19話 人間という生き物
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王子が逃げ出した事に気付いた俺は、クリスに追跡を頼む……が、「王子ならお城に帰えらせた」と言い出す。
俺が驚いていると、「どうせ逃がす予定だったでしょ?」と悪びれもなく、無表情で胸を張っていた。
確かに王子には、伝言役になってもらう予定だったんだが、クリスには話していない筈だ。
まぁ、そこはいいや。俺は自警団の隊長の胸ぐらを掴み上げ、町の住民を集めるように命令する。
「エルヴァン。町の住民を集めてどうする気だ?」
アグラーが、心配そうに俺に聞いてくる。
「安心しろ。殺しはしないよ。ただ、これからの事を話すだけさ」
暫くすると、町の住民達が集められてくる。町の住民は俺を睨みつけてくる。まぁ、当然だよな。何の断りもなく、大事な家を破壊されたんだ。
しかし、こいつらは俺が傷心で帰ってきた時に、罵声や石を投げたりして俺を拒絶した筈だ。
そこまで拒絶された人間がこの場にいれば、復讐されてもおかしくないと考えると思うんだが、こいつ等にはそういう危機感というものは、持ち合わせていないらしいな。
俺が、住民の前に出ると、住民達から罵声や怒声が飛び交う。
「少し黙ってくれるか?」
俺は、なるべく冷静に住民と話をしようとする……が、住民達の怒りは収まらない。
アグラーやヴルカーノ達は、住民の気持ちもわかるのだろうから、あえて何も言わないのだろう。しかし、ファムは違うようだ。
「クリスさん。人間達は自分達がやった事をすぐ忘れるほど愚かなんですか?」
「うん。全ての人間がそうとは言わないけど、こうやって都合の悪い事はすぐに忘れる人間は結構多い……情けない」
そう言って、クリスはため息を吐く。いや、お前も人間だろ?
ただ、ファムとクリスの会話で、住民達は静かになる。ようやく、自分達が俺にした事を思い出したらしい。
「まぁ、俺にいたい事もあるだろうが、俺もお前等に言いたい事もある。いや、本当は殺してしまいたいほどの恨みすらある」
俺がそうを話すと、親父と一部の人間以外は黙ってしまう。ちなみに一部の人間とは、俺の家族とメディアの家族、それに自警団の連中だけだ。
暫く罵声を聞いてやった後に、殺気をぶつけて黙らせる。
「全く……、いつまでもギャーギャーうるさいんだよ。本当に一人ずつ殺してやろうか?」
俺がそう脅すと、完全に静かになる。
ようやく静かになったので俺の話を始める。
「さてお前等の今後についての話をしよう……」
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