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⒄『イズムについての、一考察』
⒄『イズムについての、一考察』
㈠
立法に則って、積載されたイズムを人に提示する時、訳も分からない様な、摩訶不思議なイズム動態式が現出することがある。別段、闇の中を彷徨う鳥の様に、飛ぶ音だけが聞こえて、姿が見えないと言った、所謂クローズドの問題であっても、イズムだけが解決する訳ではない。
㈡
もっと言えば、イズムは常に前方にあり、唯、只管、自身の行く末を照射するのである。また、こう言った、物事の観点からすると、所謂、イズム消滅の意味は、消滅するからこそ、文章として、初めて提起出来るという、一つの矛盾の中にあると言えよう。
㈢
消滅し、死体 となったイズムは、生存者に対して、或る、虚動の、果てない強烈な意味を保持するのである。誰も、死体とは会話できまい。要は、絶対者として、そこに佇む訳であり、誰も逆らえないイズムは、罪と罰をそのまま抱える様にして、停止する。