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現代のロデオガール  作者: 倉井 陽流
第一章  中学二年生編
6/6

始まりは一本の電話から # 3

案内された通り、ドアの中に入ると、外に出た。


普通なら裏庭に出るはずだが、ちがった。

目の前には高い白い建物が立っていた。


・・・ざっと見て二十階はありそうだ。


「あの建物の中に入ってください」


アロとサリーナは建物の中に入った。


その建物は、右側に市役所のように受付があり、受付にいる人はアロとサリーナを怪訝そうににらんでいた。

そして、メラニーは左にある通路を通って、二番目のドアで止まった。


「この部屋にアリーナ・インプラッシュがいるので、入ってください。あ、あとあんまりたくさんしゃべらないでください。アリーナは忙しいので」


彼女はそう言うと、スタスタと建物を去っていった。

サリーナがドアノブに手をかけると、アロがサリーナの後ろについた。


しかし、サリーナはドアノブを手にかけたまま、アロを見た。


「アロ、いいよ。私一人で行くから」


アロはそれを聞くと、ドアから離れ、退屈そうに壁に寄って立った。


サリーナは「ふう」と一息入れて、ドアを開けた。


そこは個室だった。


メラニーは「アリーナの部屋」と言ったが、多分この部屋は来客用だ。

この部屋には白い机と白いいす二脚しかなかった。


しかも、壁は真っ白で、余計にいすに座って寄りかかっているアリーナが目立った。

アリーナはとてつもなく顔が整っているうえに、服のセンスが良く、とてもいい印象を受けた。


「なんですか?話って?」


サリーナが部屋に入るなり、アリーナが嫌そうな顔をした。


サリーナは、右眉をピクリと動かした。

これはサリーナがイラついている時の癖の一つだ。


(ダメだ、こんなところでイラついては。ちゃんと、この人に用件を伝えなくては・・・)


サリーナはいすに座ってアリーナに向き合って話し始めた。


「あの・・・昨夜、私の家に電話がかかってきたんです」


「はあ・・・」


アリーナはめんどくさそうな顔をした。

サリーナはそれを見てまた眉をピクリと動かしたが、電話のことを全てアリーナに話した。



「と、いうわけなんです。アリーナさん、お願いします。やってください」


「はあ?また任務なんて、めんどくさいなあ・・」


サリーナはムッと、した。


(何か嫌な予感がする・・・・)


アリーナは言葉を続けた。


「もう、毎日任務で疲れた・・・。そうだ、アンタの家に電話がかかったんだから、私の代わりに任務、やって。」


「はあ?!」


サリーナは、思わずいすから立ち上がった。

サリーナはイライラマックスだった。


(スパイの仕事丸投げするなんて・・!それに私、やりたくてここに来たわけじゃないのに・・・。)


「だって、相手はアリーナさんに向けて言ったんですよ?関係のない人がやったらただじゃ置かないですよ?」


「そういうのは私がなんとかするから。」


(なぜそこは自信を持つのだろうか・・・)


「でも、世界を守るのがスパイの仕事でしょ?」


サリーナは必死になって訴えた。でもどうやらアリーナは頑固のようで絶対に譲らなかった。


「もー、いい?命令よ!ちゃんと私の代わりをしなさい!」


(なんで、スパイのこと何も知らない私がやらなきゃならないの?)


すると、なぜだか外から大きな話声が聞こえた。


アリーナはいすから立ち上がって、外の通路に出た。

外の通路では、アリーナの先輩スパイがアロに対して、文句をたくさん言っていた。


アリーナはアロを中に入らせ、サリーナに「あんたには相棒がいるんだからいいじゃない!」などと言って、ますます仕事を押し付けた。




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