奇跡を起こせ!
「おまえの爆弾魔法は、もう俺には効かないぜ!」
「そんな!? 馬鹿な!? 私の爆弾が!?」
爆弾を夢の国に飛ばされた灰色の魔法使いは戸惑っていた。
「今度はこっちの番だ! くらえ! 夢魔法!」
望が灰色の魔法使いを攻撃しようとする。
「シューティング・スター!」
その時だった。望と灰色の魔法使いの間に流れ星が落ちてくる。
「うわあー!? なんだ!? 隕石か!?」
望はかわすのが精一杯で何が降ってきたのか分からなかった。
「星!?」
望は降ってきたものを確認した。なんと降ってきたのは、流れ星だった。
「いつまで遊んでいる。」
星が降ってきた方向から女の子の声がする。
「は、灰色の魔法使いが、もう一人!?」
なんと、新たな灰色の魔法使いが現れた。
「白い魔法使いが現れて私をいじめるんだ。」
「言い訳は結構。いくぞ。」
「あう。」
何事もなかったように2人の灰色の魔法使いは去って行こうとする。
「ちょっと待て!? 逃げる気か!? 逃がさないぞ!」
望が灰色の魔法使いを挑発する。
「逃げる? 逃がしてもらえるの間違いだろう。」
「なに!?」
爆弾魔法の灰色の魔法使いが従順に従っていることからも、新たに登場した灰色の魔法使いの方が強いのだろうと推理できる。
「私と戦いたければ、生き残ることだ。そうすれば、いつか戦うこともあるだろう。何も真実を知らない白の魔法使いよ。」
新たに登場した灰色の魔法使いは何か言いたげだった。
「さらばだ! 宇宙魔法! ワープ!」
灰色の魔法使いの2人は、宇宙空間に消えていった。
「終わった。戦いを終わらせたぞ。」
望は形上の勝利を収めた。
「なんなんだー!? なんなんだ!? この光景は!?」
しかし、周囲を見渡すと壊れまくった魔法渋谷。高校の入っている魔法渋谷スクランブルスクエアも倒壊で跡形もなく崩れ去り、火の手や煙、瓦礫の下敷きになった人も数えきれないいるだろう。さらに妹の美杉も失ってしまった。
「うわあー!!!!!!!!」
昨日までの生活と変わり過ぎた景色に、望は悲しみ涙を流しながら叫ぶことしかできなかった。
「キャアー!?」
その時、空から希が降ってくる。
「の、希!?」
希をなんとかお姫様抱っこでキャッチする望。
「久しぶり!」
「その恰好は!? まさか!?」
望は、希が魔法使いのローブを身に着けているので驚いた。
「そのまさか! 私も魔法使いになったのよ!」
希は、ミラクル奇跡の魔法使いになったのだった。
「諦めないで! 絶望も希望に変えられる! 諦めなければ奇跡を起こせる! 私と望、二人合わせて、希望なんだから!」
誰もが諦めている大惨事の中でも、希は希望を抱いていた。
つづく。