浮気者
「浮気したら殺すわよ? 望。」
「私は私が1番なら許すわよ。ようこそ黒の世界へ。浮気と不倫は文化よ。」
いつもと少し違う希とイバラの望争奪戦。まるで聖戦の様な戦いの名前である。
「ち、違う!? 俺は浮気はしていない!? ただ、どこかからか女の声が聞こえてくると言っただけじゃないか!?」
「望お兄ちゃん!? それが乙女である希さんとイバラさんが怒る原因だとなぜ気づかないんですか!?」
鈍感で無神経な兄、望を怒る純粋な妹の美杉。
「問題は、その女の正体ね!? 望、あなた何か悪いモノでも食べたんじゃないでしょうね?」
「俺の食事を作っているのは、おまえたちだろうが!?」
望の家の食事は、希とイバラの交代制である。
「ということは、毒を盛ったのは女狐か。」
「こら、なぜ、そうなる。」
希とイバラは一歩も引き下がらない。
「そうだ。困った時は渋天様に聞いてみましょう。何か知っているかもしれません。」
「頼むぞ。美杉。これで俺も呪いから解放される。」
「任せてください。望お兄ちゃん。」
美杉は、魔法のスマホを取り出し、渋谷天使こと渋天に電話をかける。
「もしもし、渋天様。」
「あ、誰? 美杉? ごめん、ちょっと周りがうるさくて、声が聞こえない。」
電話の向こうはザワザワしていた。
「渋天様、今、どこにいるんですか?」
「今、渋谷のスクランブル交差点で青い服を着た謎の集団のテロに巻き込まれているんだ!? うわあああー!? 潰される!? ピピピー。」
「・・・日本代表のサッカーの日か。巻き込まれたんだな。可哀そうに。安らかに眠れ。」
渋天は、天界では神の使途として威厳があったが、下界に降りてから苦労をしている。
「勝手に殺すな!」
「あ、渋天様。」
その時、目の前に渋天が現れた。
「今頃、チャラ男とヤンキーに踏まれまくっているはずなのに、どうやって脱出してきたんですか?」
「フッ、天使ともなれば、瞬間移動で脱出できるのだ。ワッハッハー!」
「踏まれた足跡がついてますけど。」
天使はつまらないことは気にしないのだ。
「何? どこかからか、女の声が聞こえてくるだと?」
「はい。何とかしてください! 渋天様!」
「それは、おまえが遊んで捨てた女たちの怨念だな。呪われて当然だ。」
「この浮気者! 死ね! 死ね! 死ね!」
「ギャアアアアー!?」
天使様公認で望の浮気は確定したので、有罪は希に罰せられる。
「やめなさい! 私の望に何をするの! ゴホゴホ。」
その時だった。謎の女が姿を現した。
つづく。




