Dream come true
「俺の卒業が!? 俺の就職が!? うわあー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
男の夢と希望が一瞬で崩れ去り、暗闇に飲み込まれていく。
「こうやって、さまよえる渋谷人レベル1が誕生していくのか。」
「なんだか、可哀そうね。一度に喜びや将来を失うなんて。」
「さっきの電話は誰の仕業でしょうね?」
望たちは、夢と希望を無くした男に同情した。そして謎の電話の存在が気になった。
「ガオー!」
自暴自棄になり闇に飲み込まれ人の意志を無くした者。それがさまよえる渋谷人レベル1の正体であった。
「What is your dream? (あなたの夢は何ですか?)」
その時、望がさまよえる渋谷人レベル1に語り掛ける。
「ガオー!」
しかし、望の声はさまよえる渋谷人レベル1には届かない。
「Do you remember your dreams? (あなたの夢を覚えていますか?)」
「・・・・・・。」
さまよえる渋谷人レベル1の動きが止まる。
「俺の夢は、大学を卒業して、立派な社会人になることです。」
望の魔法が、さまよえる渋谷人レベル1の無くした夢を思い出させる。灰色に全身を包まれた部分から、生身の人間の姿が見えてくる。
「俺は夢を持っていたんだ!? 俺は夢を持っていたんだ!」
さまよえる渋谷人レベル1は、人間の心を取り戻す。男は自分に夢があったことを思い出す。
「Make your dream come true.(あなたの夢を叶えましょう。)」
望の魔法の言葉に、さまよえる渋谷人レベル1が人間の姿に戻されていく。
「ありがとう。」
さまよえる渋谷人レベル1の男が人間の頃の姿に戻り望に感謝して天に消えていく。その表情は清々しいものだった。
「勝った! 望お兄ちゃんが勝ちましたよ!」
「望、魔法が使えるようになったのね。おめでとう。」
喜ぶ希と美杉。
「何も攻撃魔法だけが全てじゃない。これが俺の魔法だ!」
望は魔法使いデビューを果たしたのだった。
「誰だ? せっかく人が悪い夢を見させたのに、私の邪魔をするのわ?」
そこに黒いローブを着た男女が現れる。
「あなたの魔法力が弱いからよ。」
「何を!? じゃあ! おまえやってみろ!」
「断ります。」
男女は、そんなに仲が良さそうではなかった。
「誰だ!? おまえたちは!?」
「俺たちは黒の魔法使いだ。」
現れた男女は黒の魔法使いと名乗る。
「私は悪夢ナイトメアの魔法使いクロム。」
「私は名乗るほどの者ではありません。」
望たちの前に新たな敵が現れる。
つづく。