水のペットたち
「いけ! オオワダ! どうだ? 女狐。あなたはペットなんて飼ってないでしょう。」
「ワンニャー!」
「フッフッフ。甘いわね。私もペットを飼っているのよ。黒妖犬ヘルハウンド! 見なさい! この黒い艶のある毛並みを。魔女の女王である地獄の女神ヘカテー様の血統書付きよ!」
「ま、負けた!?」
オオワダとは、望の家に住み着いた犬と猫の合成したキメラのような姿で可愛く落ち着いた獏である。もちろん捨て獏なので、血統書などのお高いものはない。
「うちのペットの名前は、いつからオオワダになったんだ?」
「おじいちゃんとおばあちゃんは普通に、犬ちゃん、猫ちゃんと呼んでいますから、呼び方は自由です。」
望だけでなく、希も奇跡の魔法使いなので、ペットの選定には頭を悩ませている。カワイイ犬と猫の良い所取りなで鳴き声が「ワンニャー」なので、そのまま名前にしても良いかもしれない。
「教師のペット? 考えてないわね。そもそも私の属性はなんぞや?」
苺は、多種多様な魔法を使うが、それはチュートリアル的な教師の権限という名のアビリティーである。
「みんなで自分たちのペットを自慢しあいましょう!」
「おお!」
こうしてゆるキャラならぬ、ぬいぐるみ要因の各自のペットの紹介が始まった。
「はい! 水のペットを紹介します!」
水の魔法使いのミナモとウスイが水のペットを紹介しようとする。
「水竜リヴァイアサン! 悪魔名をレヴィアタンという!」
「ギャオー!!!」
突然、水流が現れた。水竜は水を吐きまくるので魔法渋谷の街は水の街に変わるほど浸水した。
「やめいー!」
「からの、水の歌姫! セイレーン!」
「ラララララ~。」
水没した魔法渋谷でセイレーンが大好きな歌を歌う。
「なんてきれいな歌声なんだ!」
望は目を閉じて歌声に聞き入っている。
「あ! 魚が跳ねた!?」
「あれは人魚のマーメードですよ。」
「あ! 何かが光ってる!?」
「海の天使クリオネです。」
魔法渋谷は水の都ポセイドーン神殿の様に、水系のペットたちが現れた。
「あ! 天使様がいる!?」
「水を司る天使サキエル様です。」
「うわあー!? 化け物たち!?」
「悪魔の半魚人ダゴン、烏賊の怪物ダイオウイカ、タコの怪物クラーケンです。」
「次から次へと現れるな。ここは水族館じゃないぞ。」
望は新しい珍獣が現れる度に疲れていた。
「そして、とどめは海の神ネプチューンこと海神ポセイドーン様です。」
「ついに神まで出てきた!?」
「でも、どれも選べないので、私たちのペットは、水の妖精ウンディーネにします。」
水の魔法使いのペットは、ウンディーネに決まった。
つづく。




