

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