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起の巻

学校の帰り道、何となく商店街をぶらついていた

俺は、あるチラシを前に呆然と立ち尽くしていた。


『異世界へ行って、お金を稼ぎませんか?

興味のある方はフリーダイヤル000-…』


…は?確かに金は欲しい。現在バイトをしながら

なんとか暮らしている苦学生の俺には金はいくらあっても足りないくらいだ。しかし…


「異世界へ行くって…地下労働とか風俗とか、

そういう意味での『異世界』ってとこだろ?

…ふっ、ねーわー。」


その時、背後から声がした。


「違うわよ。」


振り返ると、俺の後ろには同い年くらいの女が

立っていた。


「違うってどういう意味だ?」

「本当に異世界へ行ってお金稼ぐのよ。」

「…え。本当に?」

「えぇ。私、経験者だもの。ちなみに一回…

このくらい貰えるわよ?」


そういうと女は、指を三本立てた。


「え、三万も?」

「いや、三十万。」


さ、三十万だぁ!?三十万あれば…すげーぞ!

欲しいものだいたい買えるじゃん!


「それは凄いな。…ちなみにどんなことを

するんだ?」

「んー、それは担当の人に聞かないとなんとも。

興味ありそうだね?よかったらあなたのこと、

担当の人に紹介しよっか?」

「ぜひ!」


微妙に胡散臭い感じあるが、こんなうまい話

逃すわけにはいかない!


「分かった。あ、私田中浩子。あなたは?」

「加辺涼。宜しく、田中さん。」

「うん。宜しくね、カナベ君。…っと、じゃあ早速

連絡してみるからちょっと待っててね。」


…異世界、ねぇ。アニメやゲームではよくある

話だが、ほんとにあるもんなのか?やっぱり

何か怪しいものなのでは…?


「うん。宜しくー。…お待たせ。おっけーだって。

じゃあ行こうか。」

「え?今から面接か?なら履歴書を…」

「そんなのいらないよー。…よし、周りに人の

目なし!…はい!」パチンッ


彼女が手を叩くと、俺の視界は暗転した。



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