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全体的絶滅的 絶対的

俺たち生徒は結果発表の場ーー開催セレモニー

を行った場所に戻っていた。

死神は天使のボスの下っ端を飛ばした件で

帰り、破壊神はいつの間にか消えていた。

それをひつじに伝えるために、円々姫は一時的に天へと帰った。

なんで、こんな俺があんな神たちと関わっているの

かな。100円玉を拾った俺のせいか。

初めは邪魔だった日光が、今は恵みだ。

リク氏とナイ氏が朝礼台に立つ。

「生徒たちよ、良く学び、良く協力し、

良くたたかってくれた。今から結果発表を行う」

俺はかたず を飲む。前にいるようきも。

周りの生徒も。

氏が口を開く。

「優勝は体育派!」

体育派の生徒が腕を元気よく一斉に上げ、

叫ぶ。

「やったアアアアアーーーッ!」

俺は喜ぶことができなかった。なぜなら、学校

走に参加したものの、俺は文化派だ。

複雑な気持ちだ。勝ったのに、負けた。

でも、話には続きがあった。それは ナイ氏が

言った。

「全体的にはな。一人一人の評価を見ると、

文化祭では文化派のヒーローが俺たちを助

けてくれた」

リク氏も言う。

「体育派では悔しいが、文化派の中二病が一番

盛り上げてくれた。だから…」

そして、ナイ氏が言う。

「優勝は文化派!体育派は2位だ!」

「イエエエエエエエエエエーッ!」「ブゥゥゥーッ!」

「イェェーッ!」「ブゥゥ・・・」「イェェェェェェェーーッ!」

俺も喜んでいた。

「やった、俺は勝ったんだ」

「くずたちでしょ、先輩」

ようきは笑顔で俺の正面を見ていた。

俺もようきを見ていた。助けてくたようき自身も。

「くずたちじゃない。生きているから、「くず」の上、

あほたちだ」

俺とようきは挙を突き合わせた。

教室に戻ったら、レイとユメがけんかしていた。

レイなんかは、泣いている

ユメは、怒号している。

「なんで、負けた!」

「だって、テープが爆弾だって知らなかったから・・・。

でも、私は君が好きだ!」

「このばかーッ!」

ユメはレイの顔に平手打ちを喰わせた。

「うっうう・・・」

レイは頬を押さえ泣き崩れた。

―心の中でだが、レイに助言を与えよう。

♡×100の「♡」が「0」だった場合、かける「100」だと

しても、レイの恋は「0」だ。それに、ユメの数は「0」。

レイは新しい人を探せ。

「カンニングを殺せないなんて、本当にばかだな」

ーー俺の前で、カンニングを殺せなんて言う、ユメも

本当にばかだな。

ユメは俺がいたことに気付く。俺はとっくに

気付いていた。

「ふん」

ユメはレイを見捨て、俺の横を通り過ぎ、

教室から出た。


通り過ぎる瞬間、ほんの瞬間、ユメは俺の耳に語りかけた。

「悪魔絶滅戦争、開始」


俺は嫌気が指して、直ちに家に向かった。



「・・・こんにちは」

「こんにちは、君が俺を殺しにくることは

分かっていた」

カンニングの部屋で悪魔のボスと女が対面していた。

「これまで俺のゆーー息子に天使のボスの仲間

だって気付かれなかったことはほめてやろう」

「違う。私は天使のボスの手下じゃない。お前

を殺す気はない」

「でも、結局は俺を殺す」

「天使の加入に「お前の100円玉で悪魔のボスを買って

こいと言われただけだ。でも、すぐさまに、返品する」

「なぜだ」

「カンニング様がファザコンだからだ」

「なら、お前に対しては」

「え」

「そんなことも分からない、お前に俺は殺せない」

「そうです」

「だって、俺は寿命で消える」

「え」

「残り一分という命だ」

「・・・・うそ」

「だから、俺が消えたら、お前が俺を殺したことにしてくれ」

「それは、私を天使のボスから守るため?カンニング

様はどうする?あいつは、ファザコンだぞ」

「それは、大丈夫」

「え」

「俺の息子はこのうそを見破り、お前を、お前

たちをカンニングしに来る。だって、息子はマネコンだから」

「・・・・やだです。それは」

「俺はこの戦争が嫌いだね。親離れよりも。だって、

この戦争の原因は、ばかげているからだ」

「なんで分かった」

「息子が始めてカンニングをした100点のテストが

あって、分かったからだ。この戦争は俺のせいじゃないって。」

「やっぱり、悪魔のボスはすごいです」

「お前に悪魔のボスと呼ばれる筋合いはない。

こんな形で助けるから不器用と呼びなさい」


「ありがとう。不器用」

「どういたしまして、金」


俺が帰宅した時には、扉が開いており、

部屋に円々姫がいた。

「・・・!」

円々姫が俺を見ていたことに、驚いたわけ

ではない。

円々姫の背景で、父が笑顔で灰のように

消えていく様を見たからだ。

「円々姫、お前…」

俺の父を殺したのか。

ユメの仲間だったのか。

言いたいことはたくさんあった。 でも、その

言葉たちは口から出てこなかった。

言ってしまえば、信じていたものがすべて崩れ

ると思ったから。

だから、円々姫が言った言葉には驚いた。

「私はカンニングを待っています」

そして、円々姫は俺に紙を押しつけ、部屋から

出ていってしまった。

俺は追いかけることはしなかった。

ただ、呆然としていた。


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