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平凡=平和?

父の死亡から1時間を経た。

俺は誰も信じることができなくなっていた。

だから、つるきが言ったことにはびっくりした。

「君にはこの世界を平和にしてほしい」

「え」

「それが、その設計書にこめられた思いだ。たぶん。」

「誰が、どうやって」

「もちろん君が、この島を使って。セ国の海の下は、

父の財産をすべて使い、大砲で構成されています。

天使のボスと戦うために」

だから、曲面が凸凹になっていたのか。

いや、待てよ。

「悪魔絶滅戦争なんて俺には関係ない。

だって、俺は……」

ーーー誰だ。

蚊とカンニング争いをしていた時は、まだ本名を

覚えていたのに、忘れている。

「あなたは、大統領の息子ですよ」

「違う。そういうことではない!俺は9割が

化け物で 1割が人間で悪魔でもあって・・・

一体、俺は何者だ 」

自分の手を見る。見た目は人間の肌なのに、人間とは

また違う。かといって、化け物とはまた違う。

こんなに 俺は不安定だったのか。

―ーこんなの 自分を保つので精一杯だ。

「ごめん、つるき。俺には、無理だわ」

「平凡ですね」

「・・・え、これが平凡だって」

やっぱり、こいつ先生としての自覚がない。と、

後の言葉を聞くまでは思っていた。

「だって、君頃の私だって、君みたいだったよ。

情緒不安定というか。みんな、同じようなことを

験してきた」

「うそだろ」

「うそじゃないよ」

つるきは は断言する。

「君は、みんなと同じ普通の人だ」

これまで体験してきたことは、すべて普通。

そう思うと、なぜか楽になった。

「じゃあ、質問だ。なぜ、普通の君はカンニング

をするのかな」

つるきが先生みたいな似合わない顔して言った。

「俺は100億円という大金のためにやった。でも、

父の数を見てほれた。そして、円々姫…」

「君は誰かのためにカンニングをしていたんだ」

ーー俺がカンニングを始めた理由も父と母が

喜んだからだ。

「そんな君に、この情報を与えよう」

つるきから渡されたのは2枚の名制だった。

「これはひつじとようきの電話番号だ」

「何で、裏切り者のやつらが」

「彼らは裏切ったのかもしれない。でも、私は

らがこのばかげた戦争を君に消してほしいと

思っていると思っている。」

円々姫もか。円々姫も俺に戦争を終らせて

ほしいと思っているのか。

『私はカンニングを待っています』

裏切り者が、俺を待っている。この世界は、矛盾

であふれている。

それを悪化させるのがカンニングだ。

「分かった。俺がカンニングしてやる」

「承知しました。それでは、設計書が置いて

ある机に手を置いてください」

「なんで」

「だって、これが」

つるきは机に近づき、設計書を捨てる。設計書

の下から現れたのは、机ではなく、デジタル型の操縦機だった。

つるきと目線が合う。つるきは言う。

「お帰りなさい、大統領」

父は死んだと、その言葉で改めて実感した。

俺は机に手を当てる。

「円々姫、お前をカンニングしてやる」

机は反応する。

『ファーストシステム解放。エネルギー解放。

緊急防御システム実行。』

机が機械の音声でしゃべってる。

「大統領、軍隊から連絡です」

「え、軍隊から」

つるきから渡されたスマホを耳に当てる。

『あなたは、大統領ですか』

「うん、そうだと思う。今から戦争が始まる」

『それなら、国民に地下シェルターへの避難命令を!』

次の瞬間、すべての情報機器に俺の顔が映る。

それを、国民が凝視する

液晶画面を通じて沈黙が流れる。

ーーやばい。何か言わないと

「戦争が始まる!こ、ここここ、国民は地下シェルターへ避難をしてください!」

ーーうん。 俺 緊張している。

この状況をあおるように、机が強く光り出した。

『セ国上界』

圧カが が上からかかる。上界だ。

セ国の本体が海中から現れる。セ国の正体は、

