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⑾『イズムについての、一考察』
⑾『イズムについての、一考察』
㈠
イズムを俯瞰すると、確かに何かしらの確証が得られる。それは、空中を駆け抜ける風の様に、まさに颯爽として現出するのである。しかし、問題は山の様にあり、例えば、一つのイズムを信頼しようにも、それが自身の原風景と合致しているか、という課題があるだろう。
㈡
山積する問題は、イズムには存在しない。イズムを使用する人間が、問題を感じ取るのである。イズムは唯の文章的実存であって、存在しているだけなのである。こう言った、一見初歩的で、且つ、分かり易いことも、イズムの使用問題に繋がっているのだ。
㈢
つまりは、我々が、いつ、どの様にして、悩み苦しむのか、と言った事が、一先ずの問題として提起されよう。そして、その状態に、どのイズムが適合するか、という現象が、問題なのである。イズムを頼る考察、これは、イズムの考察以前に、最も現実的な、イズム探求の問題として、現実に残存する。