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お金売買①

自分の問題用紙と解答用紙を紙のたばに

紛れにませてから、俺は帰路についていた。


俺の変装の的、つるぎ先生はもうすぐで起きるだろう。

つるぎ先生--俺らクラスの担任で、

他の先生のように迫力がなく、弱虫だ。

だから、俺のようなやつに利用されるのだ。

「でも今回は--- 自信はあるな」

いつも以上なド派手なカンニングのおかげで、

答えは良く見え、分析の時間も取れた。

やつらの答えの統合とやつら一人一人の正解率を

データ化し、取捨選択をくり返し、最高の答えを導く。

これらの計算を1問に30秒のスピードで行う。

こんな大天才がどこにいる? ここにいる。

「後は家に帰って、もう一度、学校に向かうだけだ。

そうすれば、テストにおくれた高校生を演じれる」

今は昼の12時。人間どもが空腹で、食材を求める時間。

俺の横を通りすぎる人間も腹がすいているのだろう。

うつろな目をしてやがる。

・・・

突如、ビルに搭載されている巨大モニターが音を出した。

「左国に右耳と思われるドローンが上空で発見されました。ドローンは数秒後に、自爆しましたが、

それは右国が左国を挑発しているようにも思われます。

右と左国の間に位置する我々の「セ国」では

緊張が高まる一方です』

機械的な音声が朗々と伝えた。

「あぁ! うそだろ! あのくそ「大統領」何をやっているんだ」

領土問題で戦争をするか否かの

路線上の左国と右国の関係が今年になって、一年を切った。

領土問題というものは俺らが住むこのセ国を

どちらの領地にするかだ。

我ら大統領にワイロなどが送られるが、

首相はどちらにもいかず、

その金を自分の金として消費している。

くそ首相だ。

この前なんか、200億円の豪邸をワイロで買っていた。

「まあ、俺もくそだけどな」

自傷きみに笑い、俺は足を進めた。

その瞬間 先を行く歩道に光を放つ円が落ちていた。

「うそだろ! あれ、金か!」

早足で円に近づくとそれは本当に金だった。

それに、100円玉だった。

これこそくそに訪れた幸運

「俺だからこそ、もらう権利がある」

俺は屈み、100円玉に手を伸ばす。

100円玉は俺の手をのがれ、前に転がり倒れた。

「・・は?」

俺はもう一度、手を伸ばす。だが、100円玉は前へと転がる。

「おいおいおい!待って!」

100円玉は坂を下り、俺はそれを追いかける。

通行人は、俺を怪訝な目で見るが、

俺はあの金がほしかった。

これでは、有名な童話のおむすびを必死に追いかけるおじいさんだ。

100円玉は、坂を下だりに下だり、車道に出た。

「ちょ!」

俺も一緒になって、車道に出た。

次の瞬間、巨体が迫まり、

ブレーキ音と人の悲鳴が耳に走った。

ドン


・・・

目覚めたら、俺は法廷の中心に倒れていた。

「うお!俺は死んだのか」

目覚めた俺は、悪夢から目覚めたかのように立ち上がり、

なぜここなのか、俺はもう一度、意識を失いそうになった。

だって、俺、裁判所の中にいる!

法廷は俺を包囲するかのように円形になり、

その3層の円形にすきまなく座っているのは、

黒いスーツに身を包み、獣の仮面をつけた。

やばそうなやつらだった。

「元気だね、人間さんよ」

俺の正面に座る、ひつじの仮面をつけたやつが言う。

「おいおいおい、待ってくれよ!

俺は何も悪いことしてねえぞ!

俺がやったとすれば、カンニングだけだ!

俺は法廷に用はない!」

ここから早く出たい、というか、逃げたい。


こいつら、人間じゃない。


人間にしては、「無」が強すぎる。

「人間さんにやってもらいたいことがある」

「おい、さっきの話を聞いていたのか!

俺は、ここに用はないんだ!」

「すまない、言い忘れた。

ここは、法廷ではなく会議室だぞ」

「は」

「で、君には悪魔と天使の戦争を止めてもらいたい」

これはきっと、悪い夢だ。

100円玉を追いかけている途中で、俺は寝たんだ。

きっと、そうだ。

--でも、は、戦争を止めるだって!

それに、悪魔と天使の!

「なんで、人間の俺がそんなことを!

関係ねえだろ! それにお前らだって、きっと人間じゃないのだろ。お前らで頑張れ」

俺はきびすを返し、立ち去ろうとした。

しかし、体が宙に浮き、頭をつかまれるように、

ひつじ仮面の眼前に引っぱられた。

体がひつじの方を向く。

仮面からのぞく目は、血のように赤く、俺の目を喰いばむ

「おり、離せ!」

「我々も困っているのだよ、人間さんよ。

欲に満ち 卑劣で、邪悪な人間に頼むほどに」

「なんだと」

「おう」

これでは、俺がそんなくそ人間の代表みたいだ。

「それに、これは人間さんの性質に良く合理した仕事だと思うが」

「どういうことだ。俺がなぜ」

一瞬、赤い目が笑ったような気がした

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