14話 家族
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「き、貴様は、勇者であるマシュー君と、婚約者のメディアさんに失礼な事をしたのだろう? そんな、お前に罰を与えるのは当たり前なことではないのか!?」
「二人に失礼な事をした? じゃあ、聞くが、俺が何をした? 当然、何をしたのか聞いているんだろ? それを……、その証拠を見せてくれよ。こういう風に……」
俺は、懐から小瓶を取り出す。
「これが何かわかるよな? 親父……」
小瓶の中身を知っている親父の顔色は青い。クリスは興味深そうに、俺の持つ小瓶を見ている。
「何それ?」
「毒薬だ。こいつらは、これを俺の飯に混ぜていたんだ」
俺が二人に裏切られ傷心で家に帰った時、家族は俺を温かく迎えてくれた。優しさではなく、俺を殺すためにな。
母親は俺が食う料理に、この小瓶の中の毒薬を混ぜ、俺が苦しんでいるところを刺し殺そうとしてきた。あの時の母親の顔をきっと一生忘れないだろう。いや、母親だけじゃなく、親父や兄貴も俺が苦しむ様を笑って見ていた。
「親父。俺も飲んだんだ。飲んでみろよ、結構苦しいぞ?」
「お、お前は人間じゃない!! その薬は人間なら確実に殺せる毒薬だ!! なぜ生きている!?」
そういえば、こいつらは知らなかったな。勇者パーティの毒味役をやっていたおかげで、毒に耐性を持っていた事に。耐性持ちでも弱るという事は、相当強力な毒薬を飲まされたらしい。
当然、毒味役の事を知っているクリスは、俺が毒薬では死なない事を知っている。
俺が何かを話す前に、クリスが親父を魔法で吹き飛ばした。
「ぐわぁああああ!!」
親父は、近くにあった家の瓦礫に突っ込む。クリスは無表情なのだが、俺には怒っている顔に見えた。
「く、クリス嬢!? き、君は一般人に魔法で攻撃を!?」
クリスの行動が意外だったのか、王子の顔は青褪めたうえで引きつっていた。クリスは、王子を睨み「今の話を聞いて、どちらが悪かもわからないのなら、王子も……、この国も必要ない」と王子に向かって炎の槍を突き付ける。
俺は、流石に不味いと思いクリスを止める。王子は自分が守られたと勘違いしたのか、偉そうに俺を指差し、クリスを拘束するよう命令する。
俺は王子を殴り飛ばした。
王子は、なぜ殴られたのかもわかっていなかったのだが、俺が胸倉を掴み「俺がクリスを止めたのは、クリスの手をお前の下らない血で汚したくなかっただけだ。手を血で汚すのは俺一人で……魔王の俺一人でいい」と睨みつけた後、王子を親父と同じ場所に投げ飛ばした。
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