18話 真実
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俺が、王子を脅していると、クリスがアグラーとヴォルカーノ、それになぜかファムを一緒に連れてきてくれた。
「アグラーとヴルカーノはわかるが、なぜファムまでいる?」
「来ちゃダメだった?」
ファムはそう言って、俺の傍に寄ってくる。
ファムが俺にすり寄る度に、ヴルカーノの視線が怖いんだが?
「で? ワシ等に話があると聞いたが?」
アグラーが、少し機嫌が悪そうに俺に聞いてくる。恐らく、この町を滅ぼす事に、魔族達を巻き込むとでも思ったのだろう。
「アグラー。そろそろ太陽の下で暮らしたいと思わないか? あんたは言ってただろ? 人間達に生活圏を追われただろ?」
俺がそうアグラーに言うと、王子が吠えた。
「な!! 何故、お前がその事を知っている!? その事は王族や貴族しか知らない事実の筈だ!!」
へぇ。王子は知っていたんだな。
「クリス。お前はアグラーからこの話を聞いたときに、「聞いていたのとは違う」と言っていたよな。お前はどう聞いていたんだ?」
「私は「魔族により、魔族領に一番近い町を襲われ奪われた。だからこそ、諸悪の根源である魔王を討たねばならない」と聞いていた。怪しいとは思っていたけど」
「何故、怪しいと?」
「魔族領に一番近い町が……」
クリスがそこまで話すと、ヴルカーノがその話に食いついてきた。
「エルヴァン。お前もその話を国王から聞いたのか? ならばおかしいであろう。魔族領に一番近い町はこの町なのに」
ヴルカーノ言葉に親父が反応する。その頃には、失禁して失神していた、マシューの父親のアルフ町長も話を聞いていた。
「ま、待て!! この町が一番魔族領に近い!? そ、そんな馬鹿な!?」
アルフ町長はこの事実を知らなかったらしく、酷くうろたえている。ただ、親父は全く動じていない。この男、知っていたな。
「クリス。親父から詳しい話を聞きたい」
俺がそう言うと、親父は走って逃げようとする。が、ただの親父に逃げ切れるわけないだろう。俺は、親父を捕まえ、強化ロープでグルグル巻きにして拘束する。
「こいつに関しては、後でじっくり料理するとして……ん?」
俺は王子を探すが、いなくなっている。あの馬鹿王子……、逃げたな……。
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