曲面を大砲で構成された、逆円錐型空中都市

だった。

「よし!これで外部からの攻撃は防げる!」

しかし、机はそう言わせてくれなかった。

『警告。弾丸不足。繰り返す。弾丸不足。』

「なんだって!」「大統領、どうしましょう」

考えろ。

そうだ。

俺は電話する。大金話を持ち出したひつじに。

その頃、ひつじは歌対抗戦に追い打ちをかけていた。

「死が…」「ひつじ!」「しに…」「ひつじ!」

「し…」「ひつじ!」「…」「ひつじ!」

ドルクは情報量の多さに倒れた。

勝者は、ひつじだ。

そんな中、柱の影に死神の生き残りがいた。

「くそ、やべ・・・。あの歌だけで俺以外全滅する

なんて。まあ、俺は頭の整理が速いからな。でも、

痛い。俺がみんなの敵を打ってやる!」

「・・そうはさせない」

死神の首に黒く光る冷たい物が当たる。

体が硬善する。二等身の黒いマントを羽織った

女の子が背後にいる。

「お前は子供の死神!子供は大人の言うことに

従うべきだろ。鎌を離せ!」

「やだ!我にだって感情がある!子供は

小さな大人じゃない。子供だ!」

「正解だ」

大人の死神が横目でひつじの姿を

考えた時は、遅かった。

ひつじの挙が死神の顔面に直撃する。

「うげっ」

大人の死神は気絶した。

「ありがとう、ひつじさん」

女の子は鎌を力強く握り、ひつじを見上げていた。

「おれを言うのは私だよ、ありがとう」

ひつじは女の子に感謝を

言った。そして、ひつじのスマホが鳴る。

鳴ることが分かっていたかのように、ひつじは

耳にスマホを当てる。

「元気か、カンニング」

『ユメー天使のボスの仲間だろ。ひつじ』

「そうだ。それだけか」

『そのボスを裏切ってくれるから』

「今、裏切っているところだ」

『やるな。100億円の件覚えているか』

「それが、どうした」

『給与前払いしてくれないか。現金で』

「いいぞ。札束でいいか」

『いや。両替してくれ。100円玉で』

「100円玉が1億個になるが、いいのか」

『それが目的だ』

「どこに届ければいい」

『セ国の中だ』

ひつじは電話をきる。それと同時に、女の子が

質問してきた。

「誰から?」

「将来を期待できる人物だよ」

「・・・我は」「君もだよ」「やった」


僕はセ国のどこかの高層ビルの上でたたずんで

いた。風が僕をあおる。

「わあ、海面が低く見える。いや、セ国が上がった

のか」

数秒前に僕の情報機器にも先輩の顔が映った。

なんとも、緊張した顔をして。

最近の僕は変だ。先輩のことを守りたいと

思ったり、心で助けたような気もしたりと、神として

情けがでてきた。前なんか、すべてに無関心だったのに。

「そういえば、どうして僕は弾丸の神なんだ」

神になる前の最後の記憶は、確か、そうだ、

女に銃口を向けられたんだ。ぼんやりとはして

いるが、後ろに怖がる男が二人?

弾丸で殺されたから、逆に、女を弾丸で返してやろう

と思って、「弾丸の神」になったはず。

ーーあれ、この記憶って、

情報機器が鳴り始めたのは僕が何者だった

か気付いた時だった。

「はい」

『やあ、ようき。俺だ。カンニングだ』

「え、先輩!?なんで、僕の電話番号を!」

『ひつじから聞いた』

「ああ、で、僕に何の用ですか」

『セ国を操従してみないか』

「いいんですか! やったーッ!」

『レイにも伝えてくれ』

「分かりました!」

『じゃあ、俺らの学校で集合だ』

「承知」


「ありがとう」

俺は電話をきる。俺は自分の靴箱の前に

立っていた。学校の外はもう夜だ。

ーーようきが来る前に、少しぶらぶらしていくか。

靴に手を入れた瞬間、何かが当たった。

俺はそれを拾い上げる。

それには、こんなことが書かれていた。


天使のボスより


あの安い所で、再会ね。


        くずの君へ

「くずじゃなくて、あほだってばー。」

